「この先、50年使えるヴィンテージ家具を売る」というモットー

上質で品のある木の風合いを最大限に引き出した家具が並ぶ。家具と調和する小物もあり。

これが半世紀前のものかと目を疑うような、洗練された家具が連なる。いずれもデンマーク、スウェーデン製のヴィンテージである。店名に、「融合」を意味する「Fusion」と掲げているのは、2001年の開店当初、オーナー・戸田和壽さんは国も年代もミックスした家具を扱うつもりでいたためである。

ところが、買い付けに訪れたアメリカで戸田さんが惹かれたのは、どれもデンマーク製。1年目にして北欧家具中心のラインナップへとシフトをした。

デンマーク家具といえば、モダンのはしり、アメリカのミッドセンチュリーのベースとなったとされる。「工業のないデンマークでは、家具が国を挙げた産業となっている背景があるんです」と戸田さん。しかも50年前とあれば、現在では入手困難な希少な木材が用いられているのも魅力といえよう。

オーナーの戸田和壽さん。目黒インテリアショップコミュニティ「MISC」を立ち上げた人物。

色がよく木目も美しいタイ産のチーク、削るとバラのような香りがし、森のダイアモンドとも称されるブラジル産のローズウッド、希少な北海道産のオーク、それにウォールナッツなどなど。洗練されたデザインは和室にも調和する。

戸田さんのモットーは、「この先50年使える家具を売ること」。そのための徹底的なメンテナンスもまた、この店の大きな特徴である。

木目を対象に配し、木の風合いを存分に味わえる作り。鍵穴や取っ手まで、行き届いた仕事が光る。

例えば椅子の場合は、革や布も北欧から高品質のものを取り寄せる、木を磨くときはサンドペーパーではなく、元来の風合いやニュアンスを残したまま繊細に磨けるスチールウールを用いる、といった具合。

内部のウレタン材に至るまで、選び抜いたもののみを用いて手をかける。そのため、定評のあるソファなどは予約で完売してしまうことも珍しくない。この妥協のなさが、「買うなら、この店で」と思わせるクオリティを生み出している。

※2013年取材(取材時から店舗移転。下記、基本情報は現在のお店のものです)

文/沼 由美子 写真/佐藤佳穂