今回は「スキレット」というキャンプ用品について解説していく。このスキレットを活用することで食材の旨味を逃がすことなく調理可能であり、アウトドアの食事を最大限楽しむことができるだろう。

そこで本記事では、スキレットの基礎概要、手入れや後処理、おすすめの製品について解説していく。最後まで閲読すればスキレットについて詳しく理解できる上、理想とするスキレットが見つかるはずだ。

スキレットとは?

多くのキャンパーを魅了する「スキレット」。このスキレットとは、厚手の鋳鉄(ちゅうてつ)製の小さいフライパンのことである。スキレットは全体が鋳鉄製であるため、アルミやステンレス素材のフライパンに比べて蓄熱性が非常に高い。そのことから、スキレットを活用すれば食材に満遍なく火を通すことが可能であり、それに伴い食材の旨味を逃がすことなく調理できる。

また、料理が出来上がったあとの「できたて状態」を長く維持できるため、アウトドアにおける食事をゆったりと満喫できるだろう。さらに、スキレットは小型のフライパンであることから、テーブルに敷物を敷けば調理したあとのスキレットをそのままテーブルに置くこともできる。

通常のフライパンとの違い

通常のフライパンとの違いはいくつか考えられるが、最大の違いは本体の重量だろう。スキレットは鋳鉄製であるため、通常のフライパンに比べてかなり重いのだ。例えば、アルミやステンレス製を含む通常のフライパンは重くても800グラム程度である。

一方、鋳鉄製のスキレットは重たいもので2キロ近くになる。ほかにも、下記のような違いがあげられる。

【スキレット】

  • 蓄熱性が高い
  • 使用前に下準備が必要
  • 使用後にメンテナンスが必要
  • 温度変化に弱い
  • 焦げ付きが少ない
  • 寿命が長い

【通常のフライパン】

  • 蓄熱性が低く、すぐに温度が下がる
  • 使用前の準備は不要
  • 使用後は洗うだけでメンテナンス不要
  • 温度変化に弱いがスキレット程ではない
  • テフロン加工が剥がれると焦げ付きやすい
  • 物によっては寿命が短い

スキレットの種類

通常のフライパンとの違いは大まかに理解できただろうか?上記のような、スキレットにしかない良さがアウトドアを盛り上げてくれるのだ。

続いて、スキレットの種類について見ていこう。スキレット本体の種類は意外に多く、形状の異なる製品がいくつも販売されている。メーカーによっても容量や重さ、素材などがさまざまだ。

四角いスキレット

例えば、ロッジ(LODGE)が販売している「スクエアスキレット」は、四角い形状で少し小さめのスキレットだ。形状が丸ではなく四角なので、フレンチトーストやケーキを焼くのに向いている。また、本体サイズが小さめであることから、一人分の朝食やつまみを作る際に最適だ。

大きいスキレット

同じく、ロッジ(LODGE)が販売している「ラウンドパン」は、直径32cmの大きめのスキレットだ。このスキレットは両側に取っ手が付いているため持ち運ぶときに便利である。また、通常のスキレットに比べてある程度の深さと容量があることから、大人数で食事を行うホームパーティーなどで重宝するだろう。

細長いスキレット

ほかにも、ラグビーボールのような長細いスキレットも存在している。代表的なのがキャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG)の「両手スキレット オーバル」だ。このスキレットは形状が楕円であるためオーブンに入れやすく、グラタンやキッシュを作る際に調理しやすい。

また、スキレットにしては重量が比較的軽いため、遠出をする際にも気軽に持っていける利点がある。

上記のように、スキレットと一言でいってもあらゆるタイプがある。また、今回紹介したスキレットのほかにも色々な種類がある。

  • 特殊加工された焦げ付きにくいスキレット
  • 取っ手が取り外せるスキレット
  • 深型で合体して使えるスキレット
  • 蓋付きで蒸し料理に最適なスキレット
  • 黒皮鉄板で作られたスキレット

さまざまなスキレットを使ってみて、自分好みのスキレットを探してみるのも面白いかもしれない。

スキレットの手入れ方法

スキレットの種類を把握できたところで、スキレットの手入れ方法について解説していく。購入してすぐに使用できる通常のフライパンとは違い、スキレットには「油ならし」のような手入れが必要なのだ。

この手入れはシーズニングと呼ばれており、サビや焦げ付き防止、消臭効果などに期待できる。1つのスキレットを長く使い続けるためにも、使用前には必ずシーズニングを行ってほしい。

なお、メーカーによってはシーズニングが不要なタイプもあるため、手入れが必要かどうかは事前に確認しておこう。シーズニングに必要な材料は下記を参考にしよう。

  • スキレット
  • 食器用洗剤
  • たわし
  • サラダ油(オリーブオイル)
  • キッチンペーパー
  • トング
  • 熱に強い手袋
  • くず野菜

これら必要なものが用意できたらシーズニングを始めていく。シーズニングの大まかな流れは下記のとおりだ。

  1. スキレットを食器用洗剤で洗う
  2. スキレットを強火にかける
  3. 全体をオイルでコーティングする
  4. くず野菜を炒める
  5. 仕上げにオイルを塗る

手順を1つずつ見ていこう。

スキレットを食器用洗剤で洗う

まずはスキレットを食器用洗剤とたわしで洗っていく。購入時のスキレットにはサビ付き防止のワックスが塗られているため、食器用洗剤を用いて綺麗に洗い落とす。洗い落とす際にはお湯を使用すればワックスが落ちやすい。

なお、スキレットの手入れで食器用洗剤を使う場面は基本的に購入時のシーズニングだけだ。

スキレットを強火にかける

サビ止めのワックスを洗い流したら、水分を軽く拭き取りスキレットを強火にかけていく。付着している水分を一滴残らずすべて飛ばそう。この際、水分が少しでも残っているとサビの原因となるため、白い煙が出るくらいしっかり強火にかけよう。

なお、スキレットは蓄熱性が高いことから表面が高温になるため注意が必要だ。熱々のスキレットを取り扱うときは、必ず熱に強い手袋を付けてやけどを防ごう。加熱して水分を飛ばし終わったあとは少し時間をおく。

全体をオイルでコーティングする

手で触れるくらいまでスキレットが冷めたあと、全体をオイルでコーティングしていく。キッチンペーパーとトングを使用し、取っ手や外側などスキレット全体にオイルを塗っていく。オイルをコーティングすることにより、サビと焦げ付きの予防につながるのだ。

くず野菜を炒める

オイルを十分にコーティングしたらくず野菜を炒めていく。くず野菜を炒めることで、スキレットの鉄臭さを和らげることができる。くず野菜が焦げるくらいしっかり炒めてから取り除こう。なお、くず野菜は皮や端の部分で十分だ。

仕上げにオイルを塗る

最後にシーズニングの仕上げを行う。残っているくず野菜やオイルを拭き取り、再びスキレットを強火にかける。その後、スキレット全体にオイルを塗ればシーズニングは完了だ。

ここまで、スキレットのシーズニングについて解説したが、かなり面倒な作業だと思う方もいるだろう。しかし、シーズニングは思ったよりもすぐに終わるため、購入後は面倒臭がらずにぜひ実践しよう。

スキレットの後処理

スキレットの手入れ方法がわかったところで、調理したあとの後処理についても見ていこう。調理後の後処理はざっくりと以下の手順で進めていく。

  1. 温かいうちにお湯で洗う
  2. 強火にかけて水分を飛ばす
  3. オイルでコーティングする

後処理のやり方も順番に解説していく。

温かいうちにお湯で洗う

スキレットで調理し終わったあと、温かいうちにお湯で洗っていく。この際、食器用洗剤は使わずたわしやササラだけでゴシゴシ洗う。塩分を含んだまま放置するとサビの原因になるため、外側や取っ手部分も漏れなく洗い流そう。

なお、あまりにも汚れが酷い場合は食器用洗剤を用いても良いとされる。その場合は以下の手入れを必ず行おう。

強火にかけて水分を飛ばす

汚れを綺麗に落としたあとは、水気を軽く拭き取り強火にかけて水分を飛ばす。鋳鉄製のスキレットは少しの水分で錆びてしまうため注意が必要だ。

オイルでコーティングする

スキレットの水分を飛ばしたらオイルでコーティングしよう。キッチンペーパーとトングを使って内側に薄くオイルを塗っていく。なお、外側はたわしで擦った際にオイルが付着しているため、基本的にコーティングする必要はない。

ただし、長期間保管する場合はスキレット全体にオイルを塗っておこう。以上でスキレットの後処理は完了だ。

スキレットのサビや焦げが落ちないとき

スキレットに付着したサビや焦げが落ちない場合は下記の方法を試してみてほしい。

  1. 食器用洗剤を使ってたわしでゴシゴシ擦る
  2. 油分が取れたらよく洗って拭き取る
  3. スキレット全体を強火にかける
  4. 熱が冷めたらヤスリを使って磨く
  5. 再度よく洗って拭き取り、強火にかける
  6. 熱が冷めたらオイルでコーティングする

なお、調理カスの臭いが取れないときの対処法はこちらを参考にしよう。

  1. スキレットを中火で加熱し、煙が出てきたら火力を少し落とす
  2. 5分ほど加熱したら火を止めて冷ます
  3. 冷めたあとたわしで調理カスを洗い落とす
  4. 再度火にかけて水気を飛ばす
  5. 冷めたらオイでコーティングする

スキレットで行える調理方法

スキレットの手入れや後処理については理解できただろうか?これらシーズニングは非常に重要な作業であるため必ず実施しよう。続いて、スキレットで行える調理方法を解説していく。今回紹介する調理方法は【焼く】【煮る】【蒸す】の3種類だ。

調理方法:焼く

まずはド定番の調理方法【焼く】を紹介しよう。アウトドアの雰囲気を最大限活かせるレシピとしては、やはり焼き肉がベストだろう。スキレットは蓄熱性が高いことから均等に火を通せるため、肉を美味しく焼くことができる。

焼き方はスキレットにオリーブオイルを薄く引き、肉の外側に焼き目が付くまで強火で焼く。両面にしっかり焼き色が付いたら、あとは弱火でじっくり火を通していく。アウトドアの雰囲気も相まって、スキレットで焼いた肉は美味であるはずだ。

調理方法:煮る

続いて、スキレットの調理方法【煮る】を解説する。スキレットは一度温度が上げれば長い間その温度を維持できるため、食材を美味しく煮ることができる。熱が均等に伝わりムラなく仕上がるはずだ。

おすすめの【煮る】レシピとしては、ラタトゥイユがあげられる。作り方は簡単で、スキレットにオリーブオイルを引いてにんにくを炒めたあと、野菜をサッと炒めてトマトソースを加える。10分ほど煮込んで塩コショウを加えれば、本格的なラタトゥイユが出来上がる。なお、【煮る】調理をする際は底の深いスキレットがおすすめ。

調理方法:蒸す

続いて、【蒸す】調理方法を紹介する。スキレットのフタを用いることで、じっくりと火を通す蒸し料理も作ることができる。

スキレットを使った蒸し料理では、アサリの白ワイン蒸しがおすすめだ。砂抜きしたアサリを用意し、スキレットにオリーブオイルと白ワイン、にんにく、アサリを入れ、フタを締めて5分ほど蒸す。アサリの口が開いたら万能ねぎを散らして完成だ。非常に簡単なレシピであるため料理初心者の方にもおすすめ。

上記のように、スキレットを用いればさまざまな調理方法を実践できる。アウトドアで自分好みの料理を作るためにも、ぜひスキレットを活用してみてほしい。

スキレットのおすすめ製品2選

では最後に、スキレットの選び方とおすすめの製品を紹介していく。スキレットの選び方は下記2つのポイントを押さえよう。

  • 用途に合わせた最適なサイズ
  • 自分好みのデザイン

スキレットは本体サイズも底の深さも製品によってさまざまだ。1人用なら15cm程度で十分だが、複数人で食事を楽しむなら25cm程度は必要だろう。また、形状やデザインもメーカーによって異なるため、自分好みのデザインを探してみよう。これら2つのポイントを押さえた上で、下記のおすすめ製品を見ていこう。

LODGE(ロッジ)の「ロジック10 1/4インチスキレット フライパン」

おすすめのスキレット1つ目は、LODGE(ロッジ)が販売している「ロジック10 1/4インチスキレット フライパン」だ。数あるスキレットの中でも非常にオーソドックスな製品であり、使用しているキャンパーが多いのが特徴。直径25.7cmのやや大きめのスキレットであるため、複数人でも十分まかなえるだろう。

本体価格は3,500円程度であり重量は2.57kgだ。少し重いのが難点ではあるものの、それ以外の欠点はない素晴らしい製品である。初めてスキレットを購入する方や失敗したくない方におすすめ。

キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG)の「16cm スキレット」

2つ目のおすすめ製品として、キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG)の「16cm スキレット」があげられる。人気アウトドアブランドのキャプテンスタッグが販売しているスキレットだ。少し小さめのスキレットではあるが、1人分の食事であれば十分だろう。

重量は1kgで非常に軽いため、アウトドアなどの持ち運びに便利。本体価格は約600円という破格の安さであり、スキレットを試しに使ってみたいという方におすすめの製品だ。

まとめ

本記事では、スキレットの基礎概要、手入れや後処理、おすすめ製品について解説した。スキレットは厚手の鋳鉄製の小さいフライパンであり、アルミやステンレス素材に比べて蓄熱性が非常に高い。手入れや後処理が必要ではあるものの、通常のフライパンにはない利点が数多く存在している。

ぜひ本記事の内容を参考にし、自身にピッタリのスキレットを探してみてほしい。アウトドアの食事を満喫できるはずだ。

なお、スキレットを含むアウトドアにおけるおすすめレシピを「初心者でも簡単に作れるキャンプ飯28選」で紹介している。アウトドアの食事に興味がある方は、ぜひチェックしてみてほしい。