日本にごく少数輸入された、伊ミッレミリア参加車
1940〜50年代のフランスではルノーやシトロエンといったメジャーな会社以外にも数多くの小規模自動車メーカーがクルマを製造していた。その小さなメーカーのひとつがパナールだ。加藤さんが幼少時代に住んでいた立川市は米軍基地があったことで、子どもの頃から欧米車を数多く目にしており、20歳で初めて購入したクルマがベンツ280SEだというのも自然だった。それから32年もの間30台以上を乗り継いできたのだという。

ある時、日本最大のビンテージカーイベントともいわれるラフェスタ・ミッレミリアにどうしても参加したくなり、そこで見つけ出したのがこのパナールのディナXだった。日本に輸入されたのは、ほんの数台しかなく、加藤さんが手に入れたのは本場イタリアのミッレミリアにも当時参加したクルマだという。


現在エンジンの調子も良好で問題ないのだが、今後心配なのはパーツの調達。フランス国内で探さないと入手できないとのことだ。そんな旧車を持つ苦労を理解した上で、さらに1930年代、戦前のクルマにも興味を持ち始めたらしい。古いアメリカ映画に出てくるギャングカーなども探してみたいそうだ。そしていつかはこのクルマで自分も本場のミッレミリアに参加したいという。







