「仕事が忙しい」「最近感動していない」といった人に、ぜひ読んでほしいのが今回紹介する『西の魔女が死んだ』という文学書。
タイトルは若干物騒だが、内容は人間の優しさに溢れている。寝る前読書にもおすすめできる不動の名作だ。
■『西の魔女が死んだ』の基本情報
出版社:新潮社
著者:梨木香歩
文庫:226ページ
価格:605円(Kindleあり)
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■『西の魔女が死んだ』の大まかなあらすじ
『西の魔女が死んだ』というタイトルだけを見ると、死や魔女をテーマにした暗い話のように思える。しかし、タイトルとは打って変わって、本作品は「おばあちゃん(西の魔女)」の真っ直ぐな愛情、そして主人公である「まい(中学生)」の心情変化を描いた優しい作品である。
中学に進んだ少女まいは、ひょんなことからいじめを受け、不登校になってしまう。学校に行かない間、まいはおばあちゃんのもとで少しの間生活することに。そこではなんと、西の魔女による魔女修行が行われた。
魔女修行と言っても特別なことをするわけではなく、「何でも自分で決める」などの精神力を鍛えるためのトレーニングだ。その魔女修行を経て、少女まいは精神的に成長を遂げていく……。
■『西の魔女が死んだ』で得られるもの/大きな感動
本作品では主に、少女・まいが取り組む魔女修行の様子が描かれる。ビジネスマンが参考になるマインド的なものも一部あるのだが、本書の真骨頂はおばあちゃんの真っ直ぐな優しさを感じられることだ。
毎日仕事に追われ、人間のあたたかさを忘れてしまっている人は、その包み込むような優しさに心がキュッと反応するだろう。また、日常では感じられない癒やし的な要素もあるため、本書を読めば、ストレス解消や心の負担軽減などにも期待できる。
ただ、本書は文章だけで構成された226ページの文庫なので、文学書を読み慣れていない人は途中で飽きてしまうかもしれない。「途中で読むのをやめようかな」そう思っても、騙されたと思って最後まで読んでみてほしい。
これまで体験したことがない、鳥肌が立つような感動を味わうことができる。実際に本書を読み、心が震えるほど感銘を受けた筆者がそれを保証する。
■『西の魔女が死んだ』はどんな人に向いている?
本書『西の魔女が死んだ』は前述した通り、優しさ、あたたかさ、感動を心に届けてくれる作品だ。誰が読んでも楽しめる作品ではあるが、特におすすめしたいのは「仕事を第一に考えるビジネスマン」である。
筆者もこの本を手に取る前は、「仕事で成果を上げるためには、仕事のことだけを考え続けなければならない」と思い込んでいた。それも間違いではないだろう。
しかし、本書を読んだあとのいまならハッキリとわかる。より良い成果物を生み出すためには「感動が必要」だと。その感動を直球で届けてくれるのが本書だ。
息抜きの意味も込めて、仕事を頑張っているビジネスマンはぜひ、本書を手に取ってみてほしい。
■まとめ
今回は、かけがえのない優しさ、感動を届けてくれる『西の魔女が死んだ』を紹介した。
本書は、児童文学作家である梨木香歩氏が著者を務める不動の名作だ。1994年に単行本が出版されて以来、日本児童文学者協会新人賞、新美南吉児童文学賞など多数の賞を獲得している。それだけでなく、2008年には本書を原作とする実写映画も公開され、大ヒットを記録した。
本書は不動の大名作なだけあり、万人受けする内容・話が展開される。読書嫌いで文字を読むのが苦手な人でも、きっと本書ならこれまでにない感動を体験できるはずだ。
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