希少な名車で挑むレースの楽しみ
東京都小金井市で主に旧車のバイクを取り扱うTRカンパニーのオーナー・高橋さんが所有するリックマンは、ヴェロセットのチューニングで有名なラルフ・セイモアが1969年、レースに出場するために製作した6台のうちのひとつ。
ただでさえ希少なヴェロセットの中でも、セイモアが手がけたスペシャルマシーン。愛おしそうにタンクを撫でる姿はまるで少年のよう。「こんなに美しい名車を、レースで思う存分に走らせる楽しさは、他の何ものにも代えがたいですよ」。
高橋さんの先輩が英国で入手した車体を譲り受け、タンクやシートなど一切の妥協をせず、自分のポジションに合わせて仕上げた。
子供の頃、自宅にスーパーカブがあり、その頃からバイクに慣れ親しんできたという高橋さん。バイクを仕事にした今も、飽きることなくバイクを駆っている。そんな高橋さんの店には同じようにバイクを愛する客が集まり、いつまでも楽しそうにバイク話に花を咲かせているのだった。
※2016年取材
写真/池本史彦
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