ハンドドリップで入れたコーヒーは、とても華やかで、コーヒー豆が持つ甘味・酸味・苦味をバランス良く味わうことができる。素晴らしく美味しいコーヒーを飲んだときには、自分も同じように作ってみたいと思ったことがある人も多いのではないだろうか。

市場にはさまざまな種類のコーヒー器具が販売されており、カフェで働くバリスタのように本格的な美味しいコーヒーを入れることができる。

しかし、自分でハンドドリップコーヒーを作ってみたいと思っても、どのコーヒー器具を選んでよいのか、最初はわからないかもしれない。また、バリスタのような美味しいコーヒーを作るとなると、専門的な知識やテクニックも身につけておく必要がある。

そこで、本記事では「ハンドドリップ用のコーヒー器具の種類」と「コーヒーを入れるときのポイントと注意点」を紹介しよう。これから、美味しいハンドドリップコーヒーを作りたいと思っている人は、ぜひ本記事を参考にしてコーヒーライフを楽しんでほしい。

ハンドドリップ用のコーヒー器具

まずは、ハンドドリップコーヒーを入れる上で必要なコーヒー器具を紹介する。ハンドドリップコーヒーを作るには、全部で5種類のコーヒー器具を揃える必要がある。

ここで紹介する5種類のコーヒー器具を揃えるだけで、自宅でもバリスタのように美味しいコーヒーを淹れることができるはずだ。

機能性がしっかりしたお洒落なコーヒー器具を揃えて、コーヒーライフを充実させよう。

ハンドドリップで必要なコーヒー器具

ハンドドリップコーヒーを入れるときに必要なコーヒー器具は、以下の通りだ。

  • ドリッパー
  • ペーパーフィルター
  • コーヒーミル
  • ケトル
  • スケール

ハンドドリップコーヒーは、上記5種類のコーヒー器具に加えて、好きなコーヒー粉を用意するだけで気軽に入れることができる。

リーズナブルな価格のコーヒー器具が多いため、1万円程度で全て揃えることができるだろう。高価格なコーヒー器具を揃えると3〜5万円程度になるため、予算を決めてから購入することをおすすめする。

コーヒー器具を購入するときは生活スタイルに合わせる

コーヒー器具を購入するにあたって大切なポイントは、自身の生活スタイルに合わせることだ。

高価格のコーヒー器具は、高品質・高性能ではあるが、生活スタイルに合っていなければコーヒーを入れることが面倒になり、購入した意味がなくなってしまう。

毎日コーヒーを入れるのか。キャンプのときだけ使いたいのか。仕事のときの休憩に入れたいのか。まずは、自身がコーヒーを必要とする瞬間をイメージしてほしい。

例えば、毎日コーヒーを自身で作るのであれば、電動のコーヒーミルがおすすめだ。簡単にコーヒー豆を挽くことができるし、素早くコーヒーを入れる準備ができる。キャンプのときなどは、コンパクトで持ち運びがしやすい手挽きのコーヒーミルがよいだろう。

これからの自身のコーヒーライフをイメージしてからコーヒー器具を揃えることが、コーヒーを入れたい気持ちを長続きさせる大切なポイントになるはずだ。

ハンドドリップで美味しくコーヒーを入れるポイント

ここでは、ハンドドリップで美味しいコーヒーを入れるポイントを紹介しよう。

まず、知っていてほしいことは「コーヒーはとても繊細なものである」ということだ。ただ単に、コーヒー粉にお湯をかけたら美味しいコーヒーができるわけではない。

丁寧に入れれば美味しいコーヒーを作ることができ、雑に扱えば美味しくなくなる。美味しいコーヒーを作るには、注ぎ方・コーヒー粉やお湯の使用量・時間などを緻密に考えて作らなければならない。

美味しいコーヒーを作るには細かな作業が多くなるが、理想の一杯ができたときの感動はきっと記憶に残るはずだ。ここで紹介するポイントを参考に、ぜひ美味しいコーヒーを作ってほしい。

お湯の温度を計る

コーヒーを作るうえで、お湯の温度はとても大切なポイントといえる。おすすめのお湯の温度は、90℃前後がよいだろう。90℃前後のお湯であれば、しっかりとコーヒー粉が溶けてくれる。

お湯の温度が低いと、あまりコーヒー粉が溶けず、コーヒーの味が薄くなってしまう。香りも弱く、ツンとした強い酸味を感じてしまうため、飲みにくい味わいになるだろう。

反対に、お湯の温度が高すぎるのも、コーヒーが美味しくなくなってしまう原因になる。お湯の温度が高いというのは、100℃に近い沸騰したお湯のことだ。沸騰したお湯をコーヒー粉に注ぐと、しっかりと味は出るのだが不快な苦味・渋味も強くなってしまう。

微妙な温度加減ではあるが、お湯の温度がコーヒーの味に影響するということを頭に刻んでいてほしい。

おすすめのコーヒー器具として、温度調節ができる電気ケトルを使うとよいだろう。電気ケトルは、1度単位で細かく温度調節ができるものもあるため、非常に便利なコーヒー器具になる。

もちろん、温度計でお湯の温度調節ができれば電気ケトルでなくても美味しいコーヒーを作ることができるので、自身の用途に合わせて好きなケトルを揃えるとよいだろう。

挽き目を調節できるコーヒーミルを使う

コーヒー粉の粒度(粒の大きさ)は、美味しいコーヒーを作るうえでとても重要なポイントになる。そのため、コーヒーミルを購入する際は、コーヒー粉の挽き目を調節できるタイプを選ぶようにしよう。

挽き目とは、コーヒーミルに備えられた粒度調節のことだ。コーヒーミルの挽き目を変えるということは、コーヒー粉の粒度を変えるというふうに覚えていてほしい。

例えば、グラニュー糖のようにコーヒー粉を細かくしたい場合は、コーヒーミルの挽き目を細かい設定にする。グラニュー糖のように細かく挽いたコーヒー粉でコーヒーを作った場合、奥深さやコクを強く感じるようになる。力強いコーヒーを飲みたい人は、コーヒーミルの挽き目を細かく設定するとよいだろう。

ただし、コーヒー粉の粒度を小さくしすぎると、苦味や渋味を感じやすいコーヒーになるため注意が必要だ。

反対に、コーヒー粉をザラメ糖のような粒度にしたい場合は、コーヒーミルの挽き目を粗めの設定にするだけだ。ザラメ糖のように粗く挽いたコーヒー粉でコーヒーを作ると、紅茶のような香りが立ち上がるスッキリとした口当たりに仕上がりやすくなる。苦味の強いコーヒーを作ってしまった場合は、コーヒーミルの挽き目を粗めに設定するとよいだろう。

ただし、コーヒーミルの挽き目を粗くしすぎると、お酢のような酸味を感じ、コーヒーらしい力強さはないかもしれない。

不快な苦味や渋味を感じたなら、コーヒーミルの挽き目を徐々に粗く設定してコーヒー粉の粒度を大きくしていく。薄く酸っぱいコーヒーになった場合は、コーヒーミルの挽き目を細かく設定して粒度を小さくしてみると味の調節ができるようになる。

一度、粒度の違うコーヒー粉でコーヒーを作ってみると、コーヒーミルの挽き目の大切さがきっとわかるはずだ。

スケールを使ってコーヒーを入れる

コーヒーの味は「時間」と「重さ」が非常に関係している。時間と重さを正確にスケールを使って計ることで、美味しいコーヒーを作れるようになるといっても過言ではない。

ここ最近のバリスタのほとんどが、時間と重さを計れるスケールを使いながらコーヒーを作っている。そうすることで、美味しいコーヒーを何杯でも正確に入れられるからだ。

それではさっそく「時間」と「重さ」について、別々に詳しく解説しよう。

時間

ここでいう「時間」というのは2種類ある。それは「コーヒーができあがるまでの時間」と「コーヒー粉にお湯を注ぐタイミング(時間)」の2種類だ。

コーヒー粉とお湯が触れている時間、コーヒー粉にお湯を注ぐタイミングなどをきちんと計ることで、美味しいコーヒーを誰でも入れられるようになる。

それでは先に「コーヒーができあがるまでの時間」について詳しく解説しよう。

コーヒー粉とお湯の触れている時間が長くなればなるほど、濃いコーヒーを入れることができる。反対に、コーヒー粉とお湯の触れている時間が短ければ、薄いコーヒーに仕上がりやすくなる。

要は、コーヒー粉とお湯の触れている時間をコントロールしながら入れることが、美味しいコーヒーを入れるうえで大切なポイントになるのだ。

では、初めてコーヒーを作る人でも簡単にできる時間の調節方法を伝えよう。それは、コーヒー粉の粒度を変えることだ。前述した、「コーヒーミルの挽き目を調節すること」は「コーヒー粉とお湯の触れている時間を調節すること」と思ってよいだろう。

例えば、コーヒー豆をグラニュー糖のように非常に細かく挽いたとする。コーヒー粉の粒度が非常に細かいということは、粒と粒の隙間が狭くなるということだ。その細かく挽かれたコーヒー粉の上にお湯を注いでも、通過する隙間がとても少ないため、必然的にお湯とコーヒー粉の触れている時間が長くなる。従って、コーヒー粉から多くの味が引き出され、コーヒーが濃くなるのだ。

反対に、コーヒー豆をザラメ糖のように粗く挽いたとする。コーヒー豆を粗く挽けば、粒と粒の隙間が広がり、お湯の通りが良くなるのだ。従って、コーヒー粉とお湯の触れている時間は短くなるため、コーヒーが薄味になってしまうのだ。

「コーヒー粉の粒度の調節をする=コーヒー粉とお湯の触れている時間を調節する」ということは必ず理解しておく必要がある。そして、コーヒーができあがったトータルの時間というのは、どれくらいコーヒー粉とお湯を触れさせて仕上げたコーヒーなのかといったことになるのだ。

つまり、スタートからゴールまでの時間を調節することで、味を自由に変化させられるということになる。

次に「お湯をコーヒー粉に注ぐタイミング」について詳しく解説しよう。

例えば、なんとなく作ってみたコーヒーが理想の味だったとする。また同じ理想の味のコーヒーを作ろうとしても、どのタイミングでお湯を注いだのかわからなければ再現することは非常に難しいだろう。先ほども伝えたように、コーヒー粉とお湯の触れている時間は、自身が作りだした味になるからだ。

コーヒー粉にお湯を注いだタイミングを計るということは、理想の味のコーヒーを再現するためのデータを明確にすることだと考えてよいだろう。お湯を注いだ時間が明確にわかっているのであれば、味の調節がしやすくなり、理想のコーヒーを何度でも作ることができる。

体感や見た目でタイミングを計ることも可能ではあるが、スケールを使わずに同じ味のコーヒーを何度でも作ることはバリスタでも非常に難しいことだ。理想の味を作り続けるには「スケールを使って2種類の時間を計る」ことがとても重要になる。

重さ

時間と同様に「重さ」もコーヒーの味を左右させる原因になることを知っておく必要がある。ここでいう「重さ」というのは「お湯とコーヒー粉の比率」のことだ。

それではさっそく「お湯とコーヒー粉の比率」について詳しく解説する。

美味しいコーヒーというのは、使用するコーヒー粉の量と注ぐお湯の量の比率を計算して作られている。そのためには、スケールを使ってコーヒー粉とお湯の重さを計りながらコーヒーを入れることがポイントなるだろう。

基本的に「コーヒー粉1g:お湯15g」という比率を覚えておくと1杯のコーヒーを作りやすくなる。この比率を覚えておくだけで、バリスタと同じような考えを持ってコーヒーを入れることができ、自身でレシピを作ることだって可能だ。

比率について解説する前に、一つだけ知っておいてほしいことがある。それは、コーヒー豆には「水に溶ける成分」と「水に溶けない成分」の2種類の成分があるということだ。

コーヒーというのは水にコーヒー粉が溶けてできた飲み物であるということを知っておくことが、比率を理解していくうえで非常に重要になる。

バリスタがハンドドリップコーヒーを入れたあとに、水分を含んだコーヒー粉をゴミ箱に捨てる瞬間を見かけたことはないだろうか。この、水分を含んだコーヒー粉というのは「水に溶けない成分」を捨てているようなものだ。

コーヒーの成分について知らなければ、コーヒー粉を毎回捨ててしまうのは勿体ない気持ちになると思うが、実は使い所がない成分を捨てているだけなのである。そのことを踏まえつつ、これから比率について説明しよう。

例えば、コーヒー粉1gに対して、お湯25gといった比率でコーヒーを入れてみたとする。コーヒー粉1gに注ぐお湯の量が多くなるということは、十分に成分が溶けているにもかかわらず、必要以上にお湯を使っていることになる。要は、溶けるコーヒー成分がないのにお湯が注がれていることになるため、コーヒーが水っぽく薄くなるのだ。

反対に、コーヒー粉1gに対して、お湯を5gしか注がなかったとする。一見すると、美味しい濃いコーヒーが作れるように感じるはずだ。しかしここが、コーヒーの難しい部分である。

確かに濃いコーヒーを作りたいのであれば、コーヒー粉1gに対して、お湯の量を5gと少なくすればよい。しかし、この比率でコーヒーを作ってしまうと、ただ単に濃いコーヒーにしか仕上がらないのだ。とても濃いコーヒーになるのは確かだが、バランスの悪い不快な味わいにきっとなるだろう。

美味しいコーヒーを作るうえで、使用するコーヒー粉の量とお湯の量というのは非常に密接な関係であるため、バランスを考えなければならないと理解しよう。まずは「コーヒー粉1g:お湯15g」という比率をベースに、コーヒーを入れ、自分の好みを調べてみるとよいだろう。

では、この比率を使っていくつかレシピを作ってみるとする。レシピ作りは、とても簡単だ。まずは、使用するコーヒー粉の量を設定し、そのあとに「コーヒー粉の量×お湯15g」で計算するだけでよい。

お湯15g×コーヒー粉の量で作れるレシピは、以下の通りだ。

  • コーヒー粉15g×お湯15g=注ぐお湯の量225g
  • コーヒー粉16g×お湯15g=注ぐお湯の量240g
  • コーヒー粉17g×お湯15g=注ぐお湯の量255g
  • コーヒー粉18g×お湯15g=注ぐお湯の量270g
  • コーヒー粉19g×お湯15g=注ぐお湯の量285g

毎日、コーヒー粉を15g使ってコーヒーを入れるのであれば、注ぐお湯の量も225gにすると一貫して味を保つことができる。上記の計算式であれば、自身が飲みたい分だけのコーヒーを作ることができるので、無駄にコーヒー粉を使うことがなくなるだろう。

もちろん、上記のレシピが絶対に正しいわけではなく、使用する豆の種類によって、比率というのは変えなければならない。あくまで、比率というのは美味しいコーヒーを入れるためのポイントとして知っておくべき内容なのだ。

コーヒー粉の使用量は、人によってバラバラだろう。しかし、お湯の量というのはコーヒーの味を左右する原因になるため、雑に設定するべきではない。

時間と重さを一緒に計りながら作ることで、美味しいコーヒーに仕上がりやすくなる。ぜひ、コーヒーを入れるときは、化学実験のような感覚でスケールを駆使して作ってみてほしい。

コーヒーを作るときの注意点

最後に、コーヒーを作るときの注意点を紹介しよう。紹介する2つの注意点を意識するだけで、美味しいコーヒーをきっと入れ続けることができるはずだ。

注意点を常にに意識しながらバリスタと同じような気持ちになって、ぜひコーヒーを入れてみてほしい。

レシピを変えすぎない

コーヒーの味を変化させたいのであれば、レシピを変更しなければならない。ここで伝えたいレシピというのは3つある。それは「挽き目」「コーヒー粉の量」「お湯の量」の3つだ。

味を変化させるためにレシピを変える場合は、上記の3つのうちの1つだけ変更することをおすすめする。その理由は、味が変化した原因を追求しやすくなるからだ。

コーヒーというのは奥深さのある飲み物であるため、不思議と追求したくなる。美味しくないコーヒーを入れてしまったときには、きっと原因を探りたくなる気持ちになるはずだ。しかし、美味しくコーヒーを入れることができなかった原因を追求したくても、3つのレシピを同時に変更すると迷路に迷い込んだような感覚になってしまう。

挽き目・コーヒー粉の量・お湯の量を毎回コーヒーを入れるたびに変更していては、原因追求がしにくくなるため注意が必要だ。

コーヒーの味を変化させたいときは「レシピを変更するのは3つのうちの1つだけ」と心がけるようにしよう。

所作を意識する

美味しいコーヒーというのは、とても繊細な作業の繰り返しで作られている。そのため、コーヒーを入れるときに雑な動きにならないように注意しなければならない。

所作を意識しながら丁寧にコーヒーを入れれば、きっと美味しいコーヒーを作ることができる。反対に、雑にコーヒーを入れてしまうと、美味しい味に仕上がることはないだろう。

自身の所作次第で、コーヒーの味は左右されるといっても大袈裟ではない。所作というのは、コーヒーを作るうえでとても大切な意識と行動なのだ。

お湯をコーヒー粉に注ぐときは、きれいな線を描くように注ぐ。レシピをきちんと守り、丁寧に入れる。動き一つひとつをきれいにすれば、必然的に美味しいコーヒーに仕上がってくれる。

そう思いながら、所作を意識すると自然と姿勢がきれいになり、美味しいコーヒーを入れられるようになるはずだ。カフェに足を運んだときには、バリスタの所作を観察し、自宅で真似してみることから是非始めてほしい。

まとめ

本記事では、ハンドドリップに必要なコーヒー器具の種類とコーヒーを入れるときのポイントと注意点を紹介したが、参考になっただろうか?

ハンドドリップコーヒーは、気軽にコーヒーを始められる一つの手段だ。自身の生活スタイルに合わせて、好みのハンドドリップ用のコーヒー器具を揃えて、ほっとするひとときを作っていってほしい。

また、美味しいハンドドリップコーヒーを入れるポイントと注意点を意識してもらうだけで、きっとバリスタと同じような味を作ることができるはずだ。細かな作業をこなす丁寧な動きが必要にはなるが、理想のコーヒーを作れたときの感動はきっと忘れられない瞬間になるだろう。

紹介したハンドドリップコーヒーを入れるポイントと注意点を駆使して、ぜひ理想の美味しいコーヒーを作ってほしい。

▼あわせて読みたい