人の心を豊かにし、ときに感情を揺さぶる音楽。音楽をより楽しむため、音響機器にこだわる人は多いが、「真空管アンプ」に興味をもったことはあるだろうか?
真空管アンプとは、CDプレイヤーやレコードプレイヤーから伝えられた電気信号を増幅させて、スピーカーを駆動させる音響機器のことである。
レトロで温かみのあるサウンドが特徴的で、スピーカーから大音量を流すことができるため、自宅からライブハウスまでさまざまなシーンで活躍。
この記事では、味のある独特なサウンドを体験できる真空管アンプの機能性や、選び方のポイントを詳しく解説していく。
真空管アンプの基本概要
真空管アンプとは、電極が入ったほぼ真空状態の真空管を使って電気信号を増幅させ、スピーカーを駆動させる音響機器のことである。
CDプレイヤーやレコードプレイヤーから発する電気信号はとても小さいが、真空管で信号を増幅させることで、スピーカーから大きな音を鳴らすことが可能になるのだ。
オーディオ製品の音の電気信号を増幅させる機器をアンプというが、アンプは左右のスピーカーの音量や音質などを調整するプリアンプと、プリアンプから伝えられた電気信号を増幅させ、スピーカーから音を鳴らす役目を担っているパワーアンプに分かれる。
真空管アンプは、プリアンプとパワーアンプの両方、もしくは片方に真空管が搭載されているものを指すのだ。
真空管アンプの活用シーン
スピーカーから大音量を流せる真空管アンプは、ミュージシャンやスタジオ・ライブハウスなどで音響を仕事とする人たちの間で広く活用されている。
なぜなら、真空管アンプは基本的に消費電力がとても大きいため、小さな部屋よりも防音環境が整ったスタジオやライブハウスで本領を発揮するからだ。
では、「狭い部屋では使えないのか?」といったらそうでもなく、自宅での音楽鑑賞用に適した小型の真空管アンプも多く販売されている。
真空管アンプを購入する際は、活用シーンをしっかりイメージした上で商品を選びたいところだ。
真空管アンプとトランジスタアンプの仕組みや機能を比較
真空管アンプとは何かをさらに理解してもらうため、比較対象となるトランジスタアンプとの仕組みや機能の違いを説明していこう。
トランジスタアンプとは、半導体でつくられる小さな電子素子「トランジスタ」を用いて、音の信号を増幅させるアンプのことである。
真空管アンプとトランジスタアンプの主な違いは、以下の5つが挙げられる。
- 音の増幅の仕組み
- 電圧・電流
- 音の特徴
- メンテナンスの有無
上記の項目をそれぞれ詳しく解説していこう。
音の増幅の仕組み
出典元:wikipedia|真空管
真空管アンプの真空管の中には、フィラメント、グリッド、プレートという3種類の回路(三極管)がセットされている。
まず、真空管の電極を高温させることで、陰極の表面から電子が放出される。そして、フィラメントとプレート間を流れる電子の量をグリッドでコントロールして音の増幅を実現させているのだ。
一方、トランジスタアンプは、エミッタ・ベース・コレクタという並びで構成された半導体が、音の増幅をコントロールしている。
ベースの部分はエミッタとコレクタと異なる種類の半導体になっており、ベースに音の信号を入力することで、エミッタとコレクタ間の電流が変化する。
エミッタとコレクタは電源と通じているため、電流に変化を与えることで音の増幅が増幅されるのだ。
電圧・電流
真空管アンプは、電圧を高くすることで大きな電力に増幅させているため、トランジスタアンプよりも消費電力は多くなる。
一方、トランジスタアンプには半導体の接合があるため、大きすぎる電圧には絶えられず、低電圧で稼働する仕組みとなっている。
ただし、トランジスタアンプの半導体の抵抗が低い場合には、大きな電流を流すことも可能だ。
音の特徴
真空管アンプの音には、温かさと柔らかさがあり、トランジスタアンプよりも音に自然さを感じることができる。
真空管で音の信号を増幅させると、聴感に心地よく感じられる偶数次の歪みが強調されるため、人間が好みやすい独特の音に仕上がるのだ。
音楽用語で使用される「歪み」をかんたんに説明すると、オリジナルの音とは異なる特徴をもった音のことを指す。
ロックギタリストが鳴らすエレクトリックでギャンギャンしたあの音こそ、歪みによって生み出された音である。
真空管はさまざまなメーカーで異なる特徴の商品が販売されており、真空管を交換することで音の硬さや明るさ、歪みなどを変えられる点も覚えておこう。
一方で、トランジスタアンプの音は、真空管アンプと比べると冷たさがあり、「人間の耳にきつい音」と表現されることもある。
しかし、トランジスタアンプは低音から高音まで幅広い音域の出力が可能で、真空管アンプと比べてノイズが少ないというメリットがある。
レトロで温かみのある音が好きな人には真空管アンプ、シャープで現代的な音が好きな人にはトランジスタアンプという勧め方がよくされているが、実際に聴いてみて判断するのがベストだろう。
メンテナンスの有無
真空管アンプは、稼働していると熱を帯びやすく、真空管が劣化したときに交換を検討する必要がある。
明確な交換時期はないが、明らかに音が小さくなったり、以前よりも歪みが感じられなくなったりしてきた場合は、真空管の交換を検討しよう。
一方、トランジスタアンプは真空管アンプと比べて寿命が長いといわれており、基本的にメンテナンスは不要だ。
ただし、音にこだわりのある人や仕事で使用している人は、電解コンデンサーやカーボン抵抗、整流用ダイオードなどの熱で劣化する部品を数年単位で交換している。
物理的な衝撃に対しては、ガラス管を使っている真空管アンプのほうが脆いが、トランジスタアンプも強い衝撃を受けると故障する可能性はある。
総合的に、トランジスタアンプよりも真空管アンプの方がメンテナンスのスパンが短く、手入れが大変だと覚えておこう。
真空管アンプの選び方のポイント
真空管アンプはトランジスタアンプよりも高価なため、購入する場合にかなり悩むだろう。そこで、真空管アンプ選びに失敗しないために、どのようなポイントに注目すればいいのかを詳しく解説していこう。
- 初心者におすすめされるのがプリメインアンプ
- 省スペース且つ楽に設置できるのはプリメインアンプ
- 音質重視ならシングルアンプ、出力重視ならプッシュプルアンプ
- MT管・ST管・GTから好みを選ぶ
- 自宅用なら10W以下、ステージ用なら10W以上を選ぶ
- プレイヤーに対応した接続方法で選ぶ
- ハイレゾ音源に対応したタイプもある
- デザインで選ぶ
それぞれのポイントを1つずつ解説する。
ポイント1.初心者におすすめされるのがプリメインアンプ
真空管アンプは、プリアンプとパワーアンプが一体化したプリメイン、プリアンプとパワーアンプがそれぞれ独立しているセパレートアンプという2種類のタイプがある。
現在、真空管アンプの主流となっているのがプリメインアンプだ。
プリメインアンプは、プリアンプとパワーアンプの両方を購入する必要がないため、コストを抑えられるのが最大のメリットとなるだろう。
また、販売されている種類も豊富で、購入後はプレイヤーとスピーカーの間に繋いですぐに利用できるため、初心者におすすめだ。
一方のセパレートアンプは、プリアンプとパワーアンプを別々で購入する必要があるため、プリアンプアンプよりも高価になるが、他社同士の機器の組み合わせによって音質の幅がぐんと広がるのだ。
セパレートアンプは、真空管アンプの取り扱いに慣れている上級者が、さらなる高音質を追求したい場合におすすめされる。
もちろん、初心者でも音質にとことんこだわりたければ、セパレートアンプが有効な選択肢となる。
ただし、部分ごとに機器を揃える手間と大きなコストが発生することを忘れてはいけない。
ポイント2.省スペース且つ楽に設置できるのはプリメインアンプ
プリメインアンプの真空管アンプの場合、省スペースでの設置が可能で配線も難しくないため、手軽に設置できるメリットがある。
一方で、セパレートアンプはある程度の設置スペースが必要となり、さらに機器を繋ぐ配線が増えて手間がかかるというデメリットがある。
限られたスペースで設置を考えている場合は、購入前にかならずサイズをチェックしておこう。
ポイント3.音質重視ならシングルアンプ、出力重視ならプッシュプルアンプ
真空管アンプには、出力管が左右で1本ずつのシングルアンプと、左右に2本ずつのプッシュプルアンプがある。
シングルアンプは、真空管アンプ特有の温かさや柔らかさをさらに強調したい場合におすすめだ。
一方のプッシュプルアンプは、シングルアンプよりも音質の表現の幅は狭くなるが、シングルアンプの2倍以上の出力を実現させる。
シングルアンプかプッシュプルアンプかは、活用シーンをよく考えた上で選ぶ必要があるだろう。
ポイント4.MT管・ST管・GTから好みを選ぶ
真空管アンプに用いられる真空管は、MT管・ST管・GT管という3種類があり、それぞれ音質に特徴がある。
主流となっているのが最も新しいMT管であり、高性能且つ、真空管の中でも標準的な音質とされている。
ST管は、MT管よりも音の柔らかさが強調される。レトロなサウンドに近づくため、クラシック音楽や昭和の懐かしさを感じられる音楽などと相性が良く、主に大型のアンプに用いられている。
現代的でシャープな音質の表現に向いているのがGT管だ。ロックなサウンドと相性が良く、ギターアンプやベースアンプなど、出力が高い真空管アンプに用いられている。
スタンダードなものを選びたい場合はMT管が選択肢となり、より味のあるサウンドにしたい場合には、ST管かGT管を選ぼう。
ポイント5.自宅用なら10W以下、ステージ用なら10W以上を選ぶ
真空管アンプの出力はワットで表現され、自宅などの狭い部屋で使用する場合は10W以下のものが適している。
大きめの部屋やライブハウスなどでギターやベースを大音量で鳴らしたい場合には、10W以上の真空管アンプを選ぶ必要がある。
真空管アンプ選びの際は、欠かさずにチェックしておくべきポイントとなるだろう。
ポイント6.プレイヤーに対応した接続方法で選ぶ
真空管アンプとプレイヤーの接続には、USB端子・Bluetooth端子・PHONO端子などが用いられている。
スマートフォンで音楽を再生する場合は、Bluetooth、もしくはUSBによる接続が主となる。
Bluetoothで接続する場合はケーブルが不要となるため、設置したときの見た目がすっきりする。
真空管アンプをレコードプレイヤーと接続したい場合は、PHONO端子があるかどうかをチェックしよう。
PHONO端子とは、接続部分に白と赤の目印がついた古いレコードプレイヤーの多くに付いているものだ。
接続端子が異なる場合は変換コネクタで対応できるが、ワイヤレスで接続したい場合には、真空管アンプがBluetooth対応かどうかをかならずチェックしよう。
ポイント7.ハイレゾ音源に対応したタイプもある
ハイレゾ音源を真空管アンプで楽しみたい場合は、ハイレゾ対応モデルを選ぼう。
ただし、ハイレゾ対応モデルは高価なため、より多くの予算が必要になることを想定しておかなければならない。
ポイント8.デザインで選ぶ
真空管アンプの性能にこだわるのはもちろんのこと、デザインも重視したいという人はいるだろう。
一般的な真空管アンプは、ボックス型のボディに真空管と電源ボタン、ボリューム調整のつまみが付いている。
ボディのカラーはブラックとシルバーが多いが、インパクトのあるレッドやインテリアとして映えるウッド調などのモデルもある。
真空管もモデルによって多少デザインが異なるが、劣化した場合に交換を行うため、真空管のデザインを重視して選ぶのは望ましくないといえる。
電源ボタンやボリューム調整を行うつまみについては、操作性を重視したシンプルなデザインが多いため、デザインを重視する場合にはボディの形状・カラーがポイントとなるだろう。
真空管アンプのおすすめ製品15選
最後に、真空管アンプのおすすめ製品を15通り紹介する。具体的な製品は以下の通りだ。
- Nobsound|Mini 6N6+6N2 真空管アンプ
- TRIODE|プリメインアンプ Ruby
- KORG|Nu 1 1BIT DSD11.2MHz
- ラックス|真空管プリメインアンプ“Neo
- ラックス|真空管ステレオパワーアンプ
- FX-AUDIO-|TUBE-00J 本格真空管ラインアンプ
- マッキントッシュ|真空管ハイブリッド・プリメインアンプ
- Nobsound|Douk Audio T3 PLUS 真空管 6A2
- Nobsound|Mini HiFi バルブ 真空管 パワーアンプ
- TRIODE|プリメインアンプ TRV-A300XR
- TRIODE|プリメインアンプ Luminous 84
- CarotOne|Fabriziolo 30K EX
- ATTOZEN|Reisong A10 真空管アンプ
- Reisong|BoyuuRange 真空管 プリメイン
- ORB|ヘッドフォンアンプ内蔵プリメインアンプ
自身に適した真空管アンプを見つけるためにも、以下の製品をぜひ確認しよう。
1.Nobsound|Mini 6N6+6N2 真空管アンプ
Nobsoundが提供する「Mini 6N6+6N2 真空管アンプ」は、コンパクトかつ高性能な真空管アンプだ。本製品は重量が小さいため、持ち運んで利用することも可能。
サイズはコンパクトであるが、サウンドは本格的で高音質。また、販売価格は比較的リーズナブルであり、真空管アンプを初めて買う方にもおすすめできる。
2.TRIODE|プリメインアンプ Ruby
続いて紹介するおすすめ製品は、「プリメインアンプ Ruby」だ。やわらかくて温かい音色が魅力的で、主にクラシックやピアノ曲に適している。
デザインはスタイリッシュ、そして操作感はシンプルで使いやすいため、真空管アンプ初心者にも向いている。インテリア性が高いところも魅力的だ。
3.KORG|Nu 1 1BIT DSD11.2MHz
3つ目に紹介する真空管アンプは、KORGから発売されている「Nu 1 1BIT DSD11.2MHz」だ。約250,000円と高価な製品だが、その性能は価格に比例して素晴らしい。
これまで進化してきたDSDの楽しみ方をさらに飛躍させている。DSD11.2MHz録音やMCカートリッジ対応のフォノ・アンプ、バランス入力といったレコーディングに関する新機能が搭載されている。
DSDの未知の領域へ足を踏み入れた製品だと言える。なお、その素晴らしい性能が評価され、本製品は数々の賞を受賞している。
4.ラックス|真空管プリメインアンプ“Neo
コンパクトで素晴らしいサウンドを再生できる「真空管プリメインアンプ“Neo」。耳あたりの良い上品なサウンドは、オーディオに興味のない人でもその違いがすぐにわかる。
音楽信号のダイナミズムを視認できる「LED照明付きのアナログ指針式メーター」が搭載されているなど、機能性に関しても十分だと言える。
5.ラックス|真空管ステレオパワーアンプ
最新パーツが投入された真空管アンプ「真空管ステレオパワーアンプ」を紹介する。数値上の大出力により、ナチュラルでクリアな音調を実現できる。
ST管の「300B」が採用されているため、ほかの製品にはないやわらかく温かみのある音、そして純度の高いきめ細やかなサウンドが魅力的だ。高性能であるがゆえ、その販売価格も高額となっている。
6.FX-AUDIO-|TUBE-00J 本格真空管ラインアンプ
FX-AUDIO-|TUBE-00J 本格真空管ラインアンプ
シンプルでスタイリッシュな見た目の「TUBE-00J 本格真空管ラインアンプ」。価格も安くコストパフォーマンスが良好。
標準付属真空管として6K4が採用されており、電源安定回路が強化されている。本格真空管アンプのスタンダードモデルだと言える。
7.マッキントッシュ|真空管ハイブリッド・プリメインアンプ
本製品は、マッキントッシュ初のハイブリッド型プリメインアンプである。出力は160W+160Wであり、大迫力のサウンドを存分に楽しめる。
レトロなデザインもまたおしゃれで、オブジェクトとしても活用できる。「機能性だけでなくデザインにも注力したい」という方は、ぜひ本製品の購入を検討してみてほしい。
8.Nobsound|Douk Audio T3 PLUS 真空管 6A2
Nobsound|Douk Audio T3 PLUS 真空管 6A2
8つ目におすすめする製品は、「Douk Audio T3 PLUS 真空管 6A2」だ。MCカートリッジのインピーダンス切り替えは4段階に対応しており、より安定した音を再生できる。
複数のオーディオ入力が可能であるほか、ヘッドホン出力にも対応。スタイリッシュで絶妙なデザイン、さらにはコンパクトで持ち運びやすいという利点も兼ね備えている。
9.Nobsound|Mini HiFi バルブ 真空管 パワーアンプ
Nobsound|Mini HiFi バルブ 真空管 パワーアンプ
同じくNobsoundが提供する真空管アンプ「Mini HiFi バルブ 真空管 パワーアンプ」を紹介する。拡張性とダイナミクス、詳細と音場が優れており、さまざまな音楽に切り替えることが可能。
音の歪みを軽減し、よりクリアな音を再生できるため、透明感のある膨満感を味わえるはずだ。また、約6,500円という安さで購入できるところも利点だと言える。
10.TRIODE|プリメインアンプ TRV-A300XR
続いて紹介する真空管アンプは、「プリメインアンプ TRV-A300XR」だ。販売価格は約240,000円とかなり高いが、その分性能はハイクオリティ。
300Bの魅力を存分に引き出すことができる。天面には、バイアス確認用モニターやバイアス調整ボリューム、ハムバランスボリュームが搭載されているなど、利便性にも長けている。
11.TRIODE|プリメインアンプ Luminous 84
11個目におすすめする製品は、「プリメインアンプ Luminous 84」だ。本製品は使い勝手がシンプルなので、初めて真空管アンプを使用する方にもおすすめ。
11W+11Wという高出力でありながらも、コンパクトサイズで携帯性にも優れている。さらにMM型フォノイコライザーを内蔵しており、レコードプレーヤーの接続にも対応している。
12.CarotOne|Fabriziolo 30K EX
「Fabriziolo 30K EX」は、デザインが独特でコンパクトな真空管アンプだ。オレンジ色のアルミボディが印象的であり、インテリアとしても活躍してくれる。
サイズは76×150×75mmと小さめなので、自宅に設置するだけでなく、外出先に持っていくことも可能だ。「小さくてスタイリッシュな製品を探している」という方におすすめ。
13.ATTOZEN|Reisong A10 真空管アンプ
本製品を用いれば、生々しく躍動感のあるサウンドが楽しめる。回路図が付属していることから、真空管交換による音質向上が可能であり、さらにはコストパフォーマンスに優れている。
高級感のある見た目も魅力的。「信頼性のある真空管アンプを探している」という方は、ぜひ本製品の購入を検討してみてほしい。
14.Reisong|BoyuuRange 真空管 プリメイン
続いて紹介する真空管アンプは、「BoyuuRange 真空管 プリメイン」だ。回路がシンプルでわかりやすいつくりになっている。音質も素晴らしく、見た目がスタイリッシュ。
価格の割にパフォーマンスが高いのは魅力的だが、耐久性はイマイチなので、取り扱う際は注意が必要だ。
15.ORB|ヘッドフォンアンプ内蔵プリメインアンプ
最後に、キューブ型の真空管アンプ「ヘッドフォンアンプ内蔵プリメインアンプ」を紹介する。四角いデザインが特徴的で、小型ではあるものの出力は高い。
インピーダンス16~600Ωというように、幅広いヘッドホンに対応している。「可愛らしい真空管アンプがほしい」という方におすすめだ。
まとめ
真空管を用いてプレイヤーの音の増幅をさせる真空管アンプは、温かさ・柔らかさ・自然さを豊かに表現してくれる音響機器だ。
真空管アンプには、自宅の音楽鑑賞用として使える数Wのモデルから、ライブハウスなどのステージで楽器を爆音で鳴らせる100W以上のモデルまで販売されているため、活用シーンに合ったものを選ぼう。
はじめて真空管アンプに触れる人には、手軽に扱えるプリメインアンプが推奨されている。
真空管の種類や数によって音質や出力も変わってくるため、真空管アンプ選びに悩んだ際は、この記事の情報をぜひ参考にしてほしい。
真空管アンプにはトランジスタアンプには表現できない味があり、これからも音にこだわりを持つ人たちに長く愛され続けるだろう。