暑すぎる日本の夏を乗り切るために扇風機やエアコンは欠かせないアイテムだが、屋内でも屋外でも使えるポータブルクーラーが便利だと話題になっている。

ポータブルクーラーはその名のとおり持ち運びできるサイズのクーラーであり、熱中症対策として手頃に活用できるのだ。

気になるのが、ポータブルクーラーの機能やエアコンやクーラーとの違いだろう。

そこでこの記事では、暑い夏を快適に過ごせる話題のアイテム「ポータブルクーラー」の機能や性能、そして失敗しない商品選びのコツを詳しく解説していく。

手軽に導入できる小型クーラー、それがポータブルクーラー

ポータブルクーラーは、片手、もしくは両手で持てるサイズの小型クーラーであり、AC電源や車のシガーソケットで給電して使える家電だ。

スポットクーラーとも呼ばれており、室外機を使わなくとも夏場の暑さを凌げる冷却効果を得られるため、屋内はもちろんのこと、車中泊やキャンプなどでも重宝されている。

エアコンやクーラーを設置できないような蒸し暑い部屋に、人工的なオアシスをつくってくれるアイテムなのだ。

ポータブルクーラーの種類

ポータブルクーラーは主に、室外機が必要なタイプと不要なタイプ、そして室外機が本体に搭載されたタイプの3つに分けられる。

室外機が必要なタイプはエアコンのような高い冷却性能を誇るが、専門業者による設置工事が発生するため、導入の手軽さはなくなってしまう。

室外機が本体に搭載されているタイプはエアコンほどの冷却性能はないが、6畳くらいまでの部屋であれば、夏場でも涼しく快適に過ごせるだろう。

手軽に持ち運びをしたい場合は、片手で持てるコンパクトなサイズの室外機非搭載のタイプがおすすめだ。

このタイプは水と氷を用いて空気を冷やすため、部屋全体の温度を下げるのではなく、局所的な涼しさを得るためのポータブルクーラーだと覚えておこう。

ポータブルクーラーを扇風機やエアコンと比較

夏の暑さを凌げる代表的な家電の扇風機やエアコンとポータブルクーラーを比較した場合、どのような違いがあるのかをわかりやすく説明していこう。

扇風機よりも冷却効果が高く涼しい!

古くから夏の暑さ対策に使われている扇風機は、エアコンがない家庭では今でも重宝されている。

そんな扇風機とポータブルクーラーの明確な違いは、冷却方法と冷却効果だ。

ポータブルクーラーは、水や氷、フロン系ガスを冷媒にして冷たい空気をつくっているため、送風の温度が一定の扇風機よりも涼しさを感じられる。

また、一般的な扇風機はコンセントから給電できるが、ポータブルクーラーはシガーソケットから給電できるモデルも多く販売されている。

設置工事が不要! エアコンよりも導入が楽

室外機が必要、もしくは室外機が本体に搭載されているポータブルクーラーは、一般的なエアコンと同じ機構になっている。

その働きは、空気を取り込んだあと、熱交換器によって空気を冷却し、排気口から温風を逃すというものだ。

室外機搭載タイプのポータブルクーラーを室内で使用する場合、部屋についている排気口、もしくは窓に排気ダクトを通すことで屋外に熱を逃がすことが可能。

つまり、エアコンのように設置工事をする必要がないのだ。

エアコンの設置工事は、夏の繁盛期であれば1週間〜2週間ほど工事を待たされるケースもある。

ポータブルクーラーであれば面倒な工事の手間を省けるため、購入してから即日稼働できる大きなメリットだろう。

また、ポータブルクーラーはエアコンと比べてだいぶサイズが小さく持ち運びが可能なため、アウトドアや部屋の限られたスペースでも活用できるのは魅力的だ。

ただし、冷却効果に関しては、ポータブルクーラーのどのモデルよりも基本的にエアコンが勝るため、広い部屋で使う場合は室温を下げることが難しくなるだろう。

電気代はモデルによって異なる

夏場はエアコンなどの稼働で電気代が高くなる傾向にあるため、ポータブルクーラーにかかる電気代も気になる人は多いだろう。

しかし、商品のモデルよって消費電力が異なるため、一概にどちらの方が電気代が高くなるとはいえないのだ。

たとえば、消費電力620Wのポータブルクーラーと、消費電力500Wのエアコンの1ヶ月の電気代を比較した場合、エアコン方が安くなる。

サイズが小さいポータブルクーラーの方がエアコンよりも節電に適しているとは限らないので注意しよう。

ポータブルクーラー選びのポイント

ポータブルクーラーの購入を考えている人は、商品のどんな機能に注目していいのか悩むだろう。

そんな人に向けて、失敗しないポータブルクーラーの選びの注目ポイントを具体的に解説していこう。

シチュエーションに合ったサイズ

ポータブルクーラーは商品によってサイズが大きく異なるため、活用する場所のスペースに合ったサイズを選ぶのがポイントだ。

たとえば、キャンピングカーで使用する場合、コンパクトなサイズの室外機非搭載のタイプが向いているだろう。

一方で、室内でパワフルなパフォーマンスに期待したい場合は、室外機が搭載されたタイプのポータブルクーラーが選択肢となる。

サイズの確認と一緒に持ち運びの仕方についても注目しよう。

頻繁に持ち運びをする場合は、本体の取っ手がついているタイプはかなり便利だ。

室外機が搭載されたタイプでも、本体のサイドに手をかける溝やキャスターが付いているモデルであれば移動が楽になる。

本体の重量

ポータブルクーラーを屋外で使用する場合、できるだけ本体の重量が軽いモデルを選びたいところ。

持ちやすさの目安だが、男性の場合は15kg程度が基準となるため、20kg以上なると持ち運びが大変になると想定しておこう。

女性が持ち運ぶ場合は10kgが基準となるため、取っ手が付いたコンパクトなポータブルクーラーがおすすめされる。

ストレスを感じない静音性

寝る時にポータブルクーラーを使用することを考えている場合は、動作音ができるだけ小さいものを選ぼう。

動作音の大きさは、商品の説明に書かれている「db(デジベル)」で調べることができる。

db(デジベル)と比例して音も大きくなるため、できれば40db以下のタイプを選びたいところ。

うるさい70db以上
普通50db〜60db
静か30db〜40db
きわめて静か20db

給電方法と消費電力

夏場のキャンプや車内泊などのアウトドアで活用したい場合、給電方法と消費電力は必ずチェックしなければならない。

室外機を要するタイプは、消費電力が1,000W以上とかなり大きくなり、一方で、室外機非搭載のコンパクトなタイプは消費電力を5W程度に抑えることも可能。

ポータブルクーラーの給電方法の多くはAC電源かUSB給電となり、USB給電の場合はUSBを介して本体のバッテリーに充電できる。

また、一部のモデルにはシガーソケットから給電できるタイプもある。

車の中で使用したい場合は、USB給電ができるタイプかシガーソケットから給電できるタイプを選ぼう。

冷却効果

冷却効果を重視したい場合は、温度設定の有無や、周囲の温度から何℃温度まで下げられるのかに注目。

商品を購入する際に「周囲の温度より−10℃の排出可能」「15℃~30℃まで温度設定が可能」などの説明があればそれを参考にしよう。

ただし、冷却効果は室外機搭載の有無で大きく変わるため、コンパクトなポータブルクーラーになると局所的な冷却効果にとどまってしまうことを理解しておこう。

排水方法

部屋の中で使用する室外機搭載タイプの場合、ドレン水の排水方法を確認しよう。

ドレン水というのは、エアコンやクーラーで空気を冷却するときに同時に排出される水のことだ。

ドレン水の排出方法がホースの場合、ホースを通して室外にドレン水を排出する必要があり、タンクの場合は、排水が貯まったときに捨てなければならない。

最近では、ドレン水を排気と一緒に気化できる「ノンドレン対応モデル」も販売されているため、ドレン水の処理が難しい車内泊などにおすすめだ。

タンク容量

本体に水や氷を入れて冷風をおくるタイプは、タンクの容量が大きいほど長時間の冷却効果を得られる。

室外機搭載のコンパクトなタイプでも、タンクを水で満タンにすれば8時間以上使えるモデルがある。

長時間給水せずに使用したい場合には、タンクの容量をチェックしてみよう。

風向調整

ポータブルクーラーはエアコンよりも局所的な送風となるため、部屋を効率よく冷やしたい場合は、風向調整(スイング機能)の有無をチェックしよう。

理想は、上下・左右どちらの風向調整にも対応できるモデルだ。

適切な広さの部屋で使用すれば、風向調整なしでもある程度の涼しさは感じられるだろう。

風量調整

商品によって風量調整の段階が異なるため、複数の活用シーンが想定される場合は、2段階以上設定できるモデルが好ましいだろう。

たとえば、6畳の部屋とアウトドアの車内泊やテント泊で活用したい場合、部屋で使用する場合は強め送風、車内やテント内の狭い場所で使う場合は弱めの送風という使い分けができて便利なのだ。

加湿・除湿・空気清浄機能

ポータブルクーラーは冷却効果だけではなく、加湿・除湿・空気清浄機能が搭載された万能なモデルも販売されている。

これらの機能が搭載されているモデルは、排気口や窓から排熱を逃すことができる室外機搭載タイプに絞られるため、選択肢は狭くなる。

加湿器や空気清浄機をそれぞれ揃えると多くのスペースを占領してしまうが、冷却・送風・加湿・除湿・清浄がオールインワンになったポータブルクーラーがあれば、必要最低限のスペースに収まり、複数の機器を操作する手間も省けるのだ。

タイマー機能

エアコンのように「数時間後に電源をオフにできる」「1時間ごとに風量を調整できる」といったタイマー機能が搭載されたモデルもある。

寝付けない夜やできる限り稼働を抑えて節電したい人は、タイマー機能の有無をチェックしてみよう。

アロマテラピー機能

冷却効果と同時に、室内に心地よいアロマの匂いを漂わせない場合には、アロマテラピー機能が搭載されたモデルがおすすめだ。

アロマを注入できるタンクが本体に搭載されているため、手軽に好みの匂いに交換することができる。

アロマテラピーには心と身体のリラックス効果があるため、ビジネスシーンでポータブルクーラーを使用する際には注目したいポイントだ。

LEDライト

キャンプにはコンパクトなポータブルクーラーがおすすめだが、LEDライト機能の有無にも注目してほしい。

本体にLEDライトが搭載されているモデルは、日が落ちた野外の照明として活用でき、テント泊をする際も便利だろう。

ポータブルクーラー選びで失敗しないポイント

先述のとおり、ポータブルクーラー選びで注目したいポイントは多々あり、デザインの好みも購入の決め手となるだろう。

最後に、ポータブルクーラー選びで失敗しないポイントを簡潔にまとめて紹介しよう。

室外機を要するタイプを選んだ方がいいケース

エアコンのように、ハイパフォーマンスな冷却効果が望める室外機を要するポータブルクーラーは、以下の項目に複数当てはまる場合に購入がおすすめされる。

  • 10畳以上の広い部屋全体を涼しくしたい
  • エアコン・クーラーの代わりになる高い冷却機能がほしい
  • 部屋に大きなポータブルクーラーを設置するスペースがある
  • 設置工事に時間がかかっても問題ない

面倒な設置工事は必要になるが、エアコンやクーラーと比較しても見劣りしない冷却効果が得られるのが、室外機を要するポータブルクーラーの最大の魅力だ。

室外機搭載タイプを選んだ方がいいケース

本体に室外機が搭載されているタイプのポータブルクーラーは、以下の項目に複数当てはまる場合に購入がおすすめされる。

  • 屋外での使用は考えていない
  • 6〜8畳くらいまでの部屋全体を涼しくしたい(風量・風向調整付き)
  • エアコンやクーラーに近い冷却効果がほしい
  • 設置する室内に排気口、もしくは窓がある
  • コンセントで電源を供給しながら長時間稼働させたい
  • 設置工事をするのが面倒

6〜8畳くらいの部屋であれば、室内全体が涼しくなる十分な冷却効果を発揮。

また、面倒な設置工事を省きたいという場合には、室外機搭載タイプを選んで間違いないだろう。

室外機非搭載タイプを選んだ方がいいケース

本体のタンクに水や氷を入れて局所的な冷却効果が望めるコンパクトサイズのポータブルクーラーは、以下の項目に複数当てはまる場合に購入がおすすめされる。

  • キャンプ泊のテントの中で使用したい
  • 車内泊で使用したい(USB充電式、もしくはシガーソケット給電対応)
  • アウトドアの照明としても使いたい(LEDライト付き)
  • 体の一部に冷風をあてて涼みたい
  • 女性でも持ち運びできるサイズと重量にしたい
  • 仕事中のデスクや足元において使用したい

室外機非搭載タイプに室内の温度を下げるまでの冷却効果はないが、扇風機よりもひんやりとした冷たい風を送風できるため、アウトドアや車内泊で重宝する。

室内で使用する場合でも、体に冷風が当たる場所に設置すれば夏の熱中症対策となるだろう。

まとめ

ポータブルクーラーは室外機が不要な小型クーラーであり、夏を乗り切るアイテムの一つとして注目されている。

この数年で人気が高まったソロキャンプにおいても大活躍。冷却効果だけではなく、LEDライトを照明代わりに使えるモデルも販売されている。

「エアコンの設置工事は面倒だけど、部屋全体を涼しくしたい」という場合には、室外機が本体に搭載された設置工事不要のポータブルクーラーが望みを叶えてくれるだろう。

これからポータブルクーラーを購入する人は、活用シーンをしっかりとイメージすることが大事だ。

室外機搭載の有無・冷却効果・給電方法・消費電力といった重要項目を確認した上で、モデルごとの独自の機能に注目していくのがポータブルクーラー選びの成功の秘訣といえるだろう。

さまざまなメーカーから販売されているポータブルクーラー選びに悩んだ場合は、ぜひこの記事を参考にしてみてほしい。