
手に入れたのは1995年、北海道のクラシックカーを扱っているショップから、1963年製のフルレストアされたものをおよそ500万円で購入した。当初はフルノーマルだったが、サーキットで走るうちに、ブレーキやサスペンション、そしてエンジンチェーンといった方面に手を入れ始めて、だんだんと今のようなスタイルになってきた。


小山さんがこのクルマを手に入れた動機は、幼い頃ブームだったスロットカーだった。ウイング付きの低い車高のレーシングカーが主流のなか、丸みを帯びた親しみあるスタイルのスロットカーに目を奪われた。これがロータスエランだった。そして30年後、その実車を手に入れたのだ。当時の思いは変わらず、ボディの四隅の丸みが堪らなく良いという。


イギリスのロータスが製造した北米戦略モデルのオープンカー。低価格、高性能DOHCエンジン、卓越した操縦性などによってヒットした。
ところで、生産されてから50年以上経過した古いクルマを維持するのは並大抵のことではないのでは?と聞くと、意外にもそうでもないらしい。たまに機嫌が悪くなったりするが、パーツはすぐ手に入るので心配ないとのことだ。
幼い頃の憧れだった1/24のスロットカー。今、実物大の本物を手に入れて自らサーキットで操っているという、男なら誰もが見る夢を実現しているオーナーだった。




撮影/佐藤佳穂