97959日本の地酒が韓国の若者の間で人気爆発!?アジア最大級の日本酒イベント『SEOUL SAKE FESTIVAL 2024』にきき酒師の漫才師にほんしゅが潜入レポート!

日本の地酒が韓国の若者の間で人気爆発!?アジア最大級の日本酒イベント『SEOUL SAKE FESTIVAL 2024』にきき酒師の漫才師にほんしゅが潜入レポート!

にほんしゅ(あさやん、北井一彰)
にほんしゅ(あさやん、北井一彰)
日本のお隣韓国で日本の地酒である日本酒・本格焼酎・泡盛の人気が高まり続けています!2024年5月25日、26日にソウル特別市江南区のソウル貿易展示コンベンションセンター(SETEC)にて、アジア最大級の日本酒イベント「SEOUL SAKE FESTIVAL 2024」が開催されました。
目次

「SEOUL SAKE FESTIVAL」は今回で5回目の開催。韓国で日本酒を輸入する会社が集まって結成した「韓国地酒輸入業協会中央会」が主催で、昨年を上回る来場者数は2日間で6000人近く! 会場は熱気に包まれました。 SNSで情報をキャッチする20〜30代の韓国の若い世代は、日本のアニメやエンタメ、食を楽しむように日本の地酒にも大注目。会場の熱気に今回初出展の酒蔵の皆さんも驚きを隠せません。

会場となった「ソウル貿易展示コンベンションセンター(SETEC)」

会場では日本全国から約130の蔵元がおよそ700種類にも上る日本酒や本格焼酎、泡盛を出品し、熱心な地酒ファンと交流しました。

韓国では日本酒や本格焼酎は高級品。日本では美味しい純米酒の4合瓶が1,500円もあれば買えますが、同じ純米酒を韓国で買おうすると5,000円という世界。そんな中「SEOUL SAKE FESTIVAL 2024」では、1日券が30,000ウォン(約3,400円)。この価格で日本のお酒が思う存分試飲できるとあって若い世代を中心に大人気のイベントです。

また、普段はお酒を売る同業者でライバル関係にあるとも言える輸入業者同士が手を組み「若い世代に飲む機会を作って日本の地酒のファンを増やしたい!」ということで開催されているのですが、こうしたイベントも珍しいですね!

昨年に続き参加する漫才師にほんしゅがイベントの盛り上がりを徹底レポート。日本のお酒はマシッソヨー!

日本の地酒を求めて会場を埋め尽くす人!人!人!しかも平均年齢が若いです!

日本の食や酒に興味のあるSNS世代の韓国の若者が急増!日本酒!本格焼酎!泡盛!試飲の嵐が吹き荒れる!

入場を待つ人の多さもすごいことに!

2日間で6000人近くの来場者が訪れ、年々高まる韓国での日本の地酒熱を実感しました! 会場内では数多くのお酒の試飲ができるのはもちろん、気に入った銘柄をボトル購入ができるのも好評です。さらにはステージも設置され、セミナーやトークショー、エンタメなどで日本の文化を知りながら飲める最高のイベントとなりました!

名だたる酒蔵のブースを思う存分回る参加者。日本酒・本格焼酎・泡盛が同日に味わえるこの規模のイベントは日本国内でも探すのは難しい
専門的な質問をする熱心なファンもいれば「なんだか楽しそう!」という感じで来た若い参加者も多数!日本語通訳の方が各酒蔵のブースを専属で担当するため、コミュニケーションも問題ありません
「磯自慢」など日本でも非常に人気の高い銘柄も試飲ができる!
芋焼酎の「七窪」も人気。韓国焼酎「ソジュ」に親しむ韓国の皆さんにとって本格焼酎・泡盛は似て非なる酒ですね!
会場内ではお好み焼きやラーメン、おでん、チーズなどフードもあり、こちらも大盛況でした

ステージも盛況!お酒セミナーやエンタメで日本のカルチャーを知りながら飲める!

主催の「韓国地酒輸入業協会中央会」の代表らの鏡開きでステージプログラムも盛大にスタート!

開会式やセミナー、漫才などのステージの盛り上がりも素晴らしく、全てのステージプログラムを楽しんだ参加者も! お酒の知識や日本の文化を伝える役目も果たすイベントです。

開会式の司会やトークショーで会場を盛り上げられた日本酒に精通するフリーアナウンサー・近藤淳子さん(写真中央)と2023 Miss SAKEグランプリの山田琴子さん(写真左)、2023 Miss SAKE準グランプリの齋藤ひかりさん(写真右)。艶やかな和装が素敵です!
日本酒や本格焼酎の基礎がわかるセミナーもあり、参加者は熱心に聴き入った
きき酒師の漫才師「にほんしゅ」はお酒をテーマにした漫才をオール韓国語で披露! これ以上ない緊張でしたが参加者の皆さんは笑顔で聴いてくれました!

「このイベントが楽しみで仕方ない!」熱気あふれる会場で参加者にインタビュー!

インタビューに答えてくれた21歳の大学生のお二人。日本語も堪能です。日本のエンタメや旅行を楽しむように日本の地酒に親しむ若者が本当に多いです!

参加した酒蔵の皆さんが一様に口にする「お客さんが若い!」という感想通り、会場内では若い参加者が目立ちます。参加者にインタビューをするといろんな声が聞こえてきました!

・21歳の女子大学生2人組

「初めて参加しました! 20銘柄以上の日本酒を試飲しましたがどれも美味しかったです! 特にお気に入りのお酒もありますが、スマホで写真を見返さなければわかりません!笑」

「梅酒やゆず酒がとても美味しいです。友達も日本のリキュール好きが多いですよ! 来年も開催されたら絶対来ます!」

・薬剤師仲間で15人の日本酒サークルを作る30代男性

「元々あまりお酒は飲まなかったけど、去年参加してみて、日本の焼酎の美味しさに驚いて今年も友達と参加しました。韓国のソジュもいいけど、日本の焼酎は仕事終わりに飲むと『美味しさと楽しみ』を同時に与えてくれるのが素晴らしい」

・ソウル在住12年の日本人女性

「2016年の初回から楽しみに参加しているが、初回はまだまだ日本酒が韓国に浸透していなかった。でも回を追うごとに参加者が増えてすごい盛り上がりになっていますね! 広島県出身なのですが、日本にいるときに地元の日本酒は飲むことがあっても東北の日本酒を飲むことがなかったので、ソウルで全国のお酒が飲めるのはとても嬉しいです」

いやぁ、嬉しい! 嬉しさ大吟醸! 日本の地酒大好き人間としてたくさんの素晴らしい感想が聞けました! インタビューに答えてくれる皆さんの弾むような声が『SEOUL SAKE FESTIVAL』の盛り上がりを感じさせてくれます。

ソウル在住12年という日本人女性は日本語に変換した自作の酒蔵ブースマップを持参するという気合いの入れよう!

「この熱気を日本にも!」驚きや嬉しさに溢れる参加酒蔵さんの声!

2016年の第1回から連続で参加される酒蔵さんもいらっしゃれば、今回初参加の酒蔵さんも! 年々熱気が増す韓国市場への期待やイベントの感想も色々とお聞きしました!

日本酒「龍力」(兵庫県)の木村元紀さん

「酒米の王様と言われる山田錦にこだわる酒蔵なのですが、酒米や精米歩合などにまで詳しいお客様はまだまだ少数派かなと思います。その分いろんなお酒をフラットに楽しんでくださる方が多いので説明するのも楽しいです」

芋焼酎ベースの「五代梅酒」を韓国に輸出されている山元酒造(鹿児島)の五百路満州男(いほじますお)さん(写真左)

「今年初参加なのですが、とにかく会場の熱気に圧倒されました。こんなに若いお客さんが多いとは。今回梅酒を持って来たのですが、味はとても好反応で嬉しいですし、パッケージをもっと若い世代向けに変更した方がいいかなとアイデアが湧きました」

日本酒「貴」(山口県)の永山貴博さん

「2017年から参加してますが、台湾同様若いファンが多くて嬉しい。お酒に対してSNSでの情報チェック力がすごいです。そしてこういうイベントが会場でのボトル販売や飲食店などでの需要にもしっかり繋がり、結果が伴っているのが素晴らしいです。これはもう単なるトレンドじゃないと思います」

「韓国での日本酒の未来は明るい」イベントを主催する輸入業者の皆さんの思い

この「SEOUL SAKE FESTIVAL」は2016年にスタートし、韓国での日本の地酒ファンを増やす上で重要な役割を担って来ました。本来ライバル関係にある輸入業者同士が「まずは協力してファンの数を増やそう!」という思いで手を組み、年々着実にファンを増やし、韓国での市場を拡大させてきました。そんな輸入業者の皆さんにもインタビューを決行!

輸入業者「一路」のキム・サンワン専務

「今年もたくさんのお客さまにお越しいただけました。昨年は行列の人数がブースごとにムラがありましたが、今年は満遍なく各ブースに行列ができている印象です。酒蔵の皆さんも代替りが進んで若い蔵元さんがソウルに来ることも増え、韓国の若いお客さんとも良いコミュニケーションが取れているんじゃないかと思います。年々お客さまがお酒に詳しくなってきているので自社のスタッフのトレーニングも頑張らなければいけないと気合いが入ります」

輸入業者「日本酒コリア」のヤン・ビョンソク社長

「韓国で日本酒を売り始めて24年経ちますが、最初は飲食店さんに営業に行っても『いらないよ?そんな高いお酒誰が飲むの?』と言われ続けました。日本食のレストランでも日本酒ではなくウイスキーが飲まれていたんです。それでも10年以上頑張った結果、居酒屋ブームが来るなどして口コミで徐々に日本酒が広まっていきました。それは何より日本の地酒の味が美味しくて洗練されているからだと思います」

輸入業者「CR TRADING」のキム・ジェウク社長

「とにかく日本酒の認知度を高めよう、と輸入業者同士が手を組んで自腹でやっていた初期は苦労しましたが、イベントを継続した結果『こんなに美味しいならちょっと高いけど買いたい』というお客さんがずいぶん増えました。今後のイベントは来場者1万人超えを目指します」

輸入業者「熊谷酒類」の熊谷謙社長(写真中央)

「フレッシュでフルーティな日本酒はもちろんのこと、旨味がありじっくり楽しめる食中酒的な日本酒も人気があります。有名銘柄の人気は継続していますが、味わいやデザインで選ぶファンが増え、新規の酒蔵さんもフラットな勝負ができると思います。日本酒のみならず本格焼酎・泡盛の参加蔵も年々増え、人気・認知度が高まっているのを感じます。お酒の試飲や販売はもちろん盛り上がるのですが、単に飲むだけではなくて、日本の文化を伝えるセミナーステージもアナウンサーの近藤淳子さんに司会をお願いするなど、プロに務めてもらうことで大変充実しています。ですが、まだまだ手探りで、毎回改善の余地を感じます。次の開催ではさらにパワーアップした意義のあるイベントになるよう努力します!」

お酒の美味しさはもちろんのこと、各輸入業者さんの努力があってこそ、これだけの日本の地酒ファンを生み出すビッグイベントになってるんですね! 皆さんの熱い気持ちに大燗謝!

まとめ。単なるトレンドではない!韓国での日本の地酒の未来は大吟醸!

来年は更なる熱気に包まれるであろう「SEOUL SAKE FESTIVAL」

「日本のお酒をまず一度若い人に飲んでもらいたい」と2016年に始まった「SEOUL SAKE FESTIVAL」の勢いは年々増すばかり。我々にほんしゅは4度目の参加でしたが、昨年より成熟したファンも増え、またワクワクで初参加する若者も増え、という理想的な流れを感じました! 熱心に日本の地酒を飲んでくれる韓国の皆さん、カムサハムニダー!

韓国での日本のお酒の未来はまさに……大吟醸!!

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にほんしゅ(あさやん、北井一彰)
にほんしゅ(あさやん、北井一彰)

世界で唯一⁉のきき酒師漫才師「にほんしゅ」。酒漫才披露や司会、セミナー講師、テレビやラジオ、雑誌やWEBなどの各種メディア出演等全国の日本酒にまつわるイベントや日本酒セミナーを開催するなど日々奮闘している。日本酒を学び探究する真摯な姿勢から、全国の酒蔵、酒造組合からの信頼は厚い。

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