「ゴロー」という登山靴ブランドをご存知だろうか。何とも山男然とした名前だ。無骨なイメージを彷彿とさせる名前とは対象に、緻密に作り込まれる「ゴロー」は、履き心地の良さと耐久性を兼ね備えている。登山者に古くから愛されてきたブランドは、さまざまなモデルをラインアップしており、利用シーンの幅が広いのも特徴だ。この記事では、ワンランク上の登山靴ブランド「ゴロー」の魅力や各モデルの特徴を解説しよう。

愛される登山靴「ゴロー」の魅力とは

一足ずつ手作りのためオーダー品の納期は1~2か月後(取材時)
(引用:公式インスタグラム

東京都文京区にある小さな登山靴店「ゴロー」で生み出されるそのブランドの魅力とは一体なんだろうか。一言で表すのは困難だが、「こだわりが詰まった一足で、長く履き続けられること」と言えるかもしれない。

ゴローでは、オーダーメイドによる受注生産を受け付けている。そのため、必ず購入者の足を計測する。計測するのは足のサイズだけでなく、爪の形状や骨の突起といった細部の情報にまで至る(既製品の購入者に対しても同様に、足を計測している)。購入者の靴選びにまつわる失敗談などもヒアリングしながら、左右それぞれの足に最適な設計や調整を提案するのが特徴だ。自分でも分からなかった足の痛みや疲労の原因を、プロの職人が探ってくれる。百戦錬磨の職人の目を通して作られる登山靴には、他の登山靴とは違うレベルの信頼感があるはずだ。オーダーは、基本的に店舗で受け付けている。

製作を手掛ける靴職人の情熱は生半可なものではない。「靴は履きこまれてこそ価値が出る」を信念に持つ職人たちは、ときには材料となる革の提供元を訪れ、現場の技術者と打ち合わせをする。そして、フィールドテストをかねて、職人たちで研修登山を行うこともあるという。

そうして作られるこだわりの登山靴は、購入者の元に届いて終わりではない。ソールの張り替えや修理といった、アフターサービスにも真摯に対応してくれるのが「ゴロー」の特徴でもある。まさに「生涯の一足」にふわさしい登山靴と言えるだろう。

使えば使うほど愛着が湧く。ゴローのお手入れ方法

ゴローの手入れ方法は、購入時に説明があるほか、商品に添えられる解説用紙に詳しく記載されている。ここでは、基本的な手入れ方法について解説していく。

用意するものは3つ。防水ワックスと、磨き用のブラシ、汚れ落とし用のブラシだ。ワックスは水の浸透を防ぐためのもので、これを施すことで靴の寿命を伸ばすことができる。ブラシは硬さに気を付けたい。磨き用は豚毛などコシがあるものを選び、汚れ落とし用は肌を擦ってみて痛くない程度の硬さのものを選ぶと良い。

道具がそろえば、まずは中敷や靴ひもを外し、流水で入念に汚れを落とす。ブラシで細かい部分まで、洗浄する。汚れが酷い場合には、靴の中も洗う。

水洗いした靴は、直射日光が当たらない場所で乾燥させる。乾燥には時間がかかるため、手入れは登山をしない期間に済ませておくのが無難だろう。乾いた靴に、むらなくワックスを塗布する。薄く塗るのがポイントだ。満遍なくワックスが塗布できたら、再び乾燥させる。半日以上がおよその目安だ。

ここからが、重要な磨きとなる。特に、細かい場所にはワックスのろう成分が残っているので、注意しよう。シワの方向を確認しながら、素早くブラシを動かすのがコツだ。この工程で、水を数滴垂らして磨くと、つやが出やすくなるので、好みに応じて試してみよう。全体を磨き終えたら、手入れ完了だ。

山登りに最適なゴローの登山靴5選

前述したように、「ゴロー」のラインナップは幅広い。そこで今回は、トレッキングやハイキング、テント泊を伴う山行に適したモデルを5つ紹介する。

ハイキングからテント泊まで対応したブーティエル

商品名:ブーティエル

ゴローの登山靴の中で最も人気を集めるブーティエル
(引用:公式インスタグラム

ゴローのベストセラーモデルといえるブーティエルは、シンプルなデザインで足になじみやすいのが特徴だ。スリーシーズンの山行やハイキングなどに適している。軽装備であればテント泊を伴う登山にも使用でき、タイプによってはアイゼンも装着可能。まさにオールラウンダーといえるモデルだ。

甲革の端を外側に開いてミッドソールに貼り、縫い付けるステッチダウン製法を採用することで安定性を確保した。甲革にはドイツ製表革を使用している。価格は税込みで3万6,960円(別途、3300円でオーダーが可能)。

人気のS-8のデザインから派生したブーティエム

商品名:ブーティエム

S-8の風格をそのままに、軽量化を実現した
(引用:公式サイト

人気が高いS-8のデザインから派生したのが、「ブーティエム」だ。S-8がとにかく靴を堅牢に仕上げることを目的としたノルウェイジャン製法を採用しているのに対し、このモデルはステッチダウン製法を採用している。

重量はS-8の重量が1,150g(25.5cm片足)で、ブーティエムは840g(25.5cm片足)。安定性を保ちつつも軽量に仕上げていることで、少ない疲労で歩くことができるのが特徴だ。価格は税込み3万8,060円(別途、3300円でオーダーが可能)。

普段は街履きで時々山へ行くなら小春深型トレッキング

商品名:小春深型トレッキング

甲革には柔軟性の高いドイツ製表革を使用した
(引用:公式サイト

「小春深型トレッキング」は街歩きと山歩き、二つのニーズに応えるモデルだ。街履きをメインの使用シーンに想定しているため、甲革には柔軟性の高いドイツ製表革を使用している。重量も550g(25.5cm片足)と軽量だ。

とはいえ、ステッチダウン製法で製作しているため、安定性は高い。ちょっとした山行やハイキングであれば難なくこなしてくれる。街で目を引いて、山で安心して履きこなせる、ハイレベルで両刀を実現したモデルといえるだろう。価格は税込み3万5,200円(別途、3300円でオーダーが可能)。

バイクツーリングや軽登山に最適なワンタッチダックベルクロ

商品名:ワンタッチダックベルクロ

別料金でシフトペダルのための革製パッチを付けられる
(引用:公式サイト

バイクに乗れて、軽登山にも使える。そんな山靴が欲しい人には、ワンタッチダックベルクロがおすすめだ。ベルクロで靴を締め付けるため、着脱しやすく、固定しやすい。足首までしっかり固定できるので、ライダーでも安心な設計となっている。

本格的な登山には向かないが、旅の自由度を高めてくれるモデルだ。別料金でシフトペダルのための革製パッチを付けることも可能。製法はステッチダウンで、価格は税込み4万700円(別途、3300円でオーダーが可能)。

テント泊などザックが少々重めでも安定した歩行が可能なS-8

商品名:S-8

S-8はノルウェイジャン製法のベストセラーだ
(引用:公式インスタグラム

S-8は、ゴローが手掛けるノルウェイジャン製法の登山靴の中でも、ベストセラーとなっているモデルだ。ノルウェイジャン製法の特徴は、その耐久・安定性と重量にある。ゆえにS-8は、ザックが少々重めでもしっかりと歩行を支えてくれる頼もしいモデルだ。

スリーシーズンのテント泊を伴う縦走から初心者向けの冬山に使用することができ、12本爪のアイゼンも装着可能だ。足首の深さは、標準と深型から選べる(深型は追加で3,300円が必要)。甲革には、イタリア製の裏出し皮革を採用している。価格は税込み4万700円(別途、3300円でオーダーが可能)。