通勤・通学区間だけになり営業距離は半分以下に

新十津川駅以北は1960年代になると、並行する国道の完全舗装化や、沿線人口の減少などにより利用者が激減。昭和43年(1968)には「赤字83線」に含まれ、昭和47年(1972)6月19日に廃止される

非電化区間の多くは、国道が並行している。クルマ利用者が圧倒的に多いのもわかる。

その後、JR北海道が発足した後も桑園~新十津川間は営業を続けていた。しかし同じ札沼線でも、札幌市内とその近郊を走る南側の区間と、人口密度の低い北側の区間では、利用状況が大きく異なっていた。南側区間では、日中毎時3本程度の運転本数があったが、同線の末端区間に当たる浦臼駅と新十津川駅間13.8kmは、1日1往復の運行であった。

町のスタッフによる手入れが行き届いていた新十津川駅。

そのため札幌方面から新十津川駅に向かう場合、曜日に関係なく朝の6時58分発の北海道医療大学行きに乗らなければ、浦臼を出る唯一の新十津川行きに間に合わない。加えて北海道医療大学の先は非電化だ。それまでは車窓をマンションや一戸建て、様々な学校などが流れ去って行ったが、非電化区間は国道275号線が並行して走り、周囲は田園や樹木に覆われた丘陵地帯といった風景が続く。時折、線路が原生林に囲まれているような場所もあり、まったく人の気配が感じられない。

新十津川駅周辺はのどかな田園地帯である。
近くには函館本線の滝川駅がある。

利用者が極端に少ないことで、非電化区間である北海道医療大学~新十津川間47.6kmは、令和2年(2020)5月7日付で廃止。それに先立つ4月17日に、ラストランが行われた。コロナ騒ぎのため多くの人が集まらない処置が施されたことが、惜しまれてならない。

力行とブレーキの2ハンドルを操作する車両と運転士の真剣な表情が眩しい。

写真/松尾啓司、金盛正樹 文/野田伊豆守

JR札沼線