奈良市街の北に位置する柳生の里は、剣豪として知られる柳生一族ゆかりの地。徳川家康・秀忠、家光の兵法指南役だった柳生宗矩(むねのり)の父、石舟斎(せきしゅうさい)が柳生新陰流をひらいた山里で、一帯には旧柳生藩家老屋敷などが今も残る。

少し足を延ばせば柳生の里にある柳生一刀石も。石舟斎が天狗との試合中に断ち切ったと伝わる。

柳生の剣術を求め多くの武士が通った道が、この柳生と奈良を結ぶ約20kmの柳生街道。奈良県北東部の谷あいを繋ぐ道で、近鉄奈良駅からルートが延びている。

鎌倉時代築の建築物をはじめ運慶作と伝わる大日如来像(国宝)がある円成寺。

コース中ほどに佇む古刹(こさつ)・円成寺までの前半部分は、将軍家剣術師範として大名となった柳生家が改修したと伝わる石畳が残る「滝坂の道」。緑陰が心地良い山道だ。

滝坂の道に佇む首切地蔵。
南北朝時代のものといわれる滝坂三体地蔵菩薩磨崖仏。

そして円成寺から阪原峠(かえりばさとうげ)を経て柳生へ続く「剣豪の道」では、山里の風情も感じられる田園風景が広がる。

茶畑の中に佇む五尺地蔵。

柳生の里界隈にも十兵衛杉や石仏など、一族の伝説が残る散策路「柳生・笠置(かさぎ)の道」が延びている。

室町時代に再建された円成寺本堂。

写真(一部)◎奈良市観光戦略課