103904雑誌「男の隠れ家」編集部が選んだいいもの。挑み続ける和との調和、豊岡かばんの原点

雑誌「男の隠れ家」編集部が選んだいいもの。挑み続ける和との調和、豊岡かばんの原点

男の隠れ家編集部
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■1200年以上の年月 日本人の思い出を守って─

●たくみ工芸(兵庫県)× 柳行李

(※その他の写真は【関連画像】を参照)

※この記事は2024年12月号に掲載されたものです。

ひと昔前には、どこの家庭でも洋服や本などの荷物を収納・運搬するのに重宝されてきた「柳行李」。忘れ難き伝統技術を現代でも味わえないものか。

「柳行李トランク」はこれまでの柳行李の特徴を残しつつも現代人に扱いやすくアップグレードした旅行鞄である。

そのデザイン性は明治33年(1900)パリ万博で世界中の人々を魅了した。

鞄の角やとくにテンションのかかる箇所には牛革を使用。より強度を加え、デザイン面でアクセントにもなっている。収納は最低限に抑え、使う人それぞれが自由に使用することができる。

そして、最大の特徴は先人たちが柳を行李として用いてきた理由に尽きる。落としてしまった場合でもその柔軟性で壊れにくく、軽い。

また湿気や虫にも強いという長所も。昔は着物や紙、薬など、湿気や虫に弱い大切なものはなんでも柳行李に保管していた。

芽が出たら「金子箸(かねこばし)」という二股になった鉄棒に通して皮を剥ぐ。剥ぎ終えると天日で乾燥。白く輝く、「白柳(しろ)」ができる。
「たくみ工芸」では「柳行李」の材料となるコリヤナギの栽培から行う。冬前に刈り取り、束ねて冬越え、3月初旬に皮を剥ぎやすくするために仮差しをして芽を出させる。

「豊岡かばん」の原点である柳行李は日本の伝統工芸品だ。東大寺・正倉院には、奈良時代に作られた「但馬国産柳箱」が所蔵されている。

江戸時代には豊岡藩の奨励によって「豊岡の柳行李」が日本全国へ。参勤交代や商人などの旅行道具として使用されてきた。

しかし昭和になるとファイバーや合皮素材の開発・普及により柳行李の需要は衰退。今では1200年以上もの歴史・伝統の技法を受け継ぐ職人は「たくみ工芸」の伝統工芸士・寺内卓巳さんただ一人となった。

編みの作業。水に浸して柔らかくした「白柳」を、基礎となる弓糸に交互に差し込む。抑え木の上に乗り、体重で押さえながら指で上下左右に分けて麻糸を通して編む。天候や麻糸の張り具合、一本一本の柳の個性を見極めながら行う。

柳行李の良さは現代でも変わらない。だが、素材となるコリヤナギの栽培から選別、編みや縫いの作業、縁の処理まで、すべてを手作業で行い、一つ作るのに数カ月。

かつては必需品であったものが高級品となった。現在は寺内さんのもとに弟子ができた。何事にも代え難い日本の伝統、その萌芽を、この先千年も大切にしていきたい。

【商品概要】
製品名:柳行李トランク
価 格:35万2000円
サイズ:縦/42、横/70、マチ/24cm
素材:コリヤナギ、牛革、金具

たくみ工芸
柳行李をはじめとした、大きさや用途の異なる柳細工の製造・販売を行う工房。染色・革加工・布付けを含めたすべてがハンドメイド。日本各主要都市で伝統の技を伝える実演販売も行う。

兵庫県豊岡市出石町魚屋99
TEL/0796-52-3280
公式HP/たくみ工芸

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