飛騨高山には昭和を体験できる、2つのテーマ館がある。昭和の時代にタイムスリップして昭和レトロを楽しみ、昭和の香り漂う宮川朝市へ。飛騨の小京都で懐かしい昭和時代に邂逅した。
(※その他の写真は【関連画像】を参照)
※この記事は2024年11月号に掲載されたものです。
■飛騨高山で最も古いコーヒー専門店「コーヒー ドン」
⚫︎先代から受け継ぐ自慢のチーズケーキを
昭和26年(1951)の創業。高山で最も古いコーヒー専門店だ。創業者の和田茂さんは蝶ネクタイでカウンター内に立ちコーヒーを振る舞っていた。

当時はまだ珍しかった本格コーヒーを目当てに、高山の“旦那衆”たちが朝から来店していたという。現在は息子の恭直さん、直子さん夫妻が跡を継ぎ、2人の娘さんとともに店を守っている。
店内の調度品は先代の頃から変わっていない。アンティークなランプと梁の中に埋め込まれた蛍光灯の間接的な光が、レトロな雰囲気を醸し出している。


名物は先代の頃からの自家製チーズケーキ。ほかにもシュークリーム、ドーナツ、プリンなど、スイーツの美味しさは高山の人なら誰でも知っている。
「昭和は人の目なんか気にしないで、自由になんでものびのびできた時代でしたね」と直子さんは語る。


岐阜県高山市本町2-52
TEL/0577-32-0968
営業時間/7:30~19:00
定休日/火曜
■レトロな店内と自家焙煎珈琲「藍花珈琲店」
⚫︎自家焙煎の豆を石臼挽きで
古い町並みの続く上三之町にある、昭和50年(1975)創業のコーヒー専門店。白壁の土蔵を改装して、内部は大正時代の照明、飛騨や松本家具の椅子、ベンチなどを設えている。

壁には竹久夢二の絵。床は木レンガが敷き詰められている。一つひとつの調度品にさりげないこだわりがあり、居心地の良い空間をつくり出している。
コーヒーは高山では珍しい炭火自家焙煎の本格派。さらに珍しいことにコーヒー豆は約30センチの石臼を使い、2代目の黒坂俊介さんが手で挽いている。毎朝その日の分だけ石臼で挽くという。

「蕎麦と同じで、余計な熱が加わらないから、香りが良いコーヒーになります。コクがあってスッキリ。深煎りのコーヒーなので、味に深みがあります」
観光地の一角にあるのに、地元の常連客が多く、最近では毎年来るという海外からのリピーターも多いとか。


岐阜県高山市上三之町93
TEL/0577-32-3887
営業時間/9:00~18:00
定休日/木曜(8月は無休)
■昭和の広告美人画がずらり「気軽な大衆居酒屋あじ平」
⚫︎高山の夜はレトロな空間で、乾杯!
店先の赤提灯が灯る頃には次から次へと客がやってくる。高山で人気の居酒屋だ。暖簾をくぐると、店内には古物商でもあった創業者の角岡平治郎さんが収集した、広告美人画のコレクションがあちこちにディスプレイされている。

小上がりの壁にはレトロポスターや昭和の女優さんのうちわなど。ノスタルジックな雰囲気の中で飲む酒は一段と美味しさが増す。
つまみには「飛騨の在郷料理」、漬物ステーキ、自家製ほうば味噌などのほか、飛騨牛料理もあり、飛騨の食文化を味わいたい観光客にぴったり。串もの、刺身などの居酒屋定番メニューも豊富だ。


2代目店主の角岡真一さんお勧めの酒は日本酒。高山は古くからの酒蔵が今も残っている酒どころだ。「季節ごとに私が試飲して、美味しい酒を選んでいます」。
口開けの一杯は店主イチオシの酒「あじ平の隠し酒」から始めたい。


岐阜県高山市初田町1-34
TEL/0577-35-1063
営業時間/17:00~24:00
定休日/無休
飛騨高山
問い合わせ:飛騨・高山観光コンベンション協会
TEL/0577-36-1011
アクセス/JR「東京駅」より東海道新幹線で約1時間40分、「名古屋駅」で特急ひだに乗り換えて2時間30分「高山駅」下車
※この記事は2024年11月号に掲載されたものです。
文/阿部文枝 撮影/渡部健五
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