62311Z世代にとって昭和は超エンタメ! 大人世代も楽しみたい“ネオ昭和現象“とは?

Z世代にとって昭和は超エンタメ! 大人世代も楽しみたい“ネオ昭和現象“とは?

男の隠れ家編集部
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Z世代の若者に昭和をいま風に楽しむ現象がブームになっている。歌謡曲やフィルムカメラ、純喫茶など、思い返せばリバイバルしていることに気づいている人もいるのではないだろうか。

これを“ネオ昭和”と名付けて、SNSで発信しているのが大学生の阪田マリンさん。さまざまなジャンルのネオ昭和現象がどんなものかを解説するとともに、実際に昭和を知る大人世代への楽しみ方を提案してもらった。

■歌謡曲やシティポップが再評価され、サブスクに登場!

大学生の阪田マリンさんは、レコードがきっかけで昭和にハマったとか

音楽のジャンルでは、昭和50年から60年代にアイドルが歌っていた歌謡曲や、シティポップが若者に注目されていると言う。

「火付け役の一人は、韓国を拠点にしているDJのNight Tempo(ナイト・テンポ)さんです。歌謡曲やシティポップを若者に聴きやすいようにアレンジして紹介したのがきっかけで、韓国やアメリカで注目され、日本でも人気が出ました。代表的なのは、松原みき、杏里、中森明菜、菊池桃子など。需要がないと解禁されない、SpotifyやApple Musicのサブスクにも登場しています」(阪田マリンさん、以下同)

昭和の音楽をアレンジした曲が注目され、サブスクに登場したという流れはまさに新しいリバイバル=ネオ昭和だ。そのほか、雑誌『ブルータス』が2022年3月15日歌謡曲特集を組み、ミュージシャンや著名人によって再評価されていた。実際に昭和を知る世代はどのように楽しむのがおすすめなのだろうか?

「昔のままの曲とアレンジされた曲を聴き比べてみると面白いと思います。アレンジされたものを聴くと、昔の良さがわかるかもしれません。また、ナイト・テンポさんが『Japanese City Pop 100,selected by Night Tempo』という本を出されています。こちらの本はSpotifyと連携させて楽しむもの。私も実際に本に書かれた解説を読みながらSpotifyで音楽を聴くのがおもしろかったので、やってみるのがおすすめです」

■喫茶店文化のインスタ投稿が人気!

飲食で人気になっているのが、昭和の喫茶店文化。大人世代には懐かしいあの飲み物や食べ物、食器が注目されているという。

「インスタグラムで、昭和の喫茶店メニューにあったクリームソーダやプリンの投稿が人気です。かつてクリームソーダは黄緑色でしたが、いまはピンクやブルーなども登場しています。喫茶店で楽しむのはもちろん、自粛期間中には、わざわざ着色料を買ってきておうちでクリームソーダを作るのも流行りました。また、アデリアという喫茶店で使われているレトロな器ブランドも人気で、リメイクした製品が登場しています」

若者にはカフェのおしゃれな飲み物がウケるのかと思いきや、ノスタルジックな飲み物も人気になっている。大阪の「café太陽ノ塔」、東京の「不純喫茶ドープ」が代表例。いずれの店もブームを受けて多店舗展開されている。ほかにもこうした喫茶店はいくつもある。実際に訪れてその世界を体験してみてはいかがだろうか?

■フィルムカメラは写真も行動もエモい!

「写ルンです」が再び人気に!

今や写真はスマホで撮るのが当たり前の時代だが、改めてフィルムカメラが脚光を浴びているという。

「使い切りのフィルムカメラ『写ルンです』が再び注目を集め、フィルムカメラがブームになっています。私のまわりのでは、中古のフィルムカメラを買った友達もいます。フィルムカメラは、今のデジタルにはない画質で、写り方にエモーショナルを感じます。それだけじゃなくて、旅行に持っていけば、写真を撮るときも現像して受け取りに行くまでも楽しみで、二度ワクワクできる。スマホだとすぐに確認できますが、その待っている時間も含めて、エモさがありますね」

そのほか、フィルムカメラ風のアプリもあって、フィルム写真のように加工できるものもあるそうだ。なかには、「KD PRO」「Gudak Cam」のように現像時間が数日や数時間後に設定されているものも。実際にフィルムカメラを買わなくても、写真と行動が体験できるようなものも登場している。

また、「写ルンです」専用のケースも登場しており、その世界観が楽しめるグッズも。さまざまな角度でフィルムカメラが体験できるようになっているのだ。大人世代が再び使ってみても、新たな発見ができるだろう。

■不便さが、新しさや再発見を生む

このほかにも、昭和時代を思わせるメニューや内装、音楽が楽しめる「ネオ居酒屋」や「スナック」、クラシックスタイルを現在の技術を使って復刻発売されている「バイク」のネオクラシックの流れも、ネオ昭和と言っていいだろう。なぜ、いまこうしたものに惹かれる流れがあるのだろうか?

「私たち世代にとっては、デジタルの便利さが当たり前なので、むしろ昭和の不完全さが新しいんです。フィルムカメラの現像のもどかしさもそうですが、ほかにも黒電話の時代なら恋人に電話をかけるのにお父さんが出たらどうしよう、というドキドキ感があったと思います。便利さに慣れている一方で、そうしたものへの憧れがあるのだと思います」

なんでも便利にスピーディーにできてしまう時代だからこそ、不便さに新鮮さを感じるのだ。そこには感情を揺さぶられる体験が隠されていたり、風情のあるものを生み出す機会があるのかもしれない。大人世代にとってもそれは懐かしさだけでない、再発見がありそうだ。ぜひ、30代以上の昭和を経験してきた世代もネオ昭和を体験してみてはいかがだろうか?

【取材協力:阪田マリン】
2000年大阪府生まれ。中学2年の頃、レコードをきっかけに昭和に興味を持つ。高校生になってSNSで昭和について発信。“ネオ昭和”の第一人者として、SNSやラジオ番組で発信を続けている。
Twitter:@marin_syowasuki

取材・文:岡本のぞみ(verb)

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