庶民の生活が一変した激動の昭和30年代
昭和30年代は高度成長に伴い人々の所得は向上、消費は拡大し、またそれと同時に日本は物の豊かさを享受する時代へと突入した。それを象徴するのが「テレビ」「冷蔵庫」「洗濯機」を指す「三種の神器」と呼ばれるものの出現である。
人々はより良い生活を送るため、高価ではあるが一度購入すれば長期に使用できる電化製品や自動車をこぞって買い求めた。
中でも、テレビは昭和39年(1964)の東京オリンピックの開催をきっかけに家庭への普及が進んだ。これに見るように、戦後の復興の活気も後押しし、人々の暮らしはますます豊かになってゆく。
そうした時代の懐かしい暮らしの風景を、もう一度見たいと思う人もいるだろう。全国にはそんな懐かしさに浸れる施設がいくつもある。建物や町並みを忠実に再現したもの、移築したもの、中には当時の一般家庭の家屋をそのまま保管しているところまである。
ここでは昭和の暮らしを体験できるミュージアムを紹介する。一歩足を踏み入れれば、当時の街の音やにおい、熱気、記憶の片隅にしまい込んでいた思い出までもが思い起こされるはず。
昭和のくらし博物館(東京都)
「昭和20年代の家屋をそのまま保存!」
昭和26年(1951)に建てられた建物をそのまま保存しており、リアルな東京の庶民の暮らしを体験できる空間だ。規模が小さく昭和20年代における一般的な家屋だが、建築に通じていた主人の工夫が建物の随所に見られる。
東京都大田区南久が原2-26-19
TEL:03-3750-1808
入館料:500円
休館日:月~木曜、年末年始、9月上旬
開館時間:10:00~17:00
http://www.showanokurashi.com
いつか来た道 みろくの里(広島県)
「華やかで活気ある昭和30年代の街並み」
遊園地「みろくの里」内にある施設。昭和30年代の街並みを再現した空間には、人形も展示されており、当時の空気感が漂う。食堂街にある大衆食堂では中華そばやハヤシライスといった懐かしい味を楽しむことができる。
広島県福山市藤江町638-1
TEL:084-988-0001
入園料:1000円(みろくの里)
休園日:火水曜
開園時間:10:00~17:00
※休園日・開園時間は変更になる可能性あり
https://www.mirokunosato.com
飛騨高山レトロミュージアム(岐阜県)
「懐かしい木造校舎で給食体験もできる」
昭和20年~50年代街並みを再現している。診療所や床屋のブースでは、当時使用されていた珍しい品々を展示し細かい部分まで再現。その中でも小学校のブースで体験できる、木造の教室の中で食べる学校給食がお勧め。
岐阜県高山市神明町4-7
TEL:0577-70-8384
入館料:700円
休館日:元日
開館時間:10:00~16:00
http://retromuseum.jp
昭和ロマン蔵(大分県)
「“昭和の町”豊後高田の名物スポット」
大分県豊後の財閥が昭和10年(1935)前後に米蔵として建てた旧高田農業倉庫を改修。昭和の貴重な品々を展示し、当時の民家や商店を再現した「昭和の夢町三丁目館」のほかに、6万点の玩具が展示される博物館も必見。
大分県豊後高田市新町989-1
TEL:0978-23-1860
入館料:640円(駄菓子屋の夢博物館と昭和の夢町三丁目館のみ)
休館日:12月30、31日
開館時間:10:00~16:00(土日祝9:00~17:00)
https://showanomachi.com/special/roman.html
昭和日常博物館(愛知県)
「モノを通じて暮らしの変化を発見」
13万点を超える収蔵品から常時1万点以上の資料を展示している。当時の街並みの再現やホーロー看板コレクション、自動車とオートバイなど、モノを通して暮らしの変化を学べる。年3回、特別展・企画展も開催している。
愛知県北名古屋市熊之庄御榊53
TEL:0568-25-3600
入館料:無料
休館日:月曜、月末日(祝日の場合は翌平日)、特別整理期間、年末年始
開館時間:9:00~17:00(受付時間は16:40まで)
https://www.city.kitanagoya.lg.jp/rekimin/
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