日本のバーテンダー史上、欠かせない2人が立ち上げた個性
店名のY&Mは2人の伝説的なバーテンダーを表している。Yは吉田貢氏で、「パレスホテル」勤務し、定年後に名バー「よ志だ」の三代目オーナーバーテンダーに。Mは「毛利バー」の毛利隆雄氏。
ブードルスのジンを冷凍、「100回ステア」を行う独創的なマティーニで、その概念を変えたといわれている。
一流のバーテンダーとして名を馳せた2人が作り上げた店は、今でも風格が漂っている。吉田氏は惜しくも鬼籍に入ったが、毛利氏は現在も深夜に時折カウンターに立つする。姿を見せただけで店の空気が変わるようなオーラがあるという。
現在は、阿部修夫氏、石原彰氏の二枚看板が曜日ごとに担当している。石原氏は帝国ホテル出身で、スタンダードカクテルが得意だ。
「毛利さんのマティーニは主張していますが、僕はボタニストを使って、スッキリを目指しています」
バーテンダーそれぞれの個性を愉しむ。それもバーの醍醐味だ。
文/阿部 文枝 写真/秋 武生