日本の年末年始と言えば、年越しそばで新年を迎え、正月には自宅でおせちを食べるのが一般的である。そのほか大掃除やお年玉、初詣などのイベントがあり、なかには酒を浴びるように飲む人もいるだろう。
では、海外の年明けはどのような過ごし方が一般的なのだろうか?「日本のようにしんみりと過ごすのかな?」などと、一度は疑問に思ったことがあるはずだ。
そこで今回は、アメリカ・中国・韓国・フランス・イタリアにおける、年明けの過ごし方をそれぞれ紹介する。日本の過ごし方と比較してみてほしい。
■アメリカの年明け|盛大なカウントダウンで祝う

アメリカの年明けはカウントダウンを盛大に行い、新年をお祭りのような雰囲気で祝う。日本とは違いアメリカは広大な面積があり、地域によって時間が大きくズレるため、合計6回のカウントダウンが実施される。最も有名なカウントダウンは、ニューヨークのタイムズスクエアで行われるイベントだ。
カウントダウン後は打ち上げ花火やライブなどを、友人や恋人と朝まで楽しむのが一般的だとされる。しかし、アメリカは30日・31日が公休ではないため、どちらかと言えば11月下旬のサンクスギビング(感謝祭)から、12月のクリスマスまでのほうが大いに盛り上がる。
■中国の年明け|旧正月の「春節」に正月を祝う
中国では旧暦に基づいて正月を祝うため、大晦日や年明けがそれほど重要視されていない。中国の正月(旧正月)は「春節(しゅんせつ)」と呼ばれ、日にちは1月下旬から2月中旬の間で毎年変動する。近年の春節の日にちは以下の通りだ。
- 2020年:1月25日
- 2021年:2月12日
- 2022年:2月1日
- 2023年:1月22日
- 2024年:2月10日
2023年の春節は1月22日であり、1月21日から1月27日までの7日間が休日となる。この1週間の休みに海外旅行へ出掛けたり、家族と一緒に正月を祝ったりする。なお、中国では正月に餃子を食べることが多い。
■韓国の年明け|旧正月の「ソルラル」に正月を祝う
韓国の年明けも中国と同じく、旧暦の正月である「ソルラル」に祝う風習がある。ただし大晦日から年明けにかけて、まったく盛り上がらないというわけではなく、町中が人であふれる程度にはヒートアップする。
だが韓国における正月の本番は「ソルラル」であり、中国と同じく旧正月の前後が連休になる場合が多く、その連休に親族同士で挨拶回りをしたり、日本で言うお雑煮の「トックッ」を食べたりする。
祭壇に20種類ほどの食べ物を供え、先祖の霊を迎え入れる「茶礼(チャレ)」という儀式をするのも有名だ。
■フランスの年明け|「ガレット・デ・ロワ」を食べて祝う
フランスの年明けは、大晦日の夜から年明けにかけてお祭りのように盛り上がる。最も大きなイベントとしては、首都パリのシャンゼリゼ通りを歩行者天国にして行われるカウントダウンイベントが挙げられる。
カウントダウン後には、家族と一緒に豪華な食事を楽しんだり、高級なシャンパンで盛大に祝ったりなど、フランス人らしい過ごし方をする。またフランスの正月には、伝統菓子である「ガレット・デ・ロワ」を食べて過ごすのが特徴的。
なお、この「ガレット・デ・ロワ」を切り分ける際に、「フェーブ」と呼ばれる小さな人形がなかに入っていたら、その人は1年を幸せに過ごせるという言い伝えがある。
■イタリアの年明け|まさにパーティー、みんなで大騒ぎ
イタリア人はもともと陽気でお祭り好きの人が多いので、年末年始は大騒ぎして過ごすのが一般的。大規模なパーティーを開催し、家族や友人、恋人と食べたり飲んだりして盛り上がる。
イタリアにおける正月の定番料理は、豚肉のソーセージ「コテキーノ」とレンズ豆だ。イタリアでは、茹でたレンズ豆を食べるほどお金持ちになると言われている。
またイタリアのナポリでは、「新年を迎えるときに古いものは持ち越さない」という考え方が定着しており、カウントダウンがゼロになると皆が家具などを外に放り投げるため、年が明けると町中にゴミや家具が溢れかえってしまう。
■まとめ
今回は、アメリカ・中国・韓国・フランス・イタリアの年明けの様子を紹介した。
自宅でゆったりとする日本の過ごし方とは異なり、海外の多くの国ではお祭りやパーティーを繰り広げる。海外の年明けの過ごし方を真似してほしい、とまでは言わないが、良い部分を見つけたらぜひ取り入れてみてほしい。
楽しんでいただけただろうか。今後も「男の隠れ家デジタル」らしい切り口で情報を紹介していきたいと思う。
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