爽やかかつさっぱり系からキレのあるドライ系まで様々

ウイスキーの飲み方は、ストレートやロック、水割りだけではない。フルーツやジューズなどを使ったウイスキーカクテルはBARでも人気カクテルのひとつ。カクテルは女性やお酒に弱い人の飲み物イメージを持つ人も少なからずいるが、決してそうではない。

飲み口も様々で、前述のフルーツやジュースなどを使った爽やかでさっぱりとしたカクテルを始め、じっくりと1杯を味わいたくなるようなロックスタイルのカクテルやキレのあるショートカクテル、さらに寒い冬の夜やアウトドアでも人気のホットカクテルなど種類は豊富だ。ゆえにウイスキーフリークにも愛される「名カクテル」が多い。

そして、ウイスキーをベースとしたカクテルには、各々の物語があるのもいい。世界で最も有名なカクテルのひとつ「マンハッタン」はアメリカ・ニューヨークのマンハッタン・クラブの名にちなんで名付けられたとされ(諸説あり)、ゴットファーザーも1972年公開の映画に由来している。物語を知り自分好みのカクテルを見つけることで、ウイスキーを飲む愉しみがさらに広がっていくはずだ。

【ショート】深く澄んだ赤色のカクテルの女王「Manhattan(マンハッタン)」

マティーニと並び称されている!

マンハッタンの名は1876年のアメリカ大統領選の候補者支援パーティーで考案されたという説が有力。ニューヨークのマンハッタン・クラブで提供されたことからその名がついた。甘い酒を連想させるが、ベルモットの種類により味わいが変わるショートカクテル。

考案者はのちの英国首相であるチャーチルの母親だったという説も……。

<材料分量>
●バーボンウイスキー 3/4量
●スイートベルモット 1/4量
●アンゴスチュラ アロマティック ビダーズ 1ダッシュ
※ベースはアメリカンやライ、カナディアンウイスキーなどでもOK。

<作り方>
ミキシンググラスにアンゴスチュラ アロマティック ビターズ、ウイスキー、ベルモットを順に注ぎ、マドラーで優しくステアしてグラスへ。カクテルピンにチェリーを刺して飾りレモンピールを適量絞る。

【ロング】芳醇な香りに砂糖の甘みがマッチ「Irish coffee(アイリッシュ・コーヒー)」

1940年代後半、アイルランド西海岸にあるシャノン空港のレストラン・バーのチーフバーテンダーであるジョー・シェリダンが考案。寒い中、空港待合室で待つ乗客のために身体を温めるためコーヒーにアイリッシュウイスキーを入れたのがこのカクテルの始まり。

<材料分量>
●アイリッシュウイスキー … 30ml
●砂糖 … 1tsp. 
●ホットコーヒー … 適量
●生クリーム … 適量

<作り方>
温かいコーヒーに砂糖を入れて溶かしてコーヒーシロップを作り、グラスにコーヒーとウイスキーを注ぐ。その上に生クリームをフロートすれば完成。作る前にグラスに湯を入れて温めておくといい。

【ロング】日本でも馴染みの大人気カクテル「Whisky and Soda(ウイスキー・ソーダ)」

いわゆるウイスキーソーダ割で別名はハイボール。手軽にウイスキーを愉しめるカクテルのひとつ。名には諸説あり、スコットランドでウイスキーのソーダ割を作っているところにボールが飛び込んだ説、アメリカでソーダ泡が上昇する様をボールに見立てたなど様々。

<材料分量>
●スコッチウイスキー … 1/4
●ソーダ … 3/4

<作り方>
たっぷりの氷を入れたグラスにウイスキーを注いでよくかき混ぜ、溶けた分の氷を足す。次によく冷えたソーダを注ぎ、必ずマドラーで縦に1回だけ混ぜる。炭酸が抜けすぎないようにするのがコツ。

【ロング】「古典的」なアメリカンカクテル「Old Fashioned(オールド・ファッションド)」

19世紀半ばバーボンの聖地ケンタッキーで生まれた説が有力。競馬場でウイスキーにシロップを入れ、水などで割った古風なドリンク「トディ」を参考に作ったことから「オールドファッションド」と命名。ベースはアメリカンウイスキーで、ビターなカクテル代表格。

<材料分量>
●バーボンウイスキー … 45ml
●角砂糖 … 1個
●アンゴスチュラ アロマティック ビダーズ … 1ダッシュ

<作り方>
グラスに角砂糖を入れ、アンゴスチュラ アロマティック ビターズを振る。氷を加えてウイスキーを注いだら好みのフルーツ(オレンジ、レモンピールなど)を添える。角砂糖を崩しながら甘みを調節する。

【ロング】深い味わい、美しい琥珀色の酒「Godfather(ゴッド・ファーザー)」

甘みはイタリアの家族愛を表現

その名は映画「ゴッドファーザー」(1972年公開)に由来する。これはアメリカでのイタリア人社会を描いた映画であり、このカクテルもイタリアを代表するリキュールである「アマレット」を使う。アマレットを使うことで、イタリア人の家族愛をカクテルで表している。

映画『ゴッドファーザー』(1972) アメリカ
監督:フランシス・フォード・コッポラ 
出演:マーロン・ブランド、アル・パチーノ、ジェームズ・カーンほか

マフィアのバイオレンスな描写も含め重厚な人間のドラマが描かれる。マーロン・ブランドやアル・パチーノなどの演技が光る名作で、第45回アカデミー賞(1973年)では作品賞、主演男優賞、さらに脚色賞を受賞。今なお歴史に残る名作。

<材料分量>
●スコッチもしくはアメリカンウイスキー … 3/4
●アマレット … 1/4

<作り方>
グラスに氷を入れ、ウイスキーとアマレットを注ぐ。最後に軽くかき混ぜれば完成。(無色透明のロックグラスを使用すると、美しい琥珀色に輝くゴッド・ファーザーの見た目も愉しむことができる)。

【ショート】紅色が美しいアイルランドのバラ「Irish Rose(アイリッシュローズ)」

アイリッシュ・ローズは直訳すると「アイルランドのバラ」。名の通り真っ赤な色がバラのように美しいカクテルで、ウイスキーはアイリッシュをベースに作る。アルコール度数は20〜30度とやや高めであるが、酸味と甘みがあるので口当たりが良く飲みやすい。

<材料分量>
●アイリッシュウイスキー 45ml 
●レモンジュース 15ml
●グレナデンシロップ 1tsp

<作り方>
全ての材料をシェイクしてグラスに注いで完成(グレナデンシロップとはザクロ果汁と砂糖で作られたシロップ。フランス語でザクロをグレナデンということが由来。アルコールは含まない)。

【ロング】レモンとジンジャーエールの爽快感「Mamie Taylor(マミー・テイラー)」

1899年、アメリカ・ニューヨークのブロードウェイで活躍したオペラ歌手「マミー・テイラー」が由来とされるカクテルで、別名「スコッチ・バック」。レモンの酸味がスコッチウイスキーの風味を引き立て、ジンジャーエールの清涼感を感じられる人気のカクテル。

<材料分量>
●スコッチウイスキー … 45ml
●フレッシュレモンジュース … 20ml
●ジンジャーエール … 適量

<作り方>
スコッチウイスキーとフレッシュレモンジュースを氷を入れたグラスに注ぐ。冷えたジンジャーエールで満たす。バックとは各種スピリッツにレモンジュース、ジンジャーエールを加えたレシピを指す。

【ロング】甘くほろ苦い芳醇な味わいが特徴「Rusty Nail(ラスティー・ネール)」

「ラスティ・ネール」は錆びた釘を指す。古めかしいものの意があるが、第二次世界大戦後に生まれた新しいカクテル。使うドランブイはウイスキーリキュールの中で最も歴史があるリキュール。スコッチウイスキーとドランブイ、ベストマッチといえるカクテル。

<材料分量>
●スコッチウイスキー … 40ml
●ドランブイ … 20ml

<作り方>
ロックグラスに氷を入れ、スコッチ〜ドランブイの順に注いでステアして完成(ドランブイはウイスキーベースのリキュール。蜂蜜やハーブ、スパイスなどを配合し、甘くほろ苦い味わいが特徴的)。

【ロング】米・クリスマス定番の甘めの一杯「Eggnog(エッグ・ノッグ)」

北米ではメジャーでクリスマスや新年のような冬の祭りで飲まれることが多い(アルコールなしのエッグノッグの方が有名)。温めた牛乳で作った中世ヨーロッパの「ポセット(元はミルクで作るホットドリンクで、現在は冷たいデザート)」が起源だという説もある。

<材料分量>
●バーボンウイスキー … 30ml
●ラム … 15ml
●砂糖 … 適量
●卵 … 1個
●牛乳 … 適量

<作り方>
材料をシェーカーに入れ、よくシェイクする。氷の入ったグラスに注ぎいで牛乳を加えてよく混ぜる。ナツメグを加えてもいい(砂糖の代わりにシュガーシロップを使うのも可。卵は予め泡立てておく)。

【ショート】スコットランドの義賊の名を冠す「Rob Roy(ロブ・ロイ)」

「マンハッタン」のウイスキーをスコッチウイスキーに変えたレシピ。名はスコッチウイスキーの産地スコットランドで17世紀後半から18世紀初頭にかけて活躍した義賊「ロバート・ロイ・マクレガー(通称ロブ・ロイ)」が由来とされる。甘みがあり飲みやすい。

<材料分量>
●スコッチウイスキー … 3/4
●スイートベルモット … 1/4ml
●アンゴスチュラ アロマティック ビダーズ … 1ダッシュ

<作り方>
作り方はマンハッタン同様。ミキシンググラスにアンゴスチュラ アロマティック ビターズ、ウイスキー、ベルモットを順に注ぎ、マドラーで優しくステアしてカクテルグラスへ。チェリーを飾って完成。

【ロング】ケンタッキーを象徴するカクテル「Mint Julep(ミント・ジュレップ)」

ミント・ジュレップはケンタッキーの人々が最も愛飲するカクテル。 生まれは18世紀頃のアメリカ南部とされる。ケンタッキーの人々にとって身近なカクテルであり、ケンタッキーダービーの公式ドリンクとなっている。ミントの爽やかさで、夏のカクテルとして有名。

<材料分量>
●プレミアムバーボン … 45ml
●ソーダ … 20ml
●ガムシロップ … 15ml
●ミント … 5g

<作り方>
グラスにミントとガムシロップを入れ、バースプーンでミントを軽く叩いて香りを出す。ウイスキーを注ぎで軽くステアしながら、数回に分けてクラッシュアイスを混ぜる。最後にミントを飾れば完成。

※【分数】はカクテルグラスに注いだ時の適量:1(60ml)に対してどれくらいかを表したもの。
(例)2/3=60ml×2/3=40ml
※【tsp.(ティースプーン)】=1tsp.は約5ml
※【dash(ダッシュ)】=1ダッシュは1ml
※バッジ部分はカクテルの種類を指す
レシピ出典・参考/サントリーHPなど

撮影◎遠藤純(一部)/撮影協力◎ねも(一部)

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