103493硫黄の香りと藁葺き屋根、世界に誇る極上のにごり湯|明礬温泉【みょうばんおんせん】

硫黄の香りと藁葺き屋根、世界に誇る極上のにごり湯|明礬温泉【みょうばんおんせん】

男の隠れ家編集部
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明礬温泉は市街地から離れた秘境温泉。温泉成分が濃く、優れた効能を持つ泥湯、白濁した湯を楽しめる絶景露天風呂など、隠れた魅力がいっぱいの温泉だ。

(※その他の写真は【関連画像】を参照)

※この記事は2024年12月号に掲載されたものです。

■紺屋地獄の泥湯で昔ながらの湯治を体験

明礬温泉は別府八湯の中で最も標高の高い地域にある。山間に温泉施設や旅館などが点在。観光客で賑わう鉄輪温泉とは一味違った、秘境温泉らしい雰囲気を残している。

別府の温泉通によれば、別府八湯は最初に明礬温泉に入って、その後に鉄輪温泉に入るのが理想の入り方だという。明礬温泉は鉄分が多い酸性の硫黄泉でクレンジング効果がある。

温泉成分が濃い泥湯の恩恵をたっぷりと体に染み込ませる。

一方、鉄輪温泉は弱酸性のナトリウム‐塩化物泉。メタケイ酸を多く含み、保湿効果、リンス効果が期待できる。明礬温泉、鉄輪温泉の順番で入れば、お肌はツルツル、すべすべになるそうだ。

明礬温泉の中でも、泉質の良さで古くから知られているのが「別府温泉保養ランド」だ。本館からいったん外に出て、長い通路を下っていくと、温泉の建物が見えてくる。秘境温泉のような雰囲気が満載だ。

大自然に囲まれた露天風呂。広々とした風呂でのんびりと、白濁した湯、泥湯の温泉を楽しめる。

ここの温泉は“紺屋地獄”という名称で呼ばれ、『豊後国風土記』にも記述がある。泥湯(鉱泥湯)は、適度な噴気、腐植粘土層、地下水の条件が揃わないと産出されない貴重なもので、全国トップクラスの濃度がある。

九州大学と協同で温泉の治療効果を研究。観光だけでなく、治療、療養のために訪れる客が多い。

泉質はPH2.9、酸性の硫黄泉。放射線障害、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)をはじめ、高血圧、動脈硬化症、血栓などの病気や症状に効果があるという。

温泉の受付。

泥湯は下から湧き出ているため、場所ごとに成分が違う。普通の温泉より比重が重く浮力が大きいので、浸かると不思議な浮遊感が楽しめる。風呂の中にある掴まり棒をしっかりと持って入りたい。

血流が良くなり、関節炎、肩凝りに効能がある。硫黄成分の浸透力が高まって、リウマチ治癒にも効果を発揮するという。

熱保有度が高く、浸透が早いので長湯は禁物。湯あたりしないように10~15分くらいで出なくてはならない。また、中学生以下は入浴不可。

温泉を楽しんだ後は、休憩室の座敷でひと休み。濃度の濃い温泉で疲れたら、体を横にしてひと眠りしてもよい。

ほかにも、コロイド湯(内湯)、露天風呂、蒸し湯があり、合わせて4種類の温泉が楽しめる。広大な露天風呂は白濁した湯で、下には泥も溜まっている。いろいろな種類の温泉に入って、半日もしくは一日、ゆっくりと温泉三昧で時間を過ごせる、隠れた穴場だ。

⚫︎高濃度の泥湯温泉「別府温泉保養ランド」

温泉を紺染めに使っていたことから紺屋地獄と呼ばれた。泥湯は病気の治療に使われ、美容にも効果がある。昔ながらの湯治場の雰囲気を残した温泉施設で、素泊まりの宿泊施設もある。

大分県別府市明礬5
TEL/0977-66-2221
営業時間/9:00~20:00
定休日/無休
料金/大人1500円~
風呂/屋内(男女別)コロイド湯・泥湯・蒸し湯、露天(混浴)鉱泥大浴場・小浴場
泉質/単純硫黄泉(硫化水素型)

■藁葺きの小屋で作られる「湯の花」

扇山の緑を背景に、昔ながらの湯の花小屋が並んでいる。

「みょうばん 湯の里」は、いろいろな施設が利用できる温泉テーマパーク。敷地内には藁葺き屋根の湯の花小屋がいくつも並んでおり、今も入浴剤「湯の花」の製造が行われている。

内部は床に青粘土を敷き詰め、30㎝地下には温泉脈が通る。青粘土と温泉の蒸気が化学反応を起こして、湯の花ができるという。

「1日1㎜ずつ成長するので、採取するまでに2~3カ月かかります」と案内してくれた飯倉さんが語る。

湯の花小屋の床では、青粘土の上で湯の花が少しずつ産出される。

湯の花の製造は明治時代から行われ、それ以前は明礬を製造していたため、明礬温泉の名がある。江戸時代、明礬は薬、火薬、染め物、鍛冶溶接、絵画などに使われて重宝されていた。

「みょうばん 湯の里」の経営者の先祖である、天領の小浦村(日出町平道)の庄屋・脇儀助が享保10年(1725)に森藩領の鶴見村で製造を開始。8代将軍・徳川吉宗の時代に幕府の直轄地となり、日本国内の明礬の製造、販売権を独占したという。

湯の花の塊。

明治時代になると幕府の後ろ盾がなくなり、明礬の製造工程でできる湯の花作りが盛んになった。湯の花は入浴剤としての用途のほか、最近では石鹸や化粧品にも使われている。

温泉は湯の花小屋を模した建物に貸切風呂があり、敷地の高い所には大露天岩風呂がある。標高350mの地点、別府を取り巻く山々が見える。絶景を眺めながら白濁した湯での湯浴みは人気が高い。

⚫︎江戸から続く天然の入浴剤を「みょうばん 湯の里」

大露天岩風呂。

「薬用 湯の花」の製造直売所で、湯の花小屋の見学もできる。温泉は藁葺き小屋の貸切風呂、大露天風呂の2種類。本館には売店があり大分の土産物などが多数。

大分県内の蔵元こだわりの焼酎・地酒をオリジナル容器に詰めた酒を販売。温泉蒸し湯庵では温泉蒸しの卵やまんじゅうなどを販売している。

本館(右)と雑貨を販売するともゑや(左)。
天然の入浴剤・湯の花8日分1100円(左)と湯の花全身ジェル(2200円)。

大分県別府市明礬温泉6組
TEL/0977-66-8166
営業時間/大露天岩風呂・10:00~20:00、貸切湯・10:00~19:00、レストラン・11:00~16:00(LO15:00)、その他・9:00~18:00
定休日/無休(レストランは土日祝のみ営業)
料金/大人600円~
風呂/大露天岩風呂・貸切湯
泉質/硫黄泉

⚫︎こだわりの地獄蒸しプリン「岡本屋売店」

地獄釜で蒸し上げて1日寝かせる。地獄の状態は季節や気温などで違うため、熟練の技が必要だ。
プリンは1個440円。

別府地獄蒸しプリンの元祖で、36年前から製造販売している。材料は玉子、砂糖、牛乳、生クリームで「昔、お母さんが作ってくれた固めのプリン」だ。

カラメルソースの苦みが癖になる、大人の味わいで、男性にも好まれる。多いときには1日3千個を売り上げるという。

職人が一つひとつ丁寧に手作りしている。

大分県別府市明礬3組
TEL/0977-66-6115
営業時間/8:30~18:30
定休日/無休

※この記事は2024年12月号に掲載されたものです。

文/阿部文枝 撮影/渡部健五

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