100853【剣菱酒造】酒樽製造の継承で伝統的酒造文化を守る取り組み

【剣菱酒造】酒樽製造の継承で伝統的酒造文化を守る取り組み

男の隠れ家編集部
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日本最古の銘酒ブランド「剣菱」は、酒造文化の継承と発展に向けた新たな一歩として、酒樽製造事業を本格稼働させた。

これにより、木製道具や藁縄に続く第三の酒造関連品製造に取り組むこととなり、2023年にユネスコ無形文化遺産への登録が決定した「伝統的酒造り」の保全に寄与していくという。

江戸時代から続く剣菱の酒樽文化

歌川広重「東海道 ― 五十三次 日本橋」

剣菱の菰樽(こもだる)は江戸時代の浮世絵や川柳に登場し、その名は広く庶民に親しまれていた。当時、剣菱の樽は藁や天然資材を用い、神への感謝や自然への敬意を込めて作られていたのである。

しかし、2016年に藁製太縄の製造が終了したことを機に、剣菱酒造は一時的にビニール製品で代用する事態を余儀なくされたという。この経験を教訓に、将来的な資材調達の困難に備え、自社で酒樽の製造を開始する決断を下したのである。

製樽事業の開始とその経緯

コロナ禍で冠婚葬祭や祭りなどのイベントが中止となり、関連業者の廃業が相次ぐ中、剣菱酒造は2023年、兵庫県内の製樽業者から職人3名を引き受けて酒樽製造を開始した。

さらに、自社の木桶プロジェクトの職人4名とも合流し、7名体制で本格的な製造を進めているのだ。

11月になると正月に向けた酒樽製造が最盛期を迎え、剣菱自社製品の供給に加えて全国の酒蔵への出荷にも対応。この取り組みによって、伝統的な技術の継承と酒造文化の保全に大きな役割を果たしている。

ユネスコ無形文化遺産登録とその意義

剣菱・木工所社員による暖気樽(だきだる)造りのパフォーマンス

剣菱酒造は10月にパリ日本文化会館で開催された「日本酒造りの聖地 灘五郷」のPRイベントに参加し、酒造りに必要な暖気樽(だきだる)の製造技術を披露。このイベントにはユネスコ加盟国の代表も出席し、伝統的酒造文化の重要性が強調された。

11月、ユネスコの評価機関から「伝統的酒造り」を無形文化遺産に登録するよう勧告が出され、12月には正式に登録が決定。この登録は、日本酒造りが地域社会や文化的行事に密接に結びつき、社会文化的意義を持つことが評価された結果である。

剣菱酒造の使命と展望

剣菱が継承した製樽現場

剣菱酒造は古来から受け継がれてきた日本酒文化を守り、伝統を未来へ繋ぐ役割を担い、木製道具、藁縄、酒樽といった酒造に欠かせない要素を自社で製造することで、品質と文化の両面での保全を目指している。

日本最古の銘柄として伝統的な技術と味わいを国内外に広める活動を続けており、その取り組みには日本酒がもつ歴史と地域文化への深い敬意が込められている。

剣菱酒造は酒造りの現場に秘められた物語を共有しながら、日本酒文化を守る取り組みを進めていくのだろう。伝統と革新の融合を実現する同社の挑戦に、今後も注目していきたい。

剣菱酒造株式会社
公式HP:剣菱酒造

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