〈古戦場を旅しよう〉広い空と蓮の堀が印象的 夏の風が似合う美観「備中高松城の戦い」(岡山県・岡山市)
いくさ巧者と言われ、中でも城攻めを得意とした羽柴秀吉は様々な方法で相手方の城を降伏させている。その中でも特に有名なのが、城一帯を水没させてしまう備中高松城の水攻めだ。備中高松城の戦い(びっちゅうたかまつじょうのたたかい)
開戦年:天正10年(1582)
羽柴秀吉VS清水宗治
JR吉備(きび)線の備中高松駅から徒歩10分ほどの場所にある備中高松城跡は、多くの人が思い描く城跡とはだいぶ趣(おもむき)が違う。


周囲は広大な田園地帯で、遠くに山が見える。とにかく空を隠すものがほとんど見当たらない。戦国の城といえば、攻撃されにくい山の上に築かれたものがほとんどだが、この城は沼や沢、湿地に囲まれていた。それが自然の防壁だったわけだ。今は本丸周辺が池となっていて、夏には花ショウブや宗治蓮の花が出迎えてくれる。

羽柴秀吉は城の周囲が低地ということを逆手に取って、長大な堤防を築いて川の水を引き入れ、城の周囲に人工の湖を出現させる水攻めを行った。

城址公園から南東約1km、吉備線の線路に近い場所には、その際に築かれた堤の跡も残されている。その大きさに目を見張ってしまうだろう。



情報概要
住所 | 岡山県岡山市北区高松 |
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電話 | 086-287-5554 (高松城址公園資料館) |
アクセス | JR「備中高松駅」より徒歩約10分。岡山自動車道「岡山総社IC」より約15分 |