101647新感覚のペアリングを愉しむ「日本酒レストラン」

新感覚のペアリングを愉しむ「日本酒レストラン」

男の隠れ家編集部
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日本酒は日本の酒。だから合わせる料理は日本料理が鉄則? それも一つの真実。だが日本料理同様に日本酒の世界は広い。世界の料理と日本酒のコラボを堪能しよう。

(※その他の写真は【関連画像】を参照)

■日本酒との絶妙なマリアージュ

春は苦味、夏は酸味、秋は辛味に冬は脂と合点して食え──(『養生訓』)。

日本酒は弥生時代より、二千年の文化の中で培われた酒である。だから日本酒に合わせるのは「日本料理」。刺身はもとより焼き魚に冷奴、野菜の煮しめ、あるいはぬか漬けに乾き物など、“素材”と“旬”を楽しむ日本料理とともに日本酒がある──それは確かに真実だ。だが、日本酒の世界は日本料理に収まらないほど広汎だ。

米を麹菌で発酵させて作ったアルコール飲料。平たくいえばそれが日本酒だが、米の品種、米のとぎ具合、仕込み水の水質、蔵人の手腕、それらの相乗効果で、あるいは瓶に詰められた酒をそのまま注ぐか、冷やすか、温めるか。

工夫によって味わいは無限大に変化する。料理との食べ合わせによって、互いを引き立て合い、料理の味わいを広げ、素材のクセを洗い流して調和させる。そして、新たに極上の滋味が生まれる。

その相乗効果を、ワイン業界の言葉で「マリアージュ」という。マリアージュとは、フランス語で「結婚」を意味する。たとえ美男美女のカップルでも、どこか「玉にキズ」があることだろう。だが両者が結ばれることで至らない部分を補い合い、幸せという相乗効果が生まれる。それは、ワインに留まらない。日本酒の世界にも、マリアージュがある。

マリアージュ以前に、酒の性質を見極め相性の良い料理を組み合わせることを「ペアリング」という。酸味の強い酒なら肉料理。逆に甘口の酒なら酢味の利いた料理といった具合だ。

日本人の主食であるご飯。世界各国の料理に合うご飯も、もとは「米」。米から醸された日本酒がさまざまな料理に合うのは、理屈からいえば道理かもしれない。

日本酒の世界は千差万別にして深遠、本醸造に純米、吟醸に山廃仕込みと、それぞれの酒にふさわしい料理の相性がある。相性の良い酒と料理をともにあるいは交互に口に含めば新たな味わいが生まれる。これこそが日本酒のマリアージュ。塩辛や刺身に天ぷらではない、世界の料理と日本酒の相乗効果だ。

今回は都内で、「世界の料理と日本酒のマリアージュ」を楽しめるお店を紹介したい。オーナーはみな、日本酒の魅力に惚れ込み、酒蔵を訪ね、料理を作り上げては似合いの酒を吟味し、温度や器をも勘案したうえで披露する。中国料理にイタリア料理、スペイン料理、それぞれの新たな魅力を堪能しよう。

■中国・四川省の山椒で本場の味「coQere」(西小山)[日本酒 × 中国料理]

店名の「コクエレ」とはラテン語で「調理」を意味する言葉、「クッキング」や「キュイジーヌ」の語源でもある。「コクエレ」は料理の原点ともいえる言葉だ。

「料理の世界に入った時から、いずれ開く店の名を『コクエレ』に決めていました。別の店に名前を取られないように、いつもネットをチェックしてましたね」と店主の柘植(つげ)和志さんは語る。

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■“はしご酒”の街で地中海の恵みを「Firenze Sake」(三軒茶屋)[日本酒 × イタリア料理]

三軒茶屋は渋谷から東急田園都市線の急行で一駅。「たった一駅」ながら、表通りから一歩入れば街路は昭和の雰囲気が残る街だ。車一台通るのがやっとの通り沿いには小さな飲み屋が軒を連ねる。

「はしご酒ができるのが、三軒茶屋の魅力ですね。私自身も生まれは世田谷に近く、だからこそ、この街に店を開きました」。マスターの熊谷貢さんはそう語る。

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■“素材”と“季節”の味を楽しむ「和酒バル KIRAZ」(目黒)[日本酒 × スペイン料理]

店名の「KIRAZ」とは大豆の搾りかすで健康素材の「おから」のこと。スペルをあえてZで終えたのは、「アルファベットを最後で統括する」との想いから。照明を抑えた静謐な店内で提供されるのは創作スペイン料理。

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取材・文/角田陽一 撮影/本田織恵

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