このショットぷっくりしたリア周りのデザインが今では新鮮だ。

日本がまだ戦後間もない頃、国産のオリジナル自動車の製造が始まる前、各メーカーは英国車やアメリカ車をノックダウンで生産・販売していた。その一環で、日産が英国オースチン社からのノックダウンで生産していたのが日産オースチンだ。

オーナーの千葉さんとオースチンはとてもよく似合っている。
運転席周りもイギリス本国と変わらないが、ブレーキやクラッチペダルには日産のマークらしきかたちが。

このクルマを所有している千葉さんは、全日本ダットサン会の相談役という日産のクラッシックカーオーナーの中でも有名人だ。千葉さんがこのクルマを前オーナーから手に入れたのは30年前。ラッキーなことにほぼ新車の状態だったという。

フロントグリルトップに冠されたオースティンマークやオーナメントはイギリス仕様と同じものだ。

それから現在までほぼ当時のままのオリジナルコンディションで大切に所有している。「このフロント周りの愛嬌ある顔が良いでしょう」と千葉さん。わずか2年しか製造されなかった日産製のオースチン。今なお現役で動態保存されている貴重な一台なのだ。

【Owner’s voice】
国産車の進化の過程が このクルマに現れています
日産が生産するにあたって、日本で手に入れやすいタイヤを考慮して英国本土よりワンサイズ小さな口径のタイヤホイールな ど、日本仕様にするための手が入っているんですよ。

日産・オースチンA40

当時の価格は112万円。「だるまオースチン」と呼ばれていた。分厚い鉄製の車体やペイントは当時の日本には真似できないクオリティだったという。