42242北の大地に抱かれて理想のウイスキーを追求 「厚岸蒸溜所」

北の大地に抱かれて理想のウイスキーを追求 「厚岸蒸溜所」

男の隠れ家編集部
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スコットランドの伝統製法で、アイラモルトのような世界に誇れるウイスキーを造りたい。そんな情熱が、北の大地・北海道の厚岸に理想の蒸溜所を開設させた。

■冷涼で湿潤、海風が当たる厚岸が生んだモルトの傑作

その気候や自然環境が、ウイスキー造りの本場であるスコットランドとよく似ている北海道。日本のウイスキー造りのパイオニア・ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝は、昭和9年(1934)に日本におけるウイスキー造りの拠点に北海道余市町を選んだ。以来、余市はウイスキー造りの聖地となっている。

それから約80年が経過した平成25年(2013)、食材の輸出入を手掛ける堅展実業は、北海道厚岸に蒸溜所を設立するため、国内2カ所の蒸溜所から原酒を購入し、試験醸成を開始。豊かな湿地が広がり、冷涼かつ湿潤な気候で知られ、アイラモルトで有名なスコットランドのアイラ島に似た環境を有する厚岸では、独特のフレーバーを持ったウイスキーが醸成できることを確信する。その結果を受け、平成27年(2015)より蒸溜所の建築がスタートした。

ポットスチルの形状はストレートヘッドのオニオンシェイプ。加熱はラジエーター方式、付属するコンデンサーはシェル&チューブ式だ。マッシュタンはセミロイター式。アイラ島の蒸溜所と似ている。
2つのダンネージ式の熟成庫に加え、2018年2月には革新的なラック式の熟成庫が完成し、充実度が増した。

「スコットランドの伝統製法で、アイラモルトのようなウイスキーを造りたい」という強い想いから、ポットスチルなどの設備はスコットランドのフォーサイス社製のものを選び、設置には現地の職人を招聘するほどのこだわりを見せた。そして平成28年(2016)10月に蒸留開始。現在、厚岸湾を臨む丘の上に立地する第3・4熟成庫に樽を貯蔵。潮騒を聞きながら静かに熟成を重ねている。

また令和2年(2020)には初のシングルモルトウイスキー「厚岸ウイスキーサロルンカムイ」を発売。以降、二十四節気シリーズを年に4回リリース、令和4年(2022)2月には「厚岸ブレンデッドウイスキー大寒」を発売した。包材のデザインは極寒の厚岸湾に早朝出現する「けあらし」をモチーフにした。

熟成樽はバーボン、シェリーに加え、北海道産の「ミズナラ」も使用。そこに厚岸の海風が独特の風味を加味する。

■新たに誕生したウイスキーの聖地

●二十四節気シリーズ

2020年にシングルモルトウイスキーを発売以降、毎年4製品リリースしている同シリーズ。2022年には第6弾を発売。

厚岸シングルモルトウイスキー 寒露
容量:700ml
アルコール度数:55度
価格:1万6500円

厚岸シングルモルトジャパニーズウイスキー 芒種
容量:700ml
アルコール度数:55度
価格:1万6500円

厚岸ブレンデッドウイスキー 処暑
容量:700ml
アルコール度数:48度
価格:1万1000円

厚岸シングルモルトジャパニーズウイスキー 立冬
容量:700ml
アルコール度数:55度
価格:1万9800円

●厚北海道産ミズナラ樽で熟成させた原酒も配合

ピートは控えめだが、しっかりと厚岸モルトらしい豊潤な甘みを有するブレンデッドウイスキー。

厚岸ブレンデッドウイスキー 大寒
容量:700ml
アルコール度数:48度
価格:1万3200円
【色】輝くシャンパンゴールド 
【香り】オレンジティー、黒糖、ストロベリー、杏ジャム、厚岸モルト特有のフルーティな香り
【味わい】シトラス系の酸味と甘味、シーソルト、豊潤な甘み 
【余韻】ホワイトペッパー、カカオビター、チョコレート様の甘味が続く

文/野田伊豆守

厚岸蒸溜所 (あっけしじょうりゅうしょ)

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