OpenAIが開発した「Chat GPT」の登場により、大手IT企業はAIの開発を急ピッチで進めている。特に顕著なのが、AmazonやAdobe、Googleなどのアメリカ企業だ。
そこで今回は、大手IT企業が発表した最新のAIサービスを3つ紹介する。AIに興味がある人は、ぜひ本記事を最後まで読んでみてほしい。
■Amazon:「Amazon Bedrock」
米Amazonは4月13日、クラウドサービスAWSを通じて、文章や画像を作り出す生成AIの技術を提供すると発表した。AI新サービスの名は「Amazon Bedrock」である。
このサービスは一般向けに提供するのではなく、ビジネス向けの一部ユーザーのみにアプローチするようだ。つまり、Chat GPTのような一般向けサービスとは用途が差別化される。
また、米Amazonは13日に、独自の大型言語モデルを2つ発表した。1つは「Titan」と呼ばれる言語モデルで、コンテンツの要約や文章の下書き、質疑応答などに対応するため、膨大な量のテキストを学習させたようだ。
1つはテキスト作成用で、もう1つはウェブ検索の最適化などに活用されるとのこと。AWSの担当者であるスワミ・シバスブラマニアン氏は「Amazonはこの分野に長期にわたり取り組んできた」と説明している。詳しい機能性については、まだ公表されていない。
■Adobe:「Adobe Firefly」
世界最高峰のクリエイティブアプリ・サービスとして世界的に利用されているAdobeは、3月に創造性と生産性を進化させたAIサービス「Adobe Firefly」を発表した。このAIサービスは、画像やテキストエフェクトの生成が感覚的に行えるというものだ。
3月にAdobe公式が投稿したYouTube動画「Adobe Firefly: Family of New Creative Generative AI Models」にて、操作性や機能性が簡単に紹介されている。サービスの概要については、この動画を視聴したほうが理解できるだろう。
現在はベータ版として提供されており、今後はAdobeのクラウドサービスに直接搭載され、より感覚的にコンテンツの作成や修正を行えるようになるとのこと。
本サービスは創作活動に大きな影響を与えると予想されているため、企業やクリエイターたちは今後の本リリースに注目している。
■イーロン・マスク:「Truth GPT」
大手IT企業ではないが、起業家であるイーロン・マスク氏は新しいAI「Truth GPT(トゥルース ジーピーティー)」の開発表明を行った。米FoxNewsが現地時間4月17日に公表した、イーロン・マスク氏へのインタビュー映像で判明した。
Truth GPTについて、「宇宙の本質を理解しようとする真実を追求するAI」になるとして、人類の安全にとって最善の道になると説明している。4月24日時点では、Truth GPTの詳しい情報はまだ公表されていないが、これから急ピッチで開発が進められることだろう。
ただ、イーロン・マスク氏は以前に、「AIシステムの開発を最低6ヶ月間停止すべきだ」という呼びかけに署名・同意している。また、AIが「文明の破壊」の潜在的な力を持っていると指摘するなど、同氏はAI開発に対して否定的であった。
それなのに、今回新たなAIの開発を表明したことで、「少し前まで反対していたのになぜ?」といった批判が一部寄せられている。
■まとめ
今回は、アメリカの大手IT企業が発表したAIサービスについて紹介した。AIサービスの開発が加速していることは理解できただろうか。
今回紹介したAmazonやAdobe、イーロン・マスク氏のほか、GoogleやMicrosoftもAIの開発を積極的に進めている。AIの開発を一時的に停止するよう呼びかける活動もあったが、恐らくこの流れを止めることはできない。
楽しんでいただけただろうか。今後も「男の隠れ家デジタル」らしい切り口で情報を紹介していきたいと思う。
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