1200年の歴史を有する
山陰最古のを湯を味わう
「岩井屋」は山陰最古ともいわれる歴史を持つ岩井温泉に江戸時代末頃に創業した。この地域に湧出する岩井温泉は、平安時代に藤原冬久が自身の皮膚病を治したことに端を発する。
快癒して以来の冬久はこの地に定住し、病に苦しむ人々を助けたそうだ。また岩井温泉では「ゆかむり」という独自の入浴方法がある。温泉の効能をより多く得られるよう、柄杓で掬った湯を頭から「かぶる(かむる)」ことが由来となっている。
同宿では、立ったまま胸まで浸かれる湯船を設えた大浴場「源泉長寿の湯」や、竹垣に囲まれた東屋風の造りをした露天風呂「背戸の湯」など様々な浴場を用意。貸切風呂もあるが、いずれも良質な温泉を源泉かけ流しで愉しめる。
入浴後のお愉しみはやはり夕食。海や山に恵まれた因幡岩井の幸を生かした郷土の会席料理で、冬季は限定で松葉ガニを堪能できるのも嬉しい。
また、特産品の鳥取和牛や鳥取の珍味モサエビのほか、郷土料理に合う地酒も取り揃えているので、潮風香る岩井の味覚が堪能できる。
寒い季節には山陰随一の歴史を誇る老舗旅館で温泉三昧を愉しみたい。