わずか2畳ほどの空間ながら、そこはまさにご主人のトレジャールーム。作り付けのデスクとブックシェルフ、座り心地の良いワークチェアがあり、壁にはベースが2本掛かっている。
「扉を閉めればちょっとした音は出して練習できるんですよ」と言いながら、お気に入りのアップライトベースを奏でるIさん。学生時代の友人たちとバンドを組んでおり、ジャズやポップスなどのライブを時々楽しんでいるという。
「システムエンジニアの仕事をしているんですが、小さくてもいいからひとり籠もって勉強や仕事をするワークスペースが欲しかったんです。以前住んでいた賃貸マンションでも部屋を区切って自分のスペースを持っていましたが、完全な個室ではなかった。で、4年前にリノベーションをした際にこのスペースを造ったんです」
築35年・68平方メートルの中古マンションをスケルトンでフルリノベーション。カウンターキッチンのある広々としたリビングダイニングやベッドルームは奥さまの要望が生かされたおしゃれな空間となり、玄関から続く廊下に面した一角にご主人の秘密基地を設えた。
狭いながらも風通しの良さや息苦しさがないのも特徴。それはデスクの右手にベッドルームにつながるウォークインクローゼットがあるからで、夏もベッドルームに設置したエアコンや寝室の窓からの風がそよいで来るからだ。
「最初は仕事スペースをメインに考えていましたが、ベースが弾けるようになったのが一番の嬉しいポイントかもしれませんね(笑)」
【秘密基地造りのPOINT】
1.仕事と趣味を楽しめる空間。
2.狭くても風通しと動線を確保。
3.手の届く範囲に物が収まる。
【Owner’s voice】
今度はもっと防音設備を完璧にして、音をしっかり出せるようにしたいかな。夢はまだまだ広がっていきます。
文/岩谷雪美 写真/秋 武生