21912凛として美しい茶筒。130余の工程を経てつくられる日本の美「開化堂」(京都市下京区)|世界に誇る日本の逸品

凛として美しい茶筒。130余の工程を経てつくられる日本の美「開化堂」(京都市下京区)|世界に誇る日本の逸品

男の隠れ家編集部
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「開化堂」といえば言わずと知れた茶筒の名店。使えば使うほど素材の光沢がより深みを増す逸品で、海外からも常に注目を浴びている。日本人特有のきめ細やかな職人技がキラリと光る茶筒を自宅に迎え入れれば、ティータイムが華やぐこと間違いなしだろう。

明治創業の老舗の茶筒は、海外でも高い評価を得る

その人に会うと気持ちが引き締まる。もちろん堅苦しいわけではない。凛としていながらの愛嬌。自然体の人物と向き合う安心感がある。「開化堂」の茶筒、そんな印象だろうか。

蓋と胴の接ぎ目を(下写真のように)合わせると、すーっと蓋がゆっくり落ちていき、鑵の中の空気を押し出しながら、閉まる。そのうえ、内部は精密な二重構造になっており、高い気密性が保たれ、湿気を呼びにくい作りとしている。

創業は明治8年(1875)、文明開化華やかなりし頃、英国から輸入されたブリキを使った丸鑵の草分けであった。鑵を作る工程は130余、1世紀半近く過ぎた今も、初代からの手法を守り続けている。

海外での展示会の風景。

開化堂茶筒のもう一つの特徴は、地肌を生かし塗装をしない点である。そのため、使えば使うほど材料特有の光沢が深まり、経年の色の変化も楽しめる。朝夕のお茶の時間には、手のひらでなでるように使い込むといい、というのは店のアドバイスだ。

さて、開化堂の茶筒、海外とくにヨーロッパで大変な人気である。ロンドン、パリ、ストックホルム、LAなどのショップに販売されているほか、パリやミラノで展示会・販売会が続けて開催された実績もあるほどだ。

外国人に茶筒の製法を教える。

※2013年取材(営業日時はHP等で要確認)

文/赤岩州五

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