玄関扉を開けて足を踏み入れると、まずはマンションとは思えない土間空間に驚かされる。さらに足元照明に導かれるように奥へと続く“通り庭”風の廊下。

「京都の町家や通り庭の雰囲気が好きなので、その要素を取り入れたいとデザイナーに相談したんです。ほかにもリノベーションだからこそ実現できたオリジナルの工夫が色々あります」と話す日高佳祐さん。

玄関側からは“通り庭”の廊下のほか、浴室やトイレのある廊下からもリビングへとアプローチできる回遊性のある造りになっている。

黒壁のほの暗い“通り庭”を抜けて広がるのは明るいリビングダイング。そこは、訪れるゲスト誰もが思わず声を上げてしまう開放感と空気感に包まれている。アカシアの無垢材の床やカウンターキッチン、そしてリビング横にはロフトを造りつけた壁のない寝室ゾーン。実はこの中空に設置された上段のロフトこそが日高さんの小さな秘密基地なのだ。

63平方メートルの2LDKのスペースを全てスケルトン状態にして1LDKに変更。左端が“通り庭”。
漫画の本を中心にお気に入りの本がずらりと並ぶ。

一見すると収納スペースのようだが、部屋としての機能を重視し、座ってくつろげるよう天井の高さも考慮。本棚を設置して好きな本をずらりと並べ、ここで読書に耽る時間が何より楽しいと日高さんは笑顔を見せる。

愛猫の“きなこ”が駆け巡れるようキャットウォークの造りも部屋の随所に施されている。

時に飼い猫が寄り添ってゴロリと昼寝をするのも至福のひと時。キッチンに立つ奥さんともすぐに目線を合わせられる距離感も悪くないという。ちなみに愛猫が駆け巡れるようキャットウォークの造りも部屋の随所に施されている。また、ロフト下段のベッドスペースは、リビングよりも床を一段下げてやや深さを持たせた空間にしている。

「洞窟のようにこもれる感じがとても心地良いんですよ(笑)」

身長180cm超という長身の日高さんでも、座って過ごせるロフト。

1LDKの空間はあえて壁などで仕切っていない。しかしそこには、こもる感覚の秘密の場所と、温かな家族の一体感が共存している。

キッチンカウンターを挟んで奥さんとの会話も弾む。

【秘密基地造りのPOINT】
1.客人が驚く自慢のオリジナル空間。
2.狭くてもひとりで過ごせる空間を。
3.こもり感のあるロフトと寝室を一体に。

【Owner’s voice】
自分のスペースといっても家族とのつながりがある、なんとなく区切られた感じが気に入っています。そして愛猫の“きなこ”と楽しく過ごせることも大事!

文/岩谷雪美 撮影/佐藤佳穂