我慢を重ねた自分へのご褒美に西伊豆へ

歴史がテーマの仕事をライフワークとしているため、さまざまな出来事の現場に足を運び、ついでに訪ねた先で温泉も楽しむ。そんな趣味と実益を両立した旅のスタイルを、長く続けてきたのだが、コロナのおかげで旅はすっかりご無沙汰となってしまった。だが世の中に落ち着きが戻りつつある今、娘から封印していた旅心に火をつけてくれるアプリを紹介された。これを知ってしまったら、家に籠っている場合ではない! それは『moviLink』という、無料のナビアプリであった。

久方ぶりの余暇を充実した時間にするため、旅の計画を立てる。

今度の週末、久しぶりに時間がとれることになった。というので、2年近く我慢を重ねた自分を労う意味も込め、旅に出ることにした。どこ行こうか考えた際、頭に浮かんだのは「雪の心配がなく、自然や歴史、そして静かな温泉がある場所がいい」という思い。次いで自分のペンネームでもある「伊豆」という地名である。「冬は海に沈む夕陽がとても綺麗だから、西伊豆がいいかな」と、目的地だけは決まった。

そこから先は、ナビアプリの出番だ。スマホ操作がちょっと苦手な私でも、娘から「シンプルで使いやすいよ」とレクチャーされただけあり、サクサク検索できた。まず東京方面から2時間程度で行ける西伊豆の温泉地を検索すると、土肥温泉がヒットした。

うろ覚えのキーワードでも簡単検索

まったくのうろ覚えだったが、土肥には「むそう何とか」という宿があったような気がした。そこで試しに「むそう」と五十音最初の「あ」を入力。するといくつかヒットしたものの中に、『無雙庵枇杷(むそうあんびわ)』という難しい名前の宿があった。地図表示をみると、ここは間違いなく土肥温泉にある。さらに調べてみるとこの宿は「街の暮らしで忘れていたものを取り戻す、ふる里のような宿」を謳っている。部屋に備え付けられた露天風呂から眺める、駿河湾に沈む夕陽も格別のようだ。「今回の旅の目的地に最適」と、即決した。

うろ覚えな名称な上、難しい漢字の宿だったが候補予測の精度に驚く。
すぐさま目的地に決め地点登録し、宿に予約を入れた。

さらに検索されたルートをザッと眺めると、通り道に三島があるのに気づいた。

「そう言えば、来年の大河ドラマは鎌倉時代が舞台だったっけ。三島にある三嶋大社は伊豆に流されていた源頼朝が挙兵する際、戦勝祈願を行った歴史がある神社。これはぜひ立ち寄って、旅の安全を祈願しなければ」

ここは歴史ライターとしては、譲れないところだ。moviLinkで三嶋大社と、その周辺の駐車場を検索。すると大社に隣接する場所に、駐車場があるのを確認、さっそく登録した。コースタイムから考えると、三島あたりで昼食の頃合いになりそうだ。「ちょっと贅沢かな」とも思ったが、ほぼ2年ぶりの旅だからと名物の鰻を頂くことに決める。ここも行き当たりばったりで店を探すのは面倒なので、moviLinkに「うなぎ」というキーワードを入力。するとマップ上に多くの店が表示された。その中から、縁起の良さそうな店名の『うな繁』をチョイス。

三嶋大社駐車場で検索すると、複数の候補がわかりやすく表示された。
繁栄の繁の字に縁起の良さを感じた「うな繁」。

そして宿に向かう前にもう1カ所、立ち寄ることにした。それは三島の鰻が美味しい理由にも挙げられる、富士山の湧水スポットだ。三島市内には多くの場所で湧水が見られるようだが、駐車場が完備され、湧水量も他を圧倒しているのは有名な柿田川湧水。場所はお隣の清水町になるが、『うな繁』からはすぐ近くだ。これで完璧なコース設定が組めたはず。自宅の場所さえ登録しておけば、あとは最終目的地と経由地を設定すれば、最適のルートを検索してくれる。それを「おでかけプラン」に保存しておけば、旅行当日に呼び出すだけ。これで、旅の準備は完璧。あとは期待に胸を膨らませつつ、週末を待つだけだ。

柿田川公園も「かきた」で候補がサッと出てくるので便利さを実感。
こうして、ナビアプリ上でひとり旅のプランが完成した。

心地よい案内音声に誘われ三嶋大社へ

久しぶりの旅に気持ちの昂りを感じつつ車に乗り込み出発する。

自宅を出発して最初に感じたのは、このアプリの地図表示がとてもシンプルで見やすい、という点であった。あらかじめ「細い道を通しやすい」というコマンドをオフにしておけば、道幅の狭い道を案内されることはない。初めて走る道でも、これなら不安にならないのだ。他にも「スマートICを利用しない」や「フェリーを利用しない」といったコマンドがあるので、行き先に応じて設定すればより便利。

ルートは「おすすめ」や「早さ優先」などから好みのものをチョイス。今回は「おすすめ」に設定。

高速道路の分岐点や出口などは、手前から地図が拡大表示となり、進行方向を矢印と音声で教えてくれるから便利。それに音声はAIではなく、女性の声なのでとても耳に優しく、聞き取りやすい。町中のゴチャゴチャした道を走っている時でも、地図がシンプルなので迷うことがなかった。こうして快適なドライブの末、最初の目的地である三嶋大社に到着。

体感だがGPSの精度の良さを感じる。分岐が続く道でも、リアルタイムで方向を指示するので運転しながら迷うことがない。
高速道路の分岐やジャンクションでは、1㎞ほど前からルート表示が出るので安心感がある。

三嶋大社は伊豆国の一宮で、正確な創建時期は不明。だが、奈良や平安時代の古書にも記録されている、由緒ある神社であることは確か。伊豆の韮山に配流されていた源頼朝が、源氏再興を祈願して以来、多くの武士からの崇敬を集めた。旧東海道に面した大鳥居は、歌川広重が描いた『東海道五十三次』の三島宿で登場している。朝霧の中、箱根を目指して出発する旅人一行の背後に、大鳥居が霧の中にシルエットで描かれている。

三嶋大社の敷地内駐車場に車を停めた後、一度敷地から出て大鳥居から参道を歩くことにした。

御祭神は大山祗命、積羽八重事代主神。御二柱の神を総じて三嶋大明神と称している。大山祗命は山森農産の守護神、事代主神は俗に恵比須様とも称され、福徳の神として崇敬を集めている。主要な社殿は本殿、幣殿、拝殿からなる複合社殿。幕末の安政東海地震後に再建され、慶應2年(1866)に落成した。まずは拝殿で、ここまでの旅の無事のお礼をさせて頂いた。

生憎の小雨の中、静謐な時を感じる。
心静かに参拝する。
神鹿園の鹿は人懐っこい。すぐ近くまで寄ってきてご挨拶を交わす。

三嶋大社の境内は思いのほか広く、多くの桜が植えられている。さまざまな種類があるようなので、春には長い期間、花見が楽しめる。そして参拝者の多くが気づかないのが、宝物館の裏手にある神鹿園。大正8年(1919)に奈良の春日大社より雌雄8頭の鹿を譲り受けた。奈良のように放し飼いにはなっていないが、その子孫たちが今も元気に暮らしているのだ。

三嶋大社
静岡県三島市大宮町2-1-5
TEL:055-975-0172(代表)
http://mishimataisha.or.jp

富士山の湧水で泳がせた美味なる鰻

続いて向かったのは、三嶋大社から西へ3kmほどの場所にある『うな繁』。ほぼ1本道ということは、シンプルな地図なのでわかりやすい。ただ伊豆箱根鉄道三島広小路駅前の踏切を渡った所で、道が二又に分かれていた。もちろん、事前に地図表示と音声案内があったので、慌てることはなかった。しばらく走ると左手に立派なビルが見えてきた。そこが目指す『うな繁』である。

「う」の暖簾に期待が膨らむ。

昔、三島の清流に自生していた鰻は、三嶋大社の使い魚として神聖化されていた。幕末になり官軍の鹿児島兵が三島を通った際、清流を泳ぐ鰻を捕らえその美味を賞賛した。以来、鰻は三島の名物になったと言われている。今では清流に自生している鰻はいなくなったが、三島の専門店が使用する鰻は、捌く前に1週間ほど富士山の湧水で泳がせ、泥臭さを抜くのだという。

美味しそうな「なか重」。せっかくなのでプラス100円でお吸い物を肝吸いに変更。
駿河湾の味覚がひとつになった「駿河丼」も人気だという。
ふっくら香ばしく焼き上がった鰻に舌鼓を打つ。

『うな繁』では、その時期に一番の旬を迎えている産地の鰻を厳選。それを秘伝のタレでじっくりと焼き上げる。もちろん富士の湧水で泳がせた鰻なので、臭みがないうえ身が適度に締まっている。頂いたのは蒲焼が2.5切れ載った3800円の「なか重」。他に釜揚げシラス、桜エビ唐揚げ、黒はんぺんなどが蒲焼とともに載った、なんとも豪華な「駿河丼」(2700円)もオススメだ。

うな繁
静岡県駿東郡清水町伏見239-3
TEL:055-975-6879
https://unasige.com

街中に豊富な水が湧き出し川を成す不思議

『うな繁』を後にする時に気付いたのだが、店のある場所はすでに清水町だった。次の目的地である『柿田川公園』までは、直線距離にすると1kmほどしかない。ところが駐車場に入るためには、かなり大回りをしなければならないようだ。だがmoviLinkが適切な道を案内してくれた。やはりクルマで旅する際は、正しい進入路を案内してくれるナビは、代え難い魅力がある。

森林の香りを胸いっぱいに吸い込みながら公園を散策。

『柿田川公園』に端を発する柿田川は長良川、四万十川とともに「日本三大清流」と呼ばれている。富士山に降った雪や雨が地中に染み込み、この公園の端で湧き出して川となる。そして約1.2km先で狩野川と合流する、日本で最も短い一級河川である。水が湧き出している場所は、主要なものだけでも数十カ所もある、日本でも稀有な川だ。川そのものが天然記念物に指定されている。

柿田川の最上流で川の始まりを観察する。中央の砂地部分ではポコポコと水が湧き出ている。
「柿田川ブルーホール」と呼ばれる湧水地点。生憎の天気でも水の青さが際立つ。
水が湧き出る「湧き間」に触れることができる。ほんのり冷たい。
休憩しながら、ふと思いついて目的地を検索してみた。

これで歴史的な神社に立ち寄り、美味なる鰻で腹も満ち、自然の不思議も目の当たりにできた。あとは宿で思い切り羽を伸ばすだけ。そう考えたが、まだ時間が早い。そう言えば宿のある土肥は、金鉱の地としても知られていたはず。それに金という漢字は、2021年の一文字に選ばれていた。ならば「金鉱」にも立ち寄ってみようと、moviLinkで検索してみた。すると『龕附天正金鉱(がんつきてんしょうきんこう)』という施設がヒット。天正という年号は、織田信長が活躍していた時代のもの。これは寄り道必須なのだ。

とりあえず「金鉱」で検索すると面白そうなスポットがヒット!

柿田川公園
静岡県駿東郡清水町伏見71-7

急激に天候が回復したので寄り道をプラス

三島から一路、西伊豆に向けて車を走らせる。

この日は朝から曇っていて、時おり雨がぱらついたりしたが、土肥へクルマを走らせると俄かに青空が広がっていった。これはまっすぐ金鉱に行くのはもったいないという思いが頭をよぎり、海が綺麗に見渡せる場所を検索。土肥の町の外れに「旅人岬」という展望広場を発見。金鉱に行く前に、さらなる寄り道を敢行することにした。新しくできた「天城北道路」経由で土肥を目指す。有料道路だけでなく、高規格の自動車専用道路でもインターの案内が拡大されるのが有り難い。

高規格の自動車専用道路の分岐も案内してくれるので心強い。

「旅人岬」では、目の前に180度以上の視界が開け、雄大な駿河湾が見渡せた。ここは水平線に沈む夕陽を楽しめる場所として人気だが、この後に夕陽自慢の宿に行くので、後ろ髪を引かれつつも最初の寄り道ポイントの『龕附天正金鉱』へ向かうことにした。

船原峠には晴れ間が差す。
旅人岬に着く頃にはすっかり雨雲が消え去っていた。

土肥には他にも有名な金山があるが、そちらは比較的新しい時代に掘られたもの。一方、今回立ち寄った『龕附天正金鉱』は、その名の通り戦国時代の天正5年(1577)に開坑。後北条氏の家臣である富永氏により、本格的な金銀鉱石採鉱が行われている。手掘りの坑道は、人ひとりがやっと通れる広さ。壁には天正、文禄、慶長という三時代に渡り、掘られた金槌と鏨(たがね)の跡が、その当時のままの姿で刻まれている。

戦国時代の金鉱見学にワクワクする。

ちなみに「龕」というのは、石窟や家屋の壁面に、仏像や仏具を納めるために設けたくぼみのことを指す。この金鉱は、坑道の一番奥に扇状の神庫(ほこら)が設けられている。このような龕を持つ金山は、日本でここだけだ。当時は送風の技術がなかったため、これ以上は進めないと思われた場所に祠を刻み、山の神を祀って休山としたのであろうと考えられている。軽い気持ちで寄り道したのだが、山に刻まれた歴史の遺物に大いに心を動かされてしまった。

そこかしこの岩肌に金槌と鏨(たがね)の跡が残っている。
屈んでやっと通れる細い坑道。
最奥にあった「龕」。日本で唯一の存在だ。

龕附天正金鉱
静岡県伊豆市土肥2851
TEL:0558-98-1258

極上の露天風呂と山海の美味づくしに大満足

今夜の宿『無雙庵枇杷』は、土肥の町の外れに聳える山の中腹に立地する。県道から細い道に入るようだが、その入り口はちょっと分かりにくいようだ。だがmoviLinkの地図はシンプルなので、かえって迷わずに進入することができた。さらに宿までのアプローチは、少し不安になるような細い山道となった。ほんの少しの距離ではあったが、案内がなければ不安になるところ。そんな私道もしっかり表示してくれたのは有り難かった。

宿に向けて出発。
とても細い道だったので、このナビがなければ不安になっていただろう。

『無雙庵枇杷』は玄関まわりから、古民家で実際に使われていた柱や梁、引き戸などが再利用されていて、懐かしくも温かみのある造りになっている。客室はすべて離れ形式で、全部で8部屋が用意されている。部屋の入り口は土間仕立てで、上がり框(かまち)が設えられていて、まるで伝統的な日本家屋の玄関のようだ。私が宿泊する部屋は、囲炉裏がある畳敷の場所と、ソファが置かれたリビング形式の場所があった。そしてベッドルームは2階という、何とも贅沢な空間だ。

無雙庵枇杷。
囲炉裏がある客室はメゾネットタイプ。
階段を上ると広々としたベッドルームがある。

そしてすべての部屋のテラスに、趣向を凝らした露天風呂が備え付けられている。宿が立地している場所は山の中腹なので、部屋の露天風呂に浸かりながら駿河湾に沈む夕陽が堪能できる。ということで、夕食前にひと風呂浴びることに。ナトリウム塩化物泉の湯は肌に優しく、身体の芯から温まっていくのがわかる。そして彼方に見える水平線に目をやると、空が見事なグラデーションに染められていった。いつまでも浸かっていたかったが、そろそろ夕食の時間だ。

テラスに設えられた露天風呂から見事な夕焼けを眺め、湯を堪能する。

最深部は2500mにも達する駿河湾は、魚介類の宝庫として知られている。それに加え伊豆を含む静岡は、さまざまな山の幸にも恵まれている。そうした豊富な素材の中から、厳選した旬のものをふんだんに取り入れた創作懐石料理の素晴らしさに、思わず表情が崩れてしまう。この日の目玉は脂の乗った鰤のしゃぶしゃぶと、静岡牛のポワレ。もちろん目でも楽しめる八寸や、河豚の唐揚げ、旬の魚を集めたお造りなど、どれも言うことなしの美味しさだ。これはちょっと贅沢すぎたかな、と反省をするふりをしつつ、部屋に帰るとすぐmoviLinkで次の目的地を検索してしまった。

目にも華やかな料理の数々。
贅沢な夕餉に、身も心も満たされた。

無雙庵枇杷
静岡県伊豆市土肥259-1
TEL:0558-97-3123
https://www.izu-biwa.jp

今回、旅のナビゲーターで活躍したスマホ用カーナビアプリ「moviLink(モビリンク)」は、App StoreまたはGoogle Playからダウンロードが可能だ。難しい設定も必要なく、地点検索も非常にスムーズ。何よりスマホアプリなので、いつでもどこでも「おでかけプラン」を活用して旅の計画が立てられるのは非常に便利だった。

アプリダウンロードは以下から可能となっている。

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文/野田伊豆守 撮影/金盛正樹