■愛車に似合うガレージに仲間が集まる空間を
Garage DDさん/京都府
その空間に足を踏み入れた瞬間、誰もが歓声を上げるだろう。カフェと見紛う外観、ヴィンテージ感あふれるインテリア、完成度の高い空間にため息が出る。
Garage DDさんが実家である酒店の古い木造倉庫のセルフリノベーションを始めたのは5年前。手に入れたハーレー・スポーツスターに似合う空間を造りたいと、誰の手も借りずDIYを重ねた。テーマは「ロンドン好きのアメリカ人が作ったガレージ」だ。
エントランスはロンドンの老舗ショコラティエをイメージ。バイクの出し入れができるよう折れ戸にしている。レンガに見える壁は、スタイロフォームに半田ごてで線を入れ、表面をバーナーであぶり素材感を出し着色。海外の舞台芸術をヒントにしているそうだ。
雰囲気のある照明は古着店などの照明を参考に。
「本格的なDIYは初めてで、調べまくりました。参考にするのではなく“人がやってないことをやってやろう”という気持ちです」
ヴィンテージグッズや手作りの雑貨などが並ぶ壁面は不思議な統一感がある。聞くと「茶、黒、金、差し色に赤と、多色にならないよう意識している」そうだ。趣味部屋のインテリアに悩める読者はぜひ参考にしたい。
中でもこだわりはガレージ内の家具などを可動式にしている点だという。例えば、カウンターは車輪付きでレイアウト自在。テーブルはあえて2つ作り、人が集まる時はダミーのドアを天板にして大きなテーブルにしている。
「コロナ前はワールドカップ観戦など友人が集まったのですが、今はできないのが寂しいです」
このガレージは「人とのつながり」を生む、と語るGarage DDさん。リノベーションの工程をSNSで発信したことで全国に仲間が広がり、遠方から来てくれる人もいる。DIYは高く評価されカフェの内装プロデュースに声が掛かるほどだ。あふれる遊び心とモノへの温かな眼差しが、人を引き寄せる空間を生み出している。
見た目に惹かれ古いカメラも収集。
水道を引き、流し台をDIY。飲料メーカーの業務用冷蔵庫をリメイク。
バイクのシートもディスプレイ。
■PICK UP
大きな空間を仕切るのに貢献するブリックウォール。スチール棚にスタイロフォームを貼りレンガ調に加工した。
【ROOM DATA】
広さ/約40㎡
使用年数/5年
趣味/バイク、DIY
Instagram ID/garage_dd
文/いしだかおり 撮影/渡部健五
▼あわせて読みたい