82417「蕎麦と山城の旅」関東平野の際で出会った曇りなき一杯|APIOジムニーで行く 日本美味探訪Vol.01

「蕎麦と山城の旅」関東平野の際で出会った曇りなき一杯|APIOジムニーで行く 日本美味探訪Vol.01

男の隠れ家編集部
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目次

素晴らしい走破性と個性的なフォルムが魅力の、アピオジムニーで山城と絶品蕎麦を巡る旅の第三弾。まずは関東平野の突き当たり、栃木県足利市へ向かった。

シエラのパワーそのままに軽快な走りを手にしたモデル

■今回の旅の相棒「アピオ・ナローシエラ」

街中からダートまで魅力的な走りを実現したモデル(取材協力:APIO

アピオジムニーを駆って、美味い蕎麦と堅牢な山城に出会いに行く美食探訪が、3号ぶりに再登場。サードシーズンの記念すべき1回目は、関東平野の際に位置する栃木県足利市を目的地とした。この地まで山はほとんどないが、この先の北関東から東北にかけ、連綿と山が連なる。

ここは美味い蕎麦はもちろん、アピオジムニーの実力をいかんなく発揮できるフィールドも存分に味わえる環境といえる。

そして今回の相棒「アピオ・ナローシエラ(正式名称JB74ナロースタイル)」は、シエラの機動系をキープしつつ、軽ジムニーのサイズ感を実現した、日本の道にジャストフィットなモデルだ。

十分なヘッドクリアランスが確保されているので、カーゴネットで室内空間を立体的に活用。
足利の市街地には昭和レトロな景色が点在。銭湯や織物工場跡、喫茶店など。中でも1977年から1999年まで営業していた映画館が残された「劇場通り」は郷愁をそそられる。

足利市内には、昭和レトロな雰囲気を今も残しているスポットが点在しており、閉館した映画館が今も残る「劇場通り」もその一つ。

街中のこうした場所は、狭い道を抜けていく場合が多い。だが幅の狭いオリジナルのオーバーフェンダーを付けたナロースタイルは、そんな道でもストレスなく走行できる。

そして関東平野のドンつきだけあり、アピオジムニーの走りを存分に楽しめるダートも発見。15インチから16インチに変更されたホイールのおかげで、どんな道でもクリアランスは十分確保できる。

シルエットがシェイプされただけでなく、足回りの軽量化も実現したため、ダート走行も十分に堪能できた。

そして日光連山の南端に位置する足利市は、市街地からそのままアクセスできる低山がたくさんある“ハイキングの聖地”だ。

そのひとつに、1300年の歴史と伝統を誇る足利織物の守護神が祀られている足利織姫神社から、尾根続きで登れる標高251mの山がある。

両崖山と呼ばれ、山頂付近から関東平野一望の絶景が楽しめる。しかも山頂周辺は、足利城の本丸跡でもあるのだ。

この城は天喜2年(1054)、足利氏初代の成行が築城したと伝えられている。永正9年(1512)以降は、長尾氏が支配した。

この城を巡り享徳4年(1455)、永禄7年(1564)、天正12年(1584)、天正18年(1590)の4度、大きな合戦が起きた。最後は豊臣秀吉の小田原征伐の時で、北条方として豊臣軍を迎え撃っている。

標高はさほどではないが、途中には岩場や急勾配の道もあるので、足元はトレッキングシューズで固めておきたい。暑い季節はかなり苦労するが、途中から望める関東平野の絶景が最高のご褒美。ただ城跡とわかる遺構は、残念ながら不明瞭だ。

■険しい両崖山の頂付近に築かれた眺望抜群の城

足利城

足利城は平安時代後期に、両崖山の山頂付近に築城された山城。足利市民にとっては、手軽なハイキング、トレーニングスポットとして親しまれている。

ポピュラーなコースは織姫神社の裏手から伸びる登山道をたどるもの。ほぼ1本道なので迷う心配はない。ただ途中には険しくはないが、岩場が何カ所か出てくるので、足元はしっかりとした靴を履いておきたい。

途中、足利市内から遥か東京方面まで、関東平野が一望できる素晴らしい景観を楽しむことができる。山頂付近には地面を平らに削り、曲輪とした跡や空堀らしい跡があるが、城跡を意識させてくれるほどの遺構は見当たらない。

城郭構造/山城
築城主/足利成行
築城年/天喜2年(1054)
廃城年/16世紀末頃
遺構/曲輪 堀切 腰曲輪

神業のように美しい生一本軽やかな喉越しと甘みを堪能

「更科粉のみを使った十割蕎麦“生一本”とは、純粋で混じり気のない蕎麦のことを指しています。更科は粘り気が少なくて繋がりにくいため、打つのが難しい蕎麦。そのため、幻の蕎麦とまで言われていました」

織姫神社参道の中腹に店を構える「蕎遊庵」の店主・根本忠明さんは、蕎聖と謳われた「一茶庵」の創始者である片倉康雄氏の最晩年に知遇を得た。そして片倉氏の薫陶を受けたことから、最後の弟子と呼ばれる。

そんな根本さんがこだわるのが、更科粉をつなぎなしで打った、白く透き通るように美しい「さらしな生一本」だ。

しかも麺体の太さは0.5㎜以下という、芸術的と表現したくなる細さ。一寸に畳んだ生地を23本に切るのが江戸時代からの蕎麦職人の定法とされるが、これは60本に切っている、まさに神業である。

「更科は淡白で香りは濃くないですが、独特の甘みが広がるはずです」

手繰ってみると、なるほど軽やかな喉ごしだが口中に甘みが残る。それを角がまったく無い出汁が、際立たせてくれる。これは鰹節から水出しで抽出したもの。時間はかかるが、余分な脂が溶け出さないため、純粋な旨味だけが抽出される。

足利氏発祥の地でもあり、市内には歴史や文化にまつわる遺産が点在している。蕎麦で腹ごしらえが終わった後は、まずは日本最古の学校である「足利学校」に足を向けた。

創建の時期については諸説あるが、室町中期に関東管領の上杉憲実が、現在は国宝の書籍を寄進。鎌倉円覚寺から快元を招き、学校を再興した後からは明らかになっている。

足利学校の近くには、元は足利氏の館が置かれていた真言宗大日派の本山「鑁阿寺」がある。ここは寺でありながら、周囲に土塁と堀が巡らされていて、鎌倉時代の武家屋敷の面影を見ることができる。

最後に足利土産を買うため、伝統的な手仕事で造られた美しい味のワインが魅力の、「ココ・ファーム・ワイナリー」へと足を運んだ。ここでは100%日本の葡萄を使った、正真正銘の日本ワインが購入できる。

■究極の更科蕎麦を追求し完成した細く透明感あふれる一杯

蕎遊庵

根本さんの更科生一本へのこだわりはとても強く、素晴らしい延ばしを実現してくれるオリジナルの延し棒も考案した。通常のものは表面がツルツルだが、それはエンボス加工が施されたようになっている。

そして打たれた名物の「さらしな生一本」が上の写真(800円)。素麺のような細くて白い美しい十割蕎麦だ。珈琲店を経営していたことから、水出しの素晴らしさを熟知。鰹節から時間をかけ出汁を抽出している。

栃木県足利市西宮町2549
TEL/0284-21-6818
営業時間/11:00~13:30(蕎麦がなくなり次第終了)14:30〜蕎麦打ち教室
定休日/火曜

■ひたむきに生きる農夫が育む“風光明媚”なワイン

ココ・ファーム・ワイナリー

このワイナリーの始まりは1958年。計算や読み書きが苦手な子らとその担任教師が、平均斜度38度という急斜面の山を切り拓き、葡萄の苗木を植えた。

1969年には知的障害を持つ子らのための「こころみ学園」ができ、1984年に山の麓の葡萄小屋という小さな建物で、ワインが誕生。

取締役の池上峻さんオススメはスパークリングワイン「2019のぼドゥミセック」(8000円)。ノンアルコールのワインも想像以上に美味しい!

栃木県足利市田島町611
TEL/0284-42-1194
営業時間/10:00~18:00(ワインショップ)
定休日/12月31日~1月2日、1月第3月曜~金曜までの5日間、11月の収穫祭前日

■堀と土塁に囲まれ武将館の面影を残す寺院

足利氏館(鑁阿寺)

鑁阿寺の境内は約4万㎢という広大な敷地を誇る。本堂は国宝、一切経堂は国の重要文化財に指定されている。周囲には水堀が巡らされていて、東西南北に門を構えている。

開館時間/9:00~16:00
城郭構造/連郭式山城
築城主/源(足利)義康
築城年/12世紀半ば
廃城年/建久7年(1196)に鑁阿寺前身の持仏堂などが建立される
遺構/曲輪 土塁 水堀 

■日本最古の学校は戦国期に世界に紹介

足利学校

1549年、足利学校はフランシスコ=ザビエルにより「日本国中最も大にして最も有名な坂東の大学」と、世界に紹介された。

栃木県足利市昌平町2338
TEL/0284-41-2655
営業時間/9:00~17:00(4~9月)、9:00~16:30(10~3月)
定休日/第3水曜(11月は第2水曜、祝日の場合は翌日)12月29日~31日
参観料/420円

■足利の町を扼す要害は初山祭の会場となる

富士山城

富士山城跡でもある「足利富士浅間山」では、乳児の無病息災を祈願し御朱印を額に押す「ペタンコまつり」が行われる。

城郭構造/山城
築城主/岡田長親
築城年/16世紀半ば
廃城年/天正18年(1590)
遺構/曲輪 土塁 虎口

掲載情報は2023年7月現在のものです。商品、宿泊や入館などの料金、ならびに営業時間、定休日などはHPもしくは各所へ直接お問い合わせください。

【著者プロフィール】
城と蕎麦に魅せられた雑文家
野田伊豆守 IZUNOKAMI NODA

還暦を過ぎても頑張るフリーライター・フリー編集者。歴史、旅行、鉄道、アウトドアなどの分野を中心に雑誌、書籍で活躍。主な著書に、『語り継ぎたい戦争の真実 太平洋戦争のすべて』(サンエイ新書)、『旧街道を歩く』(交通新聞社)など多数。

文/野田伊豆守 撮影/金盛正樹 取材協力/アピオ株式会社

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