段階的に増税が実施されてきたたばこ税。値上げの度に、愛煙家の懐具合は寂しくなる一方だ。税率が引き上げになるとたばこ産業も苦戦を強いられ、主力銘柄の内容や価格をリニューアルするなど、メーカー・愛煙家の双方に負担が少ないかたちを模索しながら増税に対応している。

2020年10月〜たばこは1本当たり1円増税

財務省は平成30年(2018年)10月1日から、消費者や葉たばこ農家、たばこ小売店などへの影響に配慮し、3回に分けて段階的な税率の引き上げを実施している。今回の令和2年(2020年)10月の税率改正はその第2弾。次回の増税は令和3年(2021年)10月を予定しており、各段階での増税額は、1本当たり1円(20本入りたばこ1箱当たり20円)ずつ、計1本当たり3円(20本入りたばこ1箱当たり60円)の税率改正となる。

たばこ税の段階的な税率引き上げスケジュール(財務省

たばこの販売数量と税収の推移

販売実績は減少傾向も税収は2兆円台を維持

喫煙人口や喫煙率の変化などを背景に、紙巻たばこの販売数量は平成8年度の3,483億本をピークに年々減少傾向にある。一方、たばこ税などの税収の合計は、平成29年度まで2兆円台で推移。平成30年度は2兆円を割る1.98兆円になるも大きく下げてはおらず、現在の喫煙者たちに買い支えられていることになる。

たばこ税等の税収と紙巻たばこの販売数量の推移(財務省

2020年紙巻たばこ売上げランキング

一般社団法人日本たばこ協会が2020年8月31日に発表したデータによると、2020年度第1四半期の紙巻きたばこの販売数量は253億本、金額にして6,099億円だった。前年同期比で見ると約8割に売り上げが落ち着いた結果となった。

2020年第1四半期の売り上げの首位を占めたたばこ銘柄は、2019年度同期の人気銘柄と比較してどのような変化があったのだろうか?売り上げランキングのTOP20位までを一覧にしてみた。

2020年紙巻たばこ売り上げランキング(第1四半期)

順位銘柄数量(百万本)前年同期比
1セブンスター1,088
2メビウス・ワン・100’s・ボックス802
3セブンスター・ボックス653
4メビウス・スーパーライト631
5メビウス・エクストラライト512
6メビウス・ライト493
7メビウス489
8メビウス・エクストラライト・100’s・ボックス470
9メビウス・スーパーライト・100’s・ボックス453
10ウインストン・キャスター・ホワイト・ワン・100’s・ボックス418
11ケント・1・100・ボックス401
12マールボロ KS ボックス373
13メビウス・プレミアムメンソール・オプション・パープル・5363
14メビウス・エクストラライト・ボックス346
15ケント・エス・シリーズ・1・100・ボックス327
16メビウス・ワン325
17ウインストン・キャスター・ホワイト・5305
18マールボロ メンソール 8 ボックス299
19メビウス・ワン・ボックス283
20メビウス・スーパーライト・ボックス267
一般社団法人日本たばこ協会

不動のセブンスター、メビウスブランドは総合国内販売シェアNo.1

売り上げ1位は、昨年に続き「セブンスター」。紙巻きたばこ市場で4.3%のシェアを占める結果となった。2位も昨年から変わらずメビウスブランドから「メビウス・ワン・100’s・ボックス」がランクイン。シェア率は3.2%だが、3位以下に「メビウス・スーパーライト」(4位・2.5%)、「メビウス・エクストラライト」(5位・2.0%)など複数のメビウス銘柄が20位以内に入っていて、国内の紙巻たばこ市場の販売シェア率をブランド単位で見るとこちらがトップになる。

わかば、エコーが販売終了。増税で紙巻たばこから葉巻に移行

2019年の同期の売り上げと比較し、大きな変化が見られたのは、前年8位にあった「わかば」(577百万本)と11位のエコー(476百万本)が圏外になったこと。JTは2019年、旧3級品特別たばこ税率撤廃により「わかば」「エコー」「ゴールデンバット」の3銘柄の販売を終了し、代わりに「わかば・シガー」「エコー・シガー」をリトルシガーとして発売。リトルシガーは葉巻たばこに分類されるため、紙巻きたばこの販売実績ランキングからは除外されることになった。

増税後どうなる?売り上げに変化は見られるか?

たばこ税の税率改定第2弾で、2020年10月からさらに厳しい戦いを強いられることになったたばこ産業では、主力のたばこ銘柄の内容を変更することで新たな商品価値を提示する動きがみられる。

JTは、10月2日から人気のたばこ銘柄「ナチュラル アメリカン スピリット」のオーガニック ミントシリーズ4銘柄のリニューアルを発表。現行の20本入りから14本入りに内容量を改定することで、価格を400円におさえて設定。同ブランドのほかの銘柄が530円から570円に改定されるのと比較し、心理的に求めやすい商品となっている。

税率の引き上げに伴い、各たばこメーカーの努力にも注目が集まるたばこ税の改正時期。喫煙人口や喫煙率にもどんな変化があるのか、引き続きウォッチしていきたい。

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