57836【老舗団子ができるまで】仕込みから完成まで密着!江戸時代から続く老舗団子屋の味|亀屋大和(東神田)

【老舗団子ができるまで】仕込みから完成まで密着!江戸時代から続く老舗団子屋の味|亀屋大和(東神田)

男の隠れ家編集部
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江戸時代から庶民に親しまれてきた団子。その味を受け継ぐ老舗団子屋「亀屋大和」の団子づくりをご紹介。

団子職人の技が光る“名物団子”ができるまで

JR馬喰町駅から少し歩くと、繊維や既制服を扱う問屋が立ち並ぶ東神田の街が広がる。その一角に建つ古めかしい玄関の店こそ、老舗団子屋「亀屋大和」である。素敵な笑顔の女将さん、小さなカウンターには看板商品である「焼団子」(120円)をはじめ、最中やどら焼きなど手作りの和菓子たちが整然と並んでいる。

火事や空襲で往時の資料は焼失してしまったが、江戸中期の創業といわれる300年近い歴史を誇る御菓子司として、今日まで歩んできた。裏手の厨房では9代目主人の古島満さんが息子さんと共に、忙しなく団子づくりに勤しんでいる。

「亀屋大和」店主の古島 満さん

まずは生地作り、年季の入った銅製のボウルに上新粉をたっぷりと入れて、水を徐々に加えながら一緒にこねていく。団子作りはスピードが命。あっという間にこねた生地を蒸籠で一気に蒸し上げる。蓋を開けるともくもくと上がる蒸気、そしてつやつやと輝く生地を見ていると、思わず食指が伸びそうになる。

「手でやるからこそ分かることがある」と古島さん。ミキサーを使えば作り手への負担も少なく簡単に生地をこねることができる。だがそうすることで「生地に粘りやコシが出過ぎてしまい団子自体が硬くなってしまう」と話す。

粘りやコシがベストな頃合いを、時間で区切るのでなく手に伝わる感触と勘で判断する。分量はあらかじめ決めておらず、その日の気温や湿度、季節などによって誤差を修正する。実に繊細な作業である。

コシが決まった状態で団子を4つに丸めて串にさしてから焼く。表面に焦げ目がつくと、香ばしくてどこか懐かしいような香りが厨房に立ち込め、食欲をさらに掻き立てる。品の良いあめ色をした特製のたれにつければ完成だ。

■その1 味を左右する仕込み「加水してこねる」

少しずつ加水しながら、粘りやコシがちょうど良い具合になるまでこねる。

■その2 熱が伝わりやすい工夫「蒸籠に並べる」

熱の通りを均等にするため、生地を同じ厚さ・分量に分けて、蒸籠に並べる。

■その3 高温で一気に「蒸籠で蒸す」

45~50分ほどかけて蒸し上げる。熱を通すので、この時点でも食べられる。

■その4 これで粘りを決まる「餅つき機でつく」

餅つき機で生地をつく。
時折、生地を回したり折り畳みながら行う。

■その5 気温や湿度を計算しながら「生地を冷ます」

厚い生地をざぶざぶと冷水につけて粗熱をとる。ついて冷ます工程は2度行う。

■その6 均一でバランスの取れた形に「整えて串にさす」

生地を機械に流し込む。
丸まった4つの団子が串にささった状態に。

■その7 絶妙な塩梅で「団子を並べて焼く」

生地の表面に焦げ目をつける程度まで焼く。焼くことで香ばしさが生まれ、味に深みが出る。

■その8 味の決め手はたれ!「たれにつける」

焼きたての団子をたれにくぐらせる。出来立てのたれはまるで宝石のような輝き。

■その9 300年続く「亀屋大和の団子」が完成!

団子作りで一番大切なことは、「仕込みから仕上げまでの生地の温度管理」と教えてくれた。

「生地が良い状態になることだけを考えて、たとえ30秒でも冷ます時間を調整している。生地に勘が行き届いているかいないかが全て」と古島さん。

品質管理や効率化を図るため、機械を導入し製造工程をシステム化することが多い現代。そうした中でも極力、機械には頼らず、作り手の勘と経験によって生み出される、それこそが“老舗の味”の秘訣のようだ。

<店舗情報>
亀屋大和

東京都千代田区東神田1-14-10 古島ビル1F
TEL:03-3866-3804
営業時間:9:00〜18:00
定休日:日曜・祝日(お節句は除く)
アクセス:JR「馬喰町駅」より徒歩2分
http://kameyayamato.co.jp/

編集部
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いくつになっても、男は心に 隠れ家を持っている。

我々は、あらゆるテーマから、徹底的に「隠れ家」というストーリーを求めていきます。

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