カウンターカルチャーの世界観をたっぷり味わう

古書店であり、ブックカフェであり、バーらしき一面もある。店番は週6、7人で交代し、流す音楽はその日の担当まかせ。2007年に開業した店は、現在約20人の運営メンバーによって共同運営されている。

木の温もりにホッとする店内。

彼らをつなぐのは、書棚を占める「対抗文化」にまつわる世界観。ここは、代替可能なもうひとつの世界を構想する本を扱う、対抗文化専門古書店なのである。シャーマニズム、社会学、人類学、アナキズムまで60年代カウンターカルチャーから現在まで続く文化を紹介している。

運営メンバーのひとりである小川ふみさんはこう語る。「扱うのは、この現実じゃない何か、今いるチャンネルとは別の世界に気づくことができる本です。それは逃避とは違い、もうひとつのリアリティなんです」

1年をかけてセルフビルドで造り込んだ店内は、無垢の木や自然素材を多用し、シュタイナー建築の要素が取り込まれている。4坪しかない店内だが、ロフトがあり圧迫感がないのも特徴的だろう。

手触りのいい大テーブル。
豆乳チャイを片手に読書に没頭。

本だけを買っていくお客もいるし、お茶を飲みながら話をしていく人もいるという。時にロフトで昼寝をしていくなんて御仁もいるとか。そんな話をしながら豆乳チャイをいただいた。シナモンやスターアニスなどスパイスをゴリゴリと潰して煮出した本格派、香りが良く体の中に染み渡る。

月3回ほど、海外のアナキズムの紹介や民族音楽ライブといったイベントを開催しているという。この小さな店内に、30人ものお客が詰めかけたこともあるというから驚きだ。

はじめて訪れた「気流舎」は、まるで宙にぽっかりと浮かんでいるような、地中の奥深くに潜むような空間だった。別世界に気づく、そんなきっかけを生む存在である。

丸窓が目印。優しい雰囲気は入りやすい。

文/沼由美子 写真/遠藤 純