【憧れのクラシックカースタイル】
奥村純一さん(フォトグラファー・47歳)モーリス1100 [1963/イギリス]
驚くのは、前々のオーナーがホンダの四代目社長の川本信彦氏だったことだ。それが判明したのが2014年のあるイベントで川本氏本人から「懐かしいね。昔乗っていたんだよ」と声をかけられたことからだった。
45年ほど前に川本氏にお子さんが生まれたため、4ドアのこのクルマを購入したのだという。当時と変わっていないナンバーを見て、感慨深げだった。現在の色に塗り替えたのも川本氏だ。ちなみに同じ頃、あの本田宗一郎はこの兄弟車であるMG1100に乗っていたのだそうだ。
そんな由緒ある(?)クルマ以外にも奥村さんはサーキット走行用も含めて、古いクルマばかり12台所有している。生活の足として、どこに行くにも製造から50~60年経っているクラシックカーだ。このモーリスでも、四国へドライブに行き、金沢へも家族と犬同伴でドライブしている。
小さなボディに4ドアという使い勝手の良さ。ハイドラステックサスペンションのふわふわした独特の乗り心地。消耗品も安価で流通量もそこそこ。これから乗りたいクルマが思い浮かばないほど愛着があるし、「品川5」のナンバーを継続するためにも乗り続けたいと話す。
写真/佐藤佳穂