40173ワイン初心者必読!「シャンパン」と「スパークリングワイン」は何が違うのか?ソムリエが解説【ワインを学ぶvol.6】

ワイン初心者必読!「シャンパン」と「スパークリングワイン」は何が違うのか?ソムリエが解説【ワインを学ぶvol.6】

男の隠れ家編集部
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シャンパンとスパークリングワインの違いはご存知だろうか。 どちらも発泡性のワインであることは間違いないが、実際明確な違いがわからず曖昧なままの方も少なくないだろう。 そこで今回はシャンパンとスパークリングワインの定義や違いについて解説していく。
目次

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そもそも、スパークリングワインとは

スパークリングワインは、3気圧以上のガス圧があるワインの総称を指す。3気圧未満の場合は弱発泡性ワインとされ、スパークリングワインには該当しない。

また、スパークリングワイン自体にも国によってさまざまな名称や種類があるが、その中の一つに「シャンパン」がある。

つまり、シャンパンはスパークリングワインの中の一種ということができる。

シャンパンとは?

シャンパンは、フランスのシャンパーニュ地方にある限定された地域で、かつ使われるぶどう品種や製法などの細かい規定条件を満たしたものだけが「シャンパン」と名乗れる。これはフランスで制定されているAOC法(原産地呼称管理法)によって定められている。

各国のスパークリングワインの呼称

前述したように、スパークリングワインは、3気圧以上のガス圧がある発泡性ワインの総称である。ただ、文字通りスパークリングワイン(Sparkling Wine)は英語上の呼称だ。フランスやイタリアをはじめとした諸外国では当然呼び方が異なる。
また、各国でシャンパンと同様、独自の製法で作っているスパークリングワインには別の呼称がつけられている。
以下に主要ワイン生産国のスパークリングワインの呼称と大別できる種類を紹介する。使われるぶどう品種や産地、醸造方法によって多種多様だ。

●フランスのスパークリングワイン
呼称:ヴァン・ムスー
種類:シャンパン、ペティヤン、クレマン
※シャンパン以外のスパークリングワインをヴァン・ムスーと呼ぶ

●スペインのスパークリングワイン
呼称:エスプモーソ
種類:カヴァ

●イタリアのスパークリングワイン
呼称:スプマンテ
種類:フランチャコルタ、ランブルスコ、アスティ、プロセッコ

●ドイツのスパークリングワイン
呼称:シャウムヴァイン
種類:ゼクト、フラシェンゲールング

スパークリングワインの醸造方法

スパークリングワインの醸造方法は、シャンパーニュ方式、シャルマ方式、トランスファー方式、リュラル方式、炭酸ガス注入方式とさまざまだ。今回はなかでも代表的な「シャンパーニュ方式」と「シャルマ方式」をおさえておこう。

シャンパーニュ方式(トラディショナル方式)

別名瓶内二次発酵方式。瓶詰めした後に酵母と糖分を入れて、瓶内で再発酵させる方法。数ある醸造過程の中で最も手間とコストがかかる。

シャンパンはもれなくシャンパーニュ方式で造られている。その他、スペインのカヴァ、ドイツのフラシェンゲールング、イタリアのメトド・クラシコ、フランチャコルタなどもこの方式だ。

瓶内二次発酵故にきめ細かな泡で、泡持ちが長い。5~6気圧程度になるので、口中に感じるシュワッとした感覚も強い。

シャルマ方式

大きな密閉耐圧タンク内で二次発酵をさせるシャルマ方式は、シャンパーニュ方式に比べて、大量生産が可能な醸造方法といえる。短期間で多くの量を作れるので、比較的リーズナブルな価格帯でリリースされることが多い。

泡持ちはシャンパーニュ方式よりも弱めになることが多い反面、ぶどう本来のアロマティックな香りを引き出しやすい特徴がある。

シャンパンはスパークリングワインの一種

つまり、スパークリングワインとは、発泡性ワインの総称を指し、その中でもフランスのシャンパーニュ地方で、数々の細かい条件と独自の製法で造られたものをシャンパンと呼ぶ。


スパークリングワインのなかにも産地や醸造方法によってさまざまな名称があるのでややこしいが、なかでもシャンパンは非常に多くの細かい醸造工程を経てできるワインだ。

これらの知識を踏まえた上で飲むと、スパークリングワインのまた違った一面が垣間見えることだろう。

筆者プロフィール:
吉川大智(ヨシカワダイチ)
世界40ヶ国200都市の酒場とワイナリーを訪問したJ.S.A認定ソムリエ。ワインバーのマネージャーを経て、現在多数のメディアにてコラムやエッセイを執筆するライターとして活動中。
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