江戸末期から続く
冷泉のある秘湯宿で過ごす
四季の山並みが愉しめる九重山麓の麓に佇む一軒宿「寒の地獄旅館」は、昭和3年(1928)創業の昔懐かしい風情を残す温泉旅館。
この地域に湧出する寒の地獄温泉は、江戸末期の嘉永2年(1848)に開湯した歴史ある秘湯で、開湯以来170年近くこの地で人々の体を癒してきた。
「寒の地獄」という名前の由来は、宿の名物として知られる極寒の冷泉(夏季限定)にあり、傷を負った猿が水に浸かっているのを猟師が見つけたのが始まりだという。
全国でも数少ない足元から湧出する冷泉で、その湧出量は毎分2tを超える。この源泉かけ流しの冷泉を薪で加温した内湯「互久楽湯」は、男女日替わりでヒノキ風呂と切石風呂が愉しめる。ほんのりと漂う硫黄の香りと、40℃前後に調節された程良い湯加減がまた心地良い。
夕食は食事処「八重喜」で、囲炉裏を囲みながらゆっくりとした時間を過ごせる。さっと炙った大分県特産の豊後牛や九重夢ポークの溶岩焼きをはじめ、冬季に旬を迎える野菜が膳を彩る。
懐かしさ漂う宿で、囲炉裏を囲みながら冬のひとり旅を満喫したい。