ウルムスツールとは?
シンプルなコの字型のフォルムが特徴的なウルムスツール。一見するとただの箱のようだが、スツールとしてはもちろん、サイドテーブル、スタッキングシェルフ、マガジンラックなど、さまざまな空間で多目的に使える。
1954年に旧西ドイツの「ウルム造形大学」の初代学長であるマックス・ビルらが「腰を下ろすなんらかの道具」をコンセプトにデザインしたアイテムで、現在でも人気のある名作スツールのひとつだ。
ウルムスツールの特徴
美しいフォルム
3枚の板と1本の丸い棒のみで構成されるシンプルながらも洗練されたフォルムが特徴。無駄のないすっきりとしたデザインは、どんな空間にも自然と溶け込む。
季節や気分に合わせて、置き場所や使い方を変えて楽しめるのが魅力だ。
天然木を使った温かみのある仕上がり
無塗装の通常モデルは天然木のスプルース材、カラーモデルは傷がつきにくいバーチ材、ウォルナットモデルはウォルナット材を使用。木の温もりを感じられる優しい触り心地に癒やされるだろう。
軽やかさ
重さは約2.5kgで、見た目よりもずっと軽く、持ち運びも楽々。その手軽さから、シチュエーションごとに役割を変え、場所を選ばずに使用できる。
ウルムスツールのデザインの秘密
コンセプトは「腰を下ろすなんらかの道具」
ウルム造形大学の学生たちが腰を下ろすための道具としてデザインされたウルムスツール。デザイナーのマックス・ビルは、機能性と美しさを両立させたデザインを追求。無駄を省き、実用的な機能を備えたシンプルなデザインとなっている。
学生たちが腰を下ろすための道具としてデザインされたウルムスツール。1つの用途に制限されない機能性により、講義やカフェテラスなどさまざまな空間で最強の脇役として活躍してくれるのがウルムスツールの魅力と言える。
バウハウスの理念である「機能美」を体現
ウルム造形大学は、モダンデザインの基礎を築いた芸術学校「バウハウス(Bauhaus)」の理念を継承する教育機関として開設された。
バウハウスは、1919年に建築家のワルター・グロピウスによりドイツ・ワイマールに設立された芸術学校。抽象的で角ばった幾何学的なデザインや、情緒や感情を排除したシンプルさを提唱し、その美学は今も多くの建築家やデザイナー、芸術家に影響を与え続けている。
ウルムスツールは、バウハウスの理念である「機能美」を体現した代表的な作品の一つ。スツールとしてだけでなく、サイドテーブル、マガジンラック、踏み台など、さまざまな用途に使える多機能性と、流行に左右されない普遍的なデザインは、長く愛用できる魅力がある。
スイスの家具ブランド「wb form」が製造・販売
「wb form(ヴェービーフォーム)」は、1931年にスイスで設立された歴史ある家具ブランド。マックス・ビルは同ブランドのデザイナーで、ウルムスツールは、wb formのブランドを象徴する存在で、同社の代表的な製品として世界中で愛されている。 ウルムスツールは、日本国内では2023年7月まで「Wohnbedarf(ヴォーンベダルフ)」というブランド名義で販売されていた。
ウルムスツールが一生モノと言われるワケ〜選ばれる4つの理由
工夫次第で無限大に使える「最強の脇役」
椅子ともテーブルとも棚とも限定しないその汎用性の高さから、一度使うと手放せなくなる人も多い。住居だけでなく、学校やオフィス、公共施設、店舗インテリアにと、さまざまなシーンでフレキシブルに活躍してくれる。
時にスツール、時にサイドテーブルに・・・と、その用途は使う人の発想次第。雑貨などを飾るディスプレイ台や、ソファや座椅子と組み合わせてフットレストに、複数個をスタックして収納棚にするなど便利に使えるため、つい2つ3つと欲しくなってしまうだろう。
究極にシンプルな無駄のないデザイン
シンプルで置く場所を選ばないデザインのウルムスツールは、日本の住環境とも相性が良い。天然木を使っているので北欧家具や日本家具とも馴染みやすく、洋室はもちろん、和テイストな空間にも非常にマッチする。
リビングやダイニングのほか、子供部屋で使うのもおすすめ。コンパクトなサイズ感で、洗面スペースや玄関スペース、ベッドサイドなどに置いても圧迫感なくすっきりと見せてくれる。
驚異的な耐荷重と高い耐久性
座面と側面の板は「組継ぎ」という工法で接合されている。優れた強度を発揮するほか、反りやねじれを防ぐ木工技術で、ウルムスツールの汎用性の高さを実現するのに不可欠な工法である。
シンプルな造りながら耐荷重は400kg。試験により、上面の荷重は2トン、側面は1トンを超える耐久性が実証されている。そのため、脚立のような使い方はもちろん、いくつか積み重ねて本棚として使っても問題ない強度を持っている。
単なるスツールを超えた高いブランド力
ウルムスツールは、単なる家具ではなく、芸術作品として評価されており、世界中の美術館に収蔵されている。デザイン界におけるアイコン的な存在として、高いブランド力を持っているのもウルムスツールが選ばれる理由だ。
なお、 ウルムスツールの座面裏には、マックス・ビルのサインが印字されており、このサインが正規品の証となる。
ウルムスツールの選び方
【迷ったらこれ】極めてシンプル&ミニマルな無塗装仕上げ
表面に塗装を施さない無塗装仕上げの通常モデルは、ナチュラルな雰囲気がアイテムのシンプルなディテールを際立てるアイテム。スプルース材のさらりとした肌触りが実感できるのはもちろん、木目や木の節といった天然木の個性、経年による色合いの変化を楽しめるのも長く愛用できるポイントだ。
通常モデルの脚部は、強度のあるビーチ材を「相互矧ぎ(そうごはぎ)」という工法で接合し、わずかに削られたエッジ部がシャープなラインをより美しく魅せている。「くさび細継ぎ」で接合した横棒にも丈夫なビーチ材を使用。負荷がかかりやすい脚先には、摩耗性に優れたケヤキ材を採用し、耐久性を確保している。
クール&モダンな印象のブラックモデル
モダンな佇まいが大人っぽい印象のブラックは、モノトーン系のインテリアと相性抜群。傷がつきにくいバーチの無垢材を木目を活かして染色した後、クリアのウレタンで塗装して仕上げられている。
カラーモデルには、レッド、ブルー、イエローなどのカラフルなバリエーションも。
ミッドセンチュリーな雰囲気漂うウォルナット
美しいウォルナットの木目が楽しめるウォルナットモデルは、ヴィンテージの家具や雑貨が好きな人におすすめ。ミッドセンチュリーな雰囲気と高級感で、存在感のあるアイテムだ。
全てのパーツがウォルナット無垢材で製造されており、表面はクリアのウレタンで仕上げられた上品さも特徴。色が抜けていく性質を持つウォールナットも経年変化により愛着を持って使えそう。
レプリカ(リプロダクト)について
多くの名作家具と同様に、ウルムスツールにもリプロダクト品(ジェネリック)がある。一見、本物とほぼ遜色ないデザインで安く買えることから一定の需要はあるが、購入はおすすめしない。
オリジナルのデザイナー・ブランドが手掛ける正規品や、本家から正式に技術と権利を継承した家具メーカーが製作するプロダクトは品質と系統の両面で資産価値がある一方、安価なリプロダクト品はデザイン性や品質が劣る、耐久性に難がある、リサイクル時に値段が付かないなどのデメリットがある。
ウルムスツールを購入するなら、正規品を選ぶことをおすすめする。正規輸入代理店や、正規品を取り扱っていることを明示している家具ショップで購入することで、安心の保証が受けられる。ヴィンテージ品を買う場合も状態の良い良品を取り扱うショップで購入することで、新品より少しお得に買うことができ、売却する時も価値が下がりにくくなる。
ウルムスツールを買うならこのショップ
ウルムスツールは、インテリアを扱うセレクトショップなどで購入することができる。オンラインで正規品を取り扱っているおすすめショップを紹介しよう。
FLYMEe(フライミー)
手頃なインテリアアイテムから高級デザイナー家具まで取りそろえる通販サイト「FLYMEe」。ウルムスツールも取り扱いがあり、通常モデル、カラーモデル、ウォルナットモデルをそろえている。
購入した商品代金の1%~がマイルとして付与されるポイント制度があるのもうれしいポイント。累計購入金額に応じてマイル付与率がアップするので、計画的に利用すればお得にお買い物が楽しめる。
ウルムスツール 商品詳細
生産国 | スイス |
サイズ | 幅39cm×奥行29cm×高さ44cm |
材質 | 無塗装仕上げ=スプルース(米唐檜)・ビーチ カラー=本体:バーチ 床面設置部・貫木:ビーチ ウォルナット=ウォルナット無垢材(クリアウレタン仕上) |
ブランド | wb form(ヴェービーフォーム) |
参考価格 | 59,400円〜154,000円 |