リアルな空間で射撃を手軽に体験する
吉祥寺駅を出て井の頭自然文化園方面へ歩くこと約8分。階段を上がり、ビル2階のドアを開けると、ガラス張りの美しいシューティングレンジに迎えられた。「SHOOTING BAR EA」は、お酒や食事、会話を楽しみながらエアガンシューティングに興じられるスポットだ。
オープンは2010年。映画やゲームなどに登場する銃を模したエアガンを約200種近くそろえ、常時40種ほど提供、登場作品の主人公になった気分で撃てるバーとして話題になった。以来、多くのエアガン愛好者が夜な夜な集っている。中にはオーストラリアなど、海外から訪れる客もいるという。
店の中央に据えられたシューティングレンジは、的までの最大距離が射撃競技と同じ10mに設定できる本格仕様。紙の的は5種類、金属の的は1種類ある。好みやレベルに応じて的の種類と距離を選ぶことができる。
また、レーンは3レーンあり、店内にあるモニターで射撃姿のチェックもできる。仲間の腕をモニターで見ながら盛り上がるお客もいるという。
入店後、まずはカウンターに座ってドリンクメニューをチェック。ビールやウイスキーなど一般的なメニューに加え、ガン(銃)にちなんだオリジナルカクテルも充実している。また、食事メニューもそろう。「1ポンドビーフステーキ」は450gの特大ボリュームながら、牛赤身肉のためペロリと食べられた。
バーボンのオールド・グロウをベースにした爽やかな味わいのカクテル「グロック17」を飲みながら、ガンメニューをめくり、どの銃を使おうか思案する。
初めてでも店のスタッフたちが親切にレクチャーしてくれるので、安心してチャレンジできるというもの。「HK417 EARLY VARIANT」をセレクトして、構えてみる。4.5kgと重量はあるが、意外なほど的を狙いやすい。トリガーを引くと、バンっと小気味好い音と手応え。
ゾクっとする快感が背筋に走る。的を射る気持ち良さの虜になり、しばし撃ち続けた。美味しい酒と食事、エアガンを撃つ快感、そしてガンにまつわる楽しい会話に興じているうちに、夜はあっという間に更けていったのである。
文/浅川俊文 写真/古末拓也