和の鍋と洋のワイン。一見合わなそうに感じるかもしれないが、食材や出汁のベースと合わせると素晴らしいペアリングになる。

今回は鍋の食材やベースに合わせてどんなワインを合わせていけばいいのかを紹介していこう。

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鍋とワインの合わせ方

鍋といってもバリエーションは豊富で、ベースや入れる食材は多様。ワインとペアリングするうえで考慮したいのは「食材」と「ベース」だ。

鍋のメイン食材とワインを合わせる

鍋のメイン食材はなんだろうか。
牛肉やラム肉ならば重厚な赤ワイン、鶏肉や鴨、魚を使う場合なら白ワイン、豚肉やサーモン、エビや貝類ならばロゼワインなどとメインの食材と合わせるのもヒントになる。
・牛肉、ラム肉→フルボディの赤
・鶏肉団子、豚バラ→白ワイン
・サーモン、エビ、貝類→ロゼワイン

また、鍋に限らずだが、発泡性のある辛口のシャンパン、スパークリングワインは万能で、さまざまなジャンルの鍋とのペアリングが可能だ。

鍋の出汁やベースとワインを合わせる

また、鍋のベースからもペアリングを考えられる。塩や和風だしがベースならばあっさりした白ワイン、レモンをたっぷり使った鍋なら酸味の効いた白ワイン、甘辛いキムチ鍋ならロゼスパークリングやコクのある赤ワインをセレクトするといい。

チーズを入れたカレー鍋ならコクのある濃厚な赤ワインか、もしくはカレーの辛味を和らげるために、アロマティックな中甘口の白ワインをあわせてみてもいいだろう。

ソムリエがすすめる鍋とワインの組み合わせ

今回は食材とベースを考慮したうえでペアリングできる鍋とワインの組み合わせを3つに絞ってセレクトした。

海鮮寄せ鍋×ヴィーニョヴェルデ

海鮮の出汁が効いている鍋には、ミネラル感のある爽やかなワインを合わせたい。そこでおすすめなのが「ヴィーニョヴェルデ」だ。

ヴィーニョヴェルデはポルトガルの大西洋沿岸部で育ったぶどうで造られ、微発泡ゆえの軽やかさとフレッシュ感から別名「シーフードワイン」とも言われている。

氷を入れたロックスタイルでカジュアルに楽しむのが現地流。エビやたこ、貝類などをたっぷり入れた海鮮鍋の海そのものの風味と合わせていただきたい。

豆乳鍋×シャルドネ

濃厚でまろやかな味わいに仕上がる豆乳鍋には、樽熟成させた色調の濃いシャルドネをおすすめする。なかでもカリフォルニアやオーストラリアで造られるゴールドイエロー色のコクのあるシャルドネがいい。ポイントとしては事前に冷蔵庫から出して少し温度をあげておくことだ。

冷蔵庫の温度だと冷えすぎているため、樽熟成由来のリッチなバニラ香が感じられない。具材はなんでも良いが、鶏肉団子や豚バラが特に合う。

すき焼き鍋×ジンファンデル

醤油、砂糖、みりんをベースにつくられる甘辛い割り下と、ジューシーで甘い肉汁がしみ出すすき焼きには、カリフォルニアの地ぶどう、「ジンファンデル」と合わせていただきたい。

ジンファンデルはジャミーな甘い飲み口かつ黒胡椒のようなスパイシーな後味が特徴のぶどう品種だ。お肉料理との相性はもちろん抜群だが、甘辛いベースのすき焼きと特に合う。

鍋×ワインを楽しもう

食材やベースに合わせてさまざまなペアリングの可能性がある。普段ビールやチューハイでなんとなく合わせていた方も、鍋×ワインのペアリングを楽しんでみてはいかがだろうか。

筆者プロフィール:
吉川大智(ヨシカワダイチ)
世界40ヶ国200都市の酒場とワイナリーを訪問したJ.S.A認定ソムリエ。ワインバーのマネージャーを経て、現在多数のメディアにてコラムやエッセイを執筆するライターとして活動中。
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