木造駅舎を抜けると駅前中華がお出迎え
外房にある上総興津駅の真ん前で存在感を放つ中華食堂。先代の村田達郎さんが昭和34年(1959)に開店。かつては2人の弟と、その妻たちが一緒に働く大所帯だった。
「昭和30年代は、夏になると近くにある興津海水浴場の客が押しかけてきました。開店前に何十人と行列していたんですよ」と先代の奥さん、節子さんが懐かしそうに話す。
現在は息子の幸雄さんが東京で料理修業をして戻り、昔と変わらずに家族が協力して働いている。店内の一角には家族が休憩するスペースがあって、食事するちゃぶ台が置かれているのが微笑ましい。
40年以上通う常連客が言うには、「ここの家族はみんな仲良し。人間性が長年通う一番の理由です」。
といっても料理だって本格的だ。程よい酸味で豚肉たっぷりの酢豚が自慢で、土産に持ち帰る客も多いとか。味よし、アットホームな雰囲気よし。地元民に愛される、ふらりと立ち寄ってみたくなる店だ。
※新型コロナウイルス感染症対策のため営業時間・定休日に変更の可能性あり(2015年取材)
文/阿部文枝 写真/遠藤純
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