105980フランスのシャンパーニュ|ゼロからわかる!シャンパーニュのQ&A

フランスのシャンパーニュ|ゼロからわかる!シャンパーニュのQ&A

男の隠れ家編集部
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■「泡立つ白ワイン」ではないシャンパーニュの深遠な魅力

「シャンパン」といえば、クリスマスなど現代的な「ハレ」のイベントで開封される泡立つワインがイメージされるだろう。

コルク栓をポンと開ければ泡と香気がほとばしり場が沸く……だが実際のシャンパン、正式名称「シャンパーニュ」はそのような雑駁なものではない。

フランス北東部のシャンパーニュ地方、この地で栽培されるブドウで醸した白ワインを発酵が終わる前に瓶に詰め、瓶内で二次発酵させる。

さらなる発酵で生み出される炭酸ガスが、液内に徐々に溶け込んでいく。圧力に耐えうる頑丈な瓶の大型コルク栓を抜けば芳醇な香気が湧く。

炭酸が抜けにくいよう、シャンパングラスは細長い構造。写真はピエール・パイヤールのシャンパーニュ。

炭酸ガスは人工的に吹き込んだものではなく、自身の発酵で生み出されたものでなくてはならない。世界各国に炭酸ガスを含む高品質のスパークリングワインが生産されるが、シャンパーニュ地方で生産されたものでなくては、シャンパーニュ、シャンパンを名乗ることは許されない。

シャンパーニュ地方では恵まれた土壌と気候、さらには先人と現在の蔵人の研鑽により、世界一の品質が確立された。その「本場のシャンパーニュ」の魅力を探ってみたい。

⚫︎Question「シャンパーニュとは?」

本来はフランス北東部・シャンパーニュ地方を指す。この地で生産されたブドウのみを原料として、瓶内二次発酵を行った上で封緘後15カ月以上の熟成を経たスパークリングワイン。他地域のスパークリングワインは「シャンパーニュ」と名乗れない。

⚫︎シャンパーニュ地方とは?

首都パリから北東に140㎞、ドイツ国境に近くフランスのブドウ栽培北限とされる。石灰岩と泥岩が適度に混ざった土壌、一年を通して冷涼で温度変化も少ないため、ブドウは熟し過ぎず適度な酸味を有したまま実っていく。

■ゼロからわかる!シャンパーニュのQ&A

ピエール・パイヤールの所有畑。真南を向いた、日照に恵まれる丘陵地帯。

Q AOC(Appellation d’Origine Contrôlée |アペラシオン・ドリジーヌ・コントローレ)とは?

日本語に訳せば「原産地統制呼称」。フランス国内の優れた農産物や酪農品などを国が保証するため与える認証で、1935年に制定された。ワインのほかにブランデーやラム酒、乳製品、野菜、果物、鶏などが認定されている。

Q スパークリングワインとは?

炭酸ガスを内部に含んだワイン。栓を開ければビールのように泡立つ。フランスではクレマン、スペインではエスプモーソ、イタリアではスプマンテ、ドイツではゼクトと呼ばれるが、日本でも少数ながら生産されている。

Q Dosage(ドサージュ)とは?

シャンパーニュの製造過程において瓶内部の沈殿物を取り除いた際、目減りした分を補うためにリキュールを加える作業を意味する。ドサージュで加える液体の多寡によって、シャンパーニュの甘辛度が決まる。

Q Grand Cru(グラン・クリュ)とは?

フランスワインの最高峰を示す言葉。だが細かい意味はワインの分類ごとに異なる。シャンパーニュ地方ではブドウを生産する村ごとに格付けがなされ、「グラン・クリュ」は最高の産地のブドウのみを用いたワインを指す。

Q 3つのブドウ品種とは?

Chardonnay(シャルドネ)

白ワイン専門の白ブドウ品種。シャンパーニュ地方で広く栽培される。シャルドネのみのシャンパーニュが「ブラン・ド・ブラン」。

Pinot Noir(ピノ・ノワール)

赤ワイン用のブドウ品種。ブルゴーニュワインの主原料だがシャンパーニュ地方でも栽培され、シャンパーニュに配合される。

Pinot Meunier(ピノ・ムニエ)

黒ブドウ品種。ムニエは「粉屋」を意味し、葉に白い粉を吹くことから。実は複雑なアロマがあり、シャンパーニュにコクを添える。

Q Sabrage(サーベラージュ)とは?

サーベル(剣)を用いて、シャンパーニュボトルの首をコルクごと勢いよく切り落として開封する方法。フランス軍の儀式や祝賀行事で行われ、昨今では日本でも門出を祝う席など華やかなパーティーで演じられている。

Q ドン・ピエール・ペリニヨンとは?

Image from Wikimediacommons

シャンパーニュ地方に生まれた修道士(1638~1715)。彼が発酵中のワインを瓶詰めして放置したところ、偶然に発泡性ワインを発明したという。高級シャンパーニュ「ドン・ペリニヨン」は彼の名にちなむ。

Q ノン・ヴィンテージとヴィンテージの違い

ワインにおけるヴィンテージとは、「原料ブドウの収穫年」を意味する。収穫年のラベルへの記載は任意であるため、収穫年表記のないノン・ヴィンテージは「NV」と表記される。シャンパーニュの8割がノン・ヴィンテージ。

Q 「淑女のため息」とは?

シャンパーニュの瓶を正しい作法で「スマートに、静かに」開封した際の音の表現。「ポン!」と勢いよく開けるのはマナー違反。ソムリエがうっかり勢いよく開けて音を出したら、場の雰囲気を壊したとして謝罪するほど。

Q 「真珠のネックレス」とは?

シャンパーニュ地方では、グラスに注いだシャンパーニュの底から静かに立ち上る泡をペルル(真珠)と表現する。そして液面に浮き上がった泡がグラスの内側に沿って丸く連なる様子をコリエ(ネックレス)に例える。

■甘辛による分類とは?

シャンパーニュの「甘口」「辛口」は、右ページで記した「ドサージュ」によって調整された糖度の量によって決まる。

下の表のように、糖分の量が1ℓにつき3g以下ならば超辛口、以降、糖度が増すごとに甘みも増し、60g以上ならば超甘口。だが熟成期間でそれぞれの味わいも変化する。

呼称糖分量甘辛度
Brut Nature
(ブリュット・ナチュール)
Pas Dose
(パ・ドゼ)
Non Dose
(ノン・ドゼ)
Dosage Zero
(ドサージュ・ゼロ)
3g/L以下極辛口
Extra-Brut
(エクストラ・ブリュット)
6g/L以下極辛口
Brute
(ブリュット)
12g/L以下辛口
Extra-Sec
(エクストラ・セック)
Extra-Dry
(エクストラ・ドライ)
12~17g/L以下中辛口
Sec
(セック)
17~32g/L以下中甘口
Demi-Sec
(ドゥミ・セック)
32~50g/L以下甘口
Doux
(ドゥー)
50g/L以上極甘口

■原料ブドウ・造り方による7つの分類

1,Grand Cru(グラン・クリュ)

シャンパーニュ地方で格付け100%の村の畑から収穫されたブドウのみで造られる。

2,Premier Cru(プルミエ・クリュ)

グラン・クリュ同様、格付け90~99%の村の畑から収穫されたブドウのみで造られる。

3,Non-Millesime(ノン・ミレジメ)

所謂「ノン・ヴィンテージ(ノンヴィン、と略すことも多い)」シャンパーニュ。複数の収穫年にまたがったワインをブレンドして造られる。瓶詰め後、最低でも15カ月の熟成が義務付けられている。

4,Millesime(ミレジメ)

単一の収穫年のブドウを80%以上使用したシャンパーニュには生産年を表記することが許される。「ヴィンテージ・シャンパーニュ」とも呼ばれる。瓶詰め後、最低でも36カ月以上の熟成が義務付けられている。

5,Blanc de Blancs(ブラン・ド・ブラン)

Blancs(白ぶどう、複数種ブレンドの可能性も含めBlancsと複数形。下のBlanc de Noirsも同様。)から造られるBlanc(白シャンパーニュ)、で「ブラン・ド・ブラン」。シャルドネ種100%で造られたシャンパーニュ(ほかの白系品種の場合もあり)が最も多いと考えていて差し支えはない。フレッシュで豊かな酸とミネラルを備え、長期熟成タイプのものも。

6,Blanc de Noirs(ブラン・ド・ノワール)

Noirs(黒ぶどう)から造られるBlanc(白シャンパーニュ)、で「ブラン・ド・ノワール」。シャンパーニュ地方で使用される黒ブドウ品種ピノ・ノワール、ムニエで造られたシャンパーニュの総称。単一品種、2品種ブレンド両方が存在。ボリュームのある果実味、リッチな味わいが特徴となる。

7,Rose(ロゼ)

アッサンブラージュ、セニエ、直接圧搾の3種類の製法で造られるロゼ・シャンパーニュ。

出典/フィラディスワインクラブHP参考

文/角田陽一 撮影/遠藤 純(イメージカット)

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