■1200年以上の年月 日本人の思い出を守って─
●たくみ工芸(兵庫県)× 柳行李
(※その他の写真は【関連画像】を参照)
※この記事は2024年12月号に掲載されたものです。
ひと昔前には、どこの家庭でも洋服や本などの荷物を収納・運搬するのに重宝されてきた「柳行李」。忘れ難き伝統技術を現代でも味わえないものか。
「柳行李トランク」はこれまでの柳行李の特徴を残しつつも現代人に扱いやすくアップグレードした旅行鞄である。

鞄の角やとくにテンションのかかる箇所には牛革を使用。より強度を加え、デザイン面でアクセントにもなっている。収納は最低限に抑え、使う人それぞれが自由に使用することができる。
そして、最大の特徴は先人たちが柳を行李として用いてきた理由に尽きる。落としてしまった場合でもその柔軟性で壊れにくく、軽い。
また湿気や虫にも強いという長所も。昔は着物や紙、薬など、湿気や虫に弱い大切なものはなんでも柳行李に保管していた。


「豊岡かばん」の原点である柳行李は日本の伝統工芸品だ。東大寺・正倉院には、奈良時代に作られた「但馬国産柳箱」が所蔵されている。
江戸時代には豊岡藩の奨励によって「豊岡の柳行李」が日本全国へ。参勤交代や商人などの旅行道具として使用されてきた。
しかし昭和になるとファイバーや合皮素材の開発・普及により柳行李の需要は衰退。今では1200年以上もの歴史・伝統の技法を受け継ぐ職人は「たくみ工芸」の伝統工芸士・寺内卓巳さんただ一人となった。

柳行李の良さは現代でも変わらない。だが、素材となるコリヤナギの栽培から選別、編みや縫いの作業、縁の処理まで、すべてを手作業で行い、一つ作るのに数カ月。
かつては必需品であったものが高級品となった。現在は寺内さんのもとに弟子ができた。何事にも代え難い日本の伝統、その萌芽を、この先千年も大切にしていきたい。

【商品概要】
製品名:柳行李トランク
価 格:35万2000円
サイズ:縦/42、横/70、マチ/24cm
素材:コリヤナギ、牛革、金具
たくみ工芸
柳行李をはじめとした、大きさや用途の異なる柳細工の製造・販売を行う工房。染色・革加工・布付けを含めたすべてがハンドメイド。日本各主要都市で伝統の技を伝える実演販売も行う。
兵庫県豊岡市出石町魚屋99
TEL/0796-52-3280
公式HP/たくみ工芸
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