97039今夜は一刻者と、/永瀬正敏×若木信吾 特別対談

今夜は一刻者と、/永瀬正敏×若木信吾 特別対談

男の隠れ家編集部
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目次

俳優・写真家として活躍する永瀬正敏が、各界の一流を迎える対談を行った。ゲストは写真家で映画監督でもある若木信吾さん。

約30年前の雑誌撮影で波長が合ったというふたりが、写真や旅、お酒をたしなむ豊かな時間について存分に語り合った。

対談中には、永瀬正敏が写真家としてゲストを撮影。そのこだわりの作品にも注目いただきたい。

【プロフィール】
永瀬正敏(ながせまさとし)
俳優・写真家。1966年生まれ、宮崎県出身。83年に俳優としてデビュー。
写真家としても国内外で多くの個展を開き、これまで9冊の写真集を発表。2018年、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
2021年5月、宝酒造の全量芋焼酎「一刻者」アンバサダーに就任。

若木信吾(わかぎしんご) 
写真家・映画監督。1971年、静岡県浜松市生まれ。ニューヨーク州ロチェスター工科大学写真学科卒業。現在は雑誌・広告・音楽媒体・映画監督として作品を手掛けるなど、幅広い分野で活動中。
2010年には、故郷の浜松で書店「BOOKS AND PRINTS」をオープンし、国内外から集めてきた写真集はもちろん、絵本、小説、雑貨なども販売。

写真と映像、それぞれの魅力とは?

永瀬正敏(以下、永瀬) 若木さんには「一刻者」のキービジュアルを撮影していただきましたが、実はこれまでも何度か撮ってもらっているんですよね。

若木信吾(以下、若木) 最初は確か1996年か97年の雑誌のファッションポートレートで、モノクロで撮った記憶があります。そこから30年の間に何回か撮らせてもらったけれど、一番覚えているのは車の撮影かな。

永瀬 すごく覚えています。とても楽しかった。

若木 雑誌の撮影は、広告と違ってコンテ(撮影台本)がないじゃないですか。だから現場で思いつくまま、相手にこうしてくださいとお願いするんですが、当然「それはできない」と断られる場合もままあって。でも、永瀬さんに「NO」と断られたことはこれまで一度もないですね。

永瀬 (笑)そのときは何をやりました?

若木 車のウィンドウから車内に潜り込み、反対側のウィンドウから出てきてほしいとお願いしました。俳優界の大スターに思いつきで言ったことをやってもらえて、すごく嬉しかったです。

永瀬 あのときは写真だけでなく、動画の撮影もありましたよね。若木さんは映画監督もされているけれど、写真と映像の違いは何か感じていますか。

若木 どちらも物語性があるんだけど、写真の場合だと、静止しているものを見つめることで、物語を自ら発見していく。映像の場合は、次から次へと目の前のものが変化していくので、それを追いかけながら、相手から物語を見せてもらえるという感じでしょうかね。

永瀬さんも長く写真家として活動されていますが、自分が被写体のときと、撮影しているときに何か違いはありますか。

永瀬 映像と写真というのは、僕の中では同じ表現としては変わらないんですが……。

物語性で言うと、昔、ある映画で、当時はまだフィルムでの撮影だったんですが撮影監督の方が、その1コマをプリントしてプレゼントしてくださったんです。そこに「1コマの映画です」と書いてあって、ああ、なるほどと思いました。

あと、著名なカメラマンの方に自分の写真を見ていただいたとき、1枚だけ手が止まって「永瀬くん、これがいい写真っていうんだ。写真の前後の時間が想像できる」と言われたことがあって。

若木 映像の中のひとコマも物語であったり、1枚の写真から前後が想像できる物語であったり。

永瀬 そう。いとこ同士みたいな感じで。

わかりたい、知りたいから、続ける

若木 永瀬さんが写真を撮り始めたきっかけは、明確にあるんですか?

永瀬 元々写真好きっていうのもあったんですが、80年代頃って枠組みをきっちりしたい、みたいな風潮があって。「役者とはこういうもの」「アイドルとはこういうもの」というカテゴライズがあったけれど、そのうちにアイドルも自分で詞を書き始めたり、レコードジャケットのビジュアルに意見したりしたじゃないですか。当時から写真を撮っていたので、そういう仲間から「作られていない今の本当の自分を撮ってくれ」と言われたりして。

あともうひとつ、祖父が写真館をやっていたんですよ。

若木 つまり、小さい頃からカメラとかスタジオとかに慣れ親しんでいた?

永瀬 いや、祖父が鹿児島で写真館をやっていましたが、戦後は廃業したんです。戦時中に食糧難になって、家族を食わさなきゃと知り合いにカメラを「後で買い戻す」という約束で渡したら、そのまま何ももらえず逃げられてしまって、それ以降、カメラを持たなかったんだそうです。

ただ、あるとき実家の倉庫を掃除していたら、祖父が書いた研究ノートが出てきたんですよ。日中シンクロ(明るい屋外で強制的にストロボを発光させて、影の暗い部分を明るく照らすテクニック)の方法とか、いろいろと書いてあって。

若木 ええ、それはすごい!

永瀬 それを読んで、「ああ、おじいちゃんは本当に写真が好きだったんだな、真剣だったんだな。なのに志半ばで諦めざるを得なかった…。僕もちゃんと祖父の好きだったポートレートを撮れるようになりたいな」と思ったんです。DNAのリベンジといいますか。

若木 一からよみがえらせると。

永瀬 ええ。だからいまも天国の祖父に助けてもらいながら撮らせてもらっている感じです。

「いま、この瞬間」が本物に感じられるように

永瀬 一般の人を撮るときと、今回の「一刻者」のキービジュアルのようにきっちりした世界観をつくって撮るときの、心構えの違いはありますか。

若木 「一刻者」に関していうと、背景に本棚があり、本を読みながら「一刻者」を飲んで味わうというテーマがしっかりとあったので、それは俳優・永瀬正敏にお任せしました。表情を含め、ディレクションはほとんどしていないです。

ただ、その空間に永瀬さんが入ってきたときに、気持ちもグッと入れるような現場づくりには気を配りましたね。ファインダーを覗くと、「なんか来たな」とか「まだ入れていないな」というのはわかるものなんです。つまりそれは、演技だけど、本物だということ。カメラマンは「いま、この瞬間は本物なんだ」と信じられるときにシャッターを切れるかどうか、それが勝負です。

カメラが旅の出会いを誘う

若木 永瀬さんが写真を撮っていて一番嬉しいのはどういうときですか?

永瀬 撮らせていただいた方から「ちょうだい」と言われるときですね。若木さんは?

若木 僕は撮っていればずっと嬉しい(笑)。新しい写真が撮れたときとか、いままでになかった世界の見方が写りこんだときは、特に嬉しいです。

永瀬 旅先にはカメラは必ず持参されますか?

若木 カメラがないとダメですね。あと、フィルムを入れてないと駄目。空(から)のカメラを持っているのが一番不安です。永瀬さんは何か旅の思い出はありますか。

永瀬 撮影のために旅をすることはあまりなくて。海外だと、仕事で呼んでいただいて、そのときにカメラを持参して、出会った人を撮影することが多いです。

若木 例えば映画の撮影や映画祭だと、他の役者もいますよね。僕らカメラマンは、やはり役者に「撮らせてください」というのはなかなか言いづらい。マネジメントのこととか考えてしまうから。でも役者同士ならもう少し気軽に撮れそうだなと思うのですが、いかがですか。

永瀬 確かに気軽に撮れる場合はあります。ただ、やはり関係性は重要ですね。昔から知っている人であれば勝手に撮って「後で見てね」という感じでOKなこともあるけれど、「使わせてもらうときには事務所に通しますね」というのはきちんと伝えます。

若木 カメラがあったからこそ、誰かと仲良くなれたというのはありますか。

永瀬 旅先だとそれで助けられたというか、コミュニケーションがとれるところはありますね。特に昔は「プリントして送るね」とか言えましたし。写真を通して仲良くなった方も多いです。

永瀬正敏が若木信吾を撮る

永瀬は、バック地の前に立って自前のカメラを構える若木さんのポートレートを撮り始めた。

1分ほどシャッターを切ったあと、次は床に座った写真を撮らせてほしいと提案。自らスタジオの端にあった椅子などを運び出して場所をつくった。

カメラ位置が決まったところで、若木さんに座ってもらい、「若木さん、ひとつだけお願いごとがあって、あまり下を向くと顔が見えなくなるので、ちょっとだけ上を向いてください」と声をかけた。

若木さんが自前のカメラのフィルムチェンジをする姿は、大きな子どもが大切なおもちゃをいじっているようだった。

永瀬はカメラを手持ちに替え、最後には互いにカメラを向け合った。

撮影:永瀬正敏
撮影:永瀬正敏

酒をたしなむ、幸福な時間

永瀬 では、あらためて「一刻者」で乾杯。

若木 乾杯。

永瀬 今日は撮影もさせていただいて、ありがとうございました。

若木 永瀬さんって、撮っている最中にすでに仕上がりのイメージはありますよね?

永瀬 ええ、なんとなくありますね。もともとかっちりとしたポートレートとして、背景を立てライティングして撮る予定だったけれど、スタジオに入ったときに、若木さんならもしかしたらこっちもありかなと思って、白ホリからはずれたところでも撮らせていただきました。

若木 楽しかったです。永瀬さんは撮りたいイメージがはっきりしていて、「いまこの時だ!」という、いつシャッターを押したらいいか、自分の好きな瞬間を知っている。その能力がとても長けていて、まさに写真家だなと感じました。さきほどモニターでいくつか上がりを見たけれど、僕が写っているのに、そこに永瀬さんを見ることができて、まるで永瀬さんのセルフポートレートみたいだなと。撮影者と被写体がシンクロする瞬間というんでしょうか。そういう瞬間が撮れる方だと思いました。

永瀬 そんなに褒めていただいて、嬉しいです。若木さんは「一刻者」のキービジュアルを撮ったのをきっかけに、家にも置くようになったとか。

若木 そうなんです。紺色のラベルと紫のラベルの両方があって、紫のほうがいまのお気に入り。水割りで飲んでいるのですが、味や香りがはっきりしているのがよくわかります。

「いっこもん」というのは、頑固者という意味だそうですね。

永瀬 ええ、南九州の話し言葉です。実際、宮崎県の黒壁蔵を見学したのですが、本当に細かいところから職人さんがこだわっているし、「いいものを味わっていただきたい」という深い思いに、正直感激しました。

若木 まさにこだわりの酒ですね。飲む時はひとりが多いですか?

永瀬 そうですね。誰かとももちろんありますが。あと、撮影終わりの打ち上げに「一刻者」を持参して、一緒に作品をつくってきた仲間がそれを取り合ってくれる姿を見ながらほくそ笑んじゃうことも(笑)。「美味い!」なんて声が聞こえちゃうと、よしよしと。

若木 嬉しいですね。僕はひとりで飲むことが多いです。妻もあまり飲めないし、逆にお酒があることで、ひとりの時間をつくれるという面もある。

永瀬 お酒を飲むシーンって、本当にいろんなシチュエーションがありますよね。僕にとっては「一刻者」の甘みが特別なものなので、それを飲んでリラックスしたいときもあるし、逆にいろいろ考えたりするための起爆剤にもなる。とてもポテンシャルの高いお酒だと思います。

若木 シチュエーションでいうと、僕は浜松で写真集がメインの書店をやっているくらいなので、写真集は見ながら飲むときもあります。

永瀬 なるほど。

若木 新しい本や写真集を買って、最近はシュリンクに入っているので、その封を切る日は「一刻者」を飲むぞとか。

永瀬 超スペシャルな時間になりそう。

若木 ぜひ、次回はご一緒に。そして、これからも永瀬さんを撮らせてください。

永瀬 嬉しいです。僕、自慢できることがほぼないんだけど、その中で唯一自慢できるのが、出会い。若木さんとの出会いも、「一刻者」との出会いもそう。大事にしていきたいです。

若木 これまでの30年のように、今後もお互いにさらなる変化や進化があれば、また面白いですね。

永瀬 昔はいまいちできなかったけれど、いまならできる! みたいなのもありますし。

若木 ぜひやっていただこう。次回の打ち合わせには「一刻者」を持参します(笑)。

永瀬 (笑)いや、僕が持っていきますよ。

全量芋焼酎「一刻者」

“一刻者(いっこもん) ”とは、南九州の話し言葉で頑固者のこと。
「一刻者」は造り手が “芋だけでつくるおいしさ” に頑固なまでにこだわり続ける芋100%の本格芋焼酎です。

原材料に南九州産のさつまいもを100%使用し、独自の“芋麹仕込”と“石蔵貯蔵” による芋本来の甘い香りと上品な味わいが特長。本格焼酎の本場、宮崎県にある 「宮崎・日向 黒壁蔵」で仕込む全量芋焼酎。

2022 SFWSC特別金賞受賞
2023 ISC金賞受賞


【商品概要】
アルコール分:25%
容量/容器:720ml/壜
参考小売価格:1528円(消費税抜き)

■お問い合わせ先
宝ホールディングス株式会社 お客様相談室  0120-120-064(9時~17時 土日祝日を除く)
一刻者ウェブサイト https://www.ikkomon.jp/

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