夏のキャンプに暑さや寝苦しさはつきもの。ソロキャンプの達人たちはどんな過ごし方をしているのだろうか? そこには、夏でもキャンプを快適に過ごす工夫があるはずだ。
今回は、ソロキャンパー達の夏の過ごし方を神奈川県愛川町・角田大橋河川敷でスナップ。日中や夜を快適に過ごす方法をチェックしてきた。
■キャンパー大注目! 空調シュラフの寝心地は…?
今夏、キャンプ歴33年の小山仁さんが初投入したというアイテムが空調シュラフ。炎天下で作業する人のために開発された空調服のシュラフ版だ。
仕組みとしては、ファンの電源をモバイルバッテリーにつなげてスイッチを入れると、シュラフの足側から風が入り、頭側のメッシュから風が抜けていく。シュラフの中に入ってファスナーを閉めれば、足元から涼しい空気がまわり、体を冷やしてくれるのだ。両側ファスナーになっているため、内側からも開けられるようになっている。
「夏の夜のテント内は、どうしても体温で暑くなってしまいます。空調シュラフがあれば、風で全身を冷やしてくれるので、夏の寝苦しい夜でも快適。空調シュラフは、買って正解でした。ファスナーを閉めているので、虫も入らず蚊帳がいらない。結果として、持ち物も減らせて一石二鳥です」
暑い日の日中は、「水の中に入るのが気持ちいい」と小山さん。
「川は水温が冷たいので、気持ちいいですね。場合によっては、水着を持ってきて肩までつかることもあります。もちろん、遊泳禁止の川や流れの強い川はダメですが、浅瀬の流れの弱い川なら、足元だけつかるのもいいですね。足元はクロックスがおすすめです」
■タープの下でコットをベッド代わりにのんびり
キャンプ歴5年の荒川真人さんの夏のテントは、タープと蚊帳スタイル。
「夏用のテントはタープがいいですね。高さがあって、熱が逃げてくれるし、日陰がつくれます。使っているのは、Soomloomのタープです。裏面が銀コーティングされているので、日差しをカットして遮熱してくれます。日差しをカットしてくれるだけで体感は5℃くらい涼しいですね。タープを張ったあとは、人が通る通路側に、グランドシートを張って、目隠しにしています」
荒川さんの夏の昼間は、涼しいタープの下でコットに寝っ転がって過ごしているそう。
「コットは、UNIFLAMEのリラックスコットです。ジャバラ状になった足部分を広げれば、5秒で設営できるのがいいですね。夏はコットの上で足をのばしてごろりとリラックスして過ごしています。ときどき昼寝をしながら、川のせせらぎを聞いて過ごすのは気持ちいいですよ。このコットの新商品は15,000円くらいしますが、リサイクルショップで5,000円で購入しました」
蚊帳のおすすめはポップアップタイプ
タープを張った夏の夜は、蚊帳で寝るという荒川さん。蚊帳のおすすめはポップアップタイプだそう。
「ポップアップタイプの蚊帳は、放り投げるだけで1秒設営できるのでおすすめです。僕は、アルパインデザインのポップアップメッシュシェルターを使っています。5,000円くらいで購入しました。難点をいえば、少し小さいところ。男性の場合はもう一つ大きいのがあるといいですね」
■タープの下で読書をしながら焚き火の音を聴く
バックパックで来たというキャンプ歴13年の長間大作さん の夏の過ごし方は、タープの下で読書。
「今日はバックパックで来たので必要最低限の装備でやってきました。今日の昼間はタープの下で読書をして過ごします。僕は夏だと普通は焚き火をしませんが、疲れていたので、焚き火のパチパチとした音に癒されたくて、小さな焚き火台を持参しました。やっぱり癒されますね(笑)」
■ワンポールタープの下で、夏でも焚き火
焚き火が大好きというキャンプ歴2年のOさんは夏でもタープの下で焚き火をするそう。
「タープはワンポールタイプの簡単なものを購入しました。焚き火をするためにキャンプに来ているようなものなので、扇風機を回しながら、夏でも焚き火をしています。やっぱり焚き火は癒されますね(笑)」
■夕方に来て涼しい時間からギターを相棒に弾き語り
ビートルズ好きの池田研一さんはタープの下で弾き語りをするのが夏の過ごし方。
「一年中、ここで弾き語りをしていますが、夏は暑いので夕方に来て朝帰ります。タープを三角に張ると見えにくいのか観客の人が来ないんですよね。子どもや音楽好きな方に聴いてもらいたいので、いつも開放的な張り方にしています。夏はゴザを敷いて、かき氷のフラッグを掲げるのが涼しさの演出です。夜、寝る時は、ゴザを縦に敷いてシュラフで寝ます。虫に刺されにくい体質なので、それで平気なんです」
■暖炉タイプの焚き火台で炎を眺める
キャンプ歴40年のベテラン、コバさんも夏でも焚き火派。タープの下で炎を眺めて過ごすとか。
「夏でも焚き火がしたい派ですね。タープで日差しを遮りつつ、蚊取り線香を焚いて虫除けします。小さな扇風機で涼しい風を浴びながら、焚き火の炎をボーッと見ています。焚き火台は、窓から炎が見えるタイプにしています」
夏の日中や夜の過ごし方は人それぞれ。本来、夏は暑さや虫対策でキャンプをやりにくい季節だが、さまざまな工夫でそれを乗り切っていた。夏も自然のなかでキャンプしたいと言う人は、ソロキャンプの達人たちの知恵をチェックしておこう。
取材・文:岡本のぞみ(verb)
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