奈良時代に造営された、難波(大阪)と大和(奈良)を一直線の最短距離で結ぶ古い幹線道路。生駒山中の難所・暗(くらがり)峠を越える道で、江戸時代には大名の参勤路、庶民にとっては初瀬(はせ)・伊勢参りの参詣道として大いに賑わった。

暗峠・奈良街道と東高野街道が交差する要衝の地に佇む枚岡神社。
峠の大阪寄りに湧く弘法の水。かつては旅人の喉を潤したであろう。この場所には弘法大師を祀る大師堂が建てられ、堂内には多くの石仏が鎮座する。

大正時代の初めに生駒トンネルが開通し大阪と奈良が鉄道でつながるまで、主要道として多くの人々が行き交ったという。

細い石畳の道が続く暗峠の道は、松尾芭蕉が「菊の香にくらがり登る節句かな」の句を残した地。現在も国道308号として現役の道路で「日本の百名峠」にも選ばれている。日本一の急勾配を誇るつづら折れの峠越えの道だ。付近にはハイキングコースも整備されている。

峠の道沿いを歩くと松尾芭蕉の句碑が見えてくる。

かつての峠には多くの旅籠が建ち並んでいたが、現在は峠付近に残された石畳だけが往時の面影を伝える。

峠付近には茶屋「すえひろ」もあり、今もハイカーやツーリング客をもてなす。茶屋の名物はあずき入りのコーヒーだ。

歩くなら近鉄奈良線枚岡(ひらおか)駅をスタートし、南生駒駅でゴールする17kmのハイキングコースがお勧め。

生駒山南東麓、西畑などの地域に広がる美しい棚田の風景。

急登が続く細い国道を行くと、峠へ至る。茶屋でひと休みしてから先へ進めば、眼下には美しい棚田と奈良盆地の絶景が広がる。点在する石仏や石灯籠を数えながら歩きたい歴史道だ。

足を延ばして平群町の鴨川集落に残る揺動(ゆるぎ)地蔵尊を参拝するのも良い。

一部画像提供◎生駒市役所