1283銀座オーセンティックバー厳選10|雑誌編集部が選ぶ隠れ家名店

銀座オーセンティックバー厳選10|雑誌編集部が選ぶ隠れ家名店

男の隠れ家編集部
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銀座にはさまざまな飲食店が存在する。今回はそのなかでも、こだわる男なら知っておきたい老舗のバーを紹介しよう。今回紹介するバーはただ美味しいお酒を提供しているのではなく、老舗として愛される歴史を持っている。そんな歴史を交えつつ、その魅力に迫っていこう。
目次

この記事では、昔から多くの人に愛される銀座の本格的なバーを10店紹介する。バーの特徴や雰囲気、おすすめの理由などをたっぷり紹介するので、銀座のバーに詳しくなれること間違いなし。仕事の帰りや東京出張の際に、気軽に立ち寄れるお店ばかりなので、ふらっと入れるバーをお探しの方はぜひご一読いただきたい。

STAR BAR GINZA(スター・バー・ギンザ)|世界が認めた名店Bar

最初に紹介したいのが、銀座1丁目、三弘社ビル地下1階にある「STAR BAR GINZA(スター・バー・ギンザ)」だ。黒を基調とし、シックで重厚感あふれる店内は、天井にもおしゃれな装飾が施されており、まるで別世界に迷い込んだかのよう。ガラス張りの入口からも店内の様子がよく見える。

こちらのバーでオーナーを務めるのは、数々の功績を持つ岸久(きしひさし)氏。平成8年に世界カクテルコンクールで日本人初の優勝に輝き、平成20年には厚生労働大臣から卓越した技術者に贈られる「現代の名工」を受賞。

さらに平成26年には内閣府が定める日本の褒賞の1つ「黄綬褒章(おうじゅほうしょう)」を受賞した。加えてアイラ島の親善大使「アンバサダー・オブ・アイラ」としても活躍しているという。

そんな岸氏から教えを受け、現在店長を務めるのは吉田達也氏。人柄が柔らかく、彼に会うために遠方から訪れる客もいるという。はじめて足を運ぶ方でもきっと安心してお酒を楽しめるだろう。

こちらのバーがどれだけ高い技術を持っているのかは、提供されるカクテルの「氷」を見ればわかる。透明すぎて、液体を注いだ状態ではその姿が見えないほどなのだ。

この氷は「ニンジャ・アイス」と呼ばれており、温度の異なる3つの冷凍庫を使用して、緩めたり締めたりと3日間かけて形成され、提供時にはグラスの形に合わせて丁寧に削られる。海外にもファンがいるほどの、世界的に認められた技術だ。

こちらのお店で飲んでみてほしいおすすめのカクテルは、「ネグローニ」(1,650円)。ジン・スイートベルモット・カンパリを合わせたカクテルで、とても滑らかで飲みやすい。

BAR DATA
STAR BAR GINZA
中央区銀座1-5-13 三弘社ビルB1F
☎ 03-3535-8005
営業時間/17:00~24:00(LO23:30)
定休/第1月曜、第1火曜
席数/カウンター10席/テーブル席15席 チャージ/1100円
アクセス/東京メトロ「銀座1丁目駅」より約2分

JBA BAR SUZUKI(ジェイ ビー エー バー・スズキ)|半世紀以上続く老舗バー

昭和42年に創業し、半世紀以上続く古き良きオーセンティックバー「JBA BAR SUZUKI(ジェイ ビー エー バー・スズキ)」。

こちらの老舗バーをオープンしたのは、当時JBAと呼ばれるバーテンダー協会の会長を務めていた鈴木昇氏。お酒に関する深い知識を持っており、バーテンダーやワインインポーターが客として通うこともあったのだとか。

現在オーナーを務める吉田奉敬(ともよし)氏も、もともとは常連客の1人だったという。客とバーテンダーの距離が近い、憩いの場ともいえるバーなので、人の温かさを感じたいときにおすすめのバーだ。

客席は横に長いカウンターとなっており、頭上には創業当時から使用しているという照明が暖かな光を投げかける。この暖かさは扉を開けるまではわからないだろう。

おすすめのカクテルは、全6種類あるというジントニックのひとつ「鈴木のジントニック」(1,350円)。そのうち1種類は輪切りの生レモンがそのまま入っており、これは開業当時レモンの粉末を使ってジントニックを作っていたことを懐古したものなのだという。

「JBA BAR SUZUKI」は、東京メトロ「銀座駅」より徒歩7分、雑居ビルの4階だ。

BAR DATA
JBA BAR SUZUKI
中央区銀座5-4-15 ソニー通り西五ビル4F 
☎03-3572-0546
営業時間/18:00~24:00(月~木・土・日・祝)/18:00~翌2:00(金・祝前) 定休/無休 
席数/カウンター18席、テーブル8席 チャージ/1500円 
アクセス/JR「有楽町駅」、東京メトロ「銀座駅」より約7分

BAR 保志(バー・ホシ)|日本が誇るオーセンティックバー

銀座6丁目、AOKI TOWERというビルの8階に店を構える「BAR 保志(バー・ホシ)」。

バーテンダーの保志雄一氏が42年間カウンターに立つオーセンティックバーで、さまざまなオリジナルカクテルを提供しているのが特徴。基本に忠実ながらも先駆的な、美しいオリジナルカクテルの数々は、目も心も満たされることだろう。

保志氏は、学生時代のアルバイトで色鮮やかなカクテルに魅了され、以来この世界で挑戦を続けてきた。国内外のカクテルコンペティションで、いくつもの賞を受賞してきたという。

そんな「BAR 保志」おすすめのカクテルは、「フォーリングスター」(1,800円)。大会で優秀作品にも輝いたカクテルで、ラムベースの淡い水色が美しい。塩で天の川、レモンピールで星が表現されている。グランプリ受賞作の「サクラサクラ」もおすすめだ。

店内はついつい長居してしまいそうな心安らぐ空間となっており、カウンターテーブルに等間隔でキャンドルが置かれ、背もたれのある座り心地のいい椅子が並べられている。

BAR DATA
BAR 保志
中央区銀座6-3-7 AOKI TOWER 8F
☎03-3573-8887 
営業時間/19:00~翌3:00(土・日・祝日は18:00~翌1:00) 定休日/無
席数/カウンター10席、テーブル席20席 チャージ/1500円 
アクセス/JR「有楽町駅」、東京メトロ「銀座駅」より約5分

Y&M Bar KISLING(ワイ アンド エム バー・キスリング)|一流バーテンダーによる最高のカクテル

日本で欠かせないバーテンダーといわれる、名店「よ志だ」の三代目オーナーを務めた吉田貢氏と、「毛利バー」の毛利隆雄氏が作り上げたバー「Y&M Bar KISLING(ワイ アンド エム バー・キスリング)」。

吉田の「Y」と毛利の「M」で「Y&M」だ。現在は、阿部修夫氏と石原彰氏という2人のバーテンダーが曜日交代制でカウンターに立ち、時折、深夜になると毛利氏が立つこともある。同じ名前のカクテルでもバーテンダーによって味わいが異なったり、得意とするカクテルが違ったりするため、何度足を運んでも楽しめるのが特徴だ。

船のキャビンをイメージしたという店内は、一度足を踏み入れるとビルの中にいるとは思えないほど。カウンターだけでなくソファー席も用意されているので、1人でも複数人でも極上の時間が楽しめる。

おすすめのカクテルは「シャムロック」(2,270円)。ジェムソン・ブラック・バレルをベースにしたカクテルで、ハーブによる複雑な味わいを愉しめる。

「Y&M Bar KISLING」は銀座7丁目にあるラヴィアーレ銀座ビルの7階。平日は翌日3:00まで営業しているので、最後の一杯はゆっくり楽しみたいという方は、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか?

BAR DATA
Y&M Bar KISLING
中央区銀座7-5-4 ラヴィアーレ銀座ビル7F
☎03-3573-2071 営業時間/18:00~翌3:00(月~金)、18:00~23:00(土) 
定休/日曜、祝日 席数/カウンター12席、テーブル20席 
チャージ/1620円 アクセス/東京メトロ「銀座駅」より約5分

LITTLE SMITH(リトル スミス)|銀座で創業四半世紀のおしゃれBar

銀座6丁目のKNビル地下2階にある、洞窟のような空間に、馬蹄形のカウンターが特徴のバー「LITTLE SMITH(リトル スミス)」。こちらの独創的な空間は、建築家の故・柳澤孝彦氏が設計したという。洞穴にこもったような隠れ家的雰囲気が味わえ、落ち着いてお酒が飲める空間となっている。

こちらのバーは、名だたるバーテンダーを輩出する名門としても有名だ。初代の店長は平成13年の世界大会で優勝した保志雄一氏。さらに世界大会で優勝した耳塚史泰氏と、日本一に輝いた松尾一磨氏がバーテンダーを務めており、松尾氏は現在の副店長である。このように名バーテンダーを次々と輩出するのは、勉強会を開いてバーテンダー同士が互いに切磋琢磨し合っているからなのだとか。

おすすめカクテルは、このバーに伝統として伝わる「マティーニ」(1,500円)。初代店長の保志氏が作ったレシピを代々受け継いでいるそうで、タンカレイとビフィーターという2種類のジンを7:3の割合で使用するのがポイントだ。おしゃれなバーで美味しいカクテルを飲み明かそう。

BAR DATA
LITTLE SMITH
中央区銀座6-4-12 KNビルB2F
☎03-5568-1993 営業時間/18:00~翌3:00(月~金)、18:00~翌1:00(土) 
定休/日曜、祝日 席数/カウンター25席チャージ/1500円 
アクセス/地下鉄「銀座駅」より約5分

BAR武蔵(バー ムサシ)|本格的かつカジュアルにバーを愉しむ

「お客様それぞれ、色々な楽しみ方ができる店でありたい」というオーナーの思いから、堅苦しさがなく、カジュアルに愉しめる「BAR武蔵(バー ムサシ)」。

ランタンの光が灯る木製のドアを開け、地下へ降りるとそこには和やかな雰囲気のバーが広がる。7mあるカウンターの後ろには、木目調の机が美しいテーブル席とソファー席が続き、バー初心者の方でも構え過ぎずに足を運べるお店といえるだろう。

店名にもなっている武蔵昌一氏が開いたこちらのお店。当時アルバイトだった甲田岳彦氏が、現在は店長としてカウンターに立っている。ラム・コンシェルジュやテキーラ・マエストロなどの資格を持つという甲田氏は、常にアンテナを張り世界各国から人気のお店をいち早く入手。バーで美味しいカクテルにして提供している。

なかでもおすすめなのは、「ジンのお湯割り」(1,600円)。ニュージーランド産のクラフトジン「ダンシングサンズ」をお湯割りにし、マヌカハニーとレモンを添えたカクテルで、温かさが体に染み渡る。

「BAR武蔵」は銀座8丁目の東成ビル地下1階。東京メトロ「新橋駅」から徒歩5分のところにある。

BAR DATA
BAR武蔵
中央区銀座8-10-7 東成ビルB1F
☎03-5537-6634
営業時間/18:00~翌2:00(月~土) 定休日/日曜・祝日 
席数/カウンター10席、テーブル席13席
チャージ/1000円 アクセス/東京メトロ「新橋駅」より約5分

BAR HIGH FIVE(バー ハイ・ファイブ)|The world’s 50 Best Barsに選ばれた技術

世界のベストバー12位に選ばれたという名店「BAR HIGH FIVE(バー ハイ・ファイブ)」は、銀座5丁目、エフローレギンザ5ビルの地下1階にその店を構える。

オーナーの上野秀嗣氏は日本バーテンダー専務理事を務め、カクテル世界大会の審査やデモンストレーションを担うなど国際的に活躍するバーテンダー。そのためお店には多くの外国人客が訪れ、海外で活躍中のバーテンダーがカウンターで飲んでいることもあるのだとか。

上野氏の人気はもちろんだが、スペイン政府公認のベネンシアドール資格保有者(ベネンシアと呼ばれる道具を使って樽からワインを汲み出し、グラスに注ぐ優れた技術を持つ人のこと)の倉上香里氏が作るカクテルも魅力的。彼女にしか作れないカクテルもあるそう。

そんな名店でぜひとも飲んでみてほしいのが、「バンブー」(1,620円)。明治時代に横浜で生まれたカクテルで、シェリー・ドライベルモット・オレンジビターズを混ぜ合わせる。倉上氏は、これを「スローイング」と呼ばれる技法を用いて高い位置から注ぎ、空気に触れさせることによって穏やかな味に仕上げる。

そんな2人の名バーテンダーがお酒を提供してくれる「BAR HIGH FIVE(バー ハイ・ファイブ)」は、月曜から土曜に営業中。間接照明がポッと照らすダークな店内は、落ち着いてお酒を飲みたいときにぴったりだ。

BAR DATA
BAR HIGH FIVE
中央区銀座5-4-15 エフローレギンザ5ビル B1F
☎03-3571-5815 営業時間/17:00~翌1:00(LO24:20) 
定休/日曜、祝日 席数/カウンター12席 テーブル10席 チャージ/1000円 
アクセス/JR「有楽町駅」、東京メトロ「銀座駅」より約5分

BAR FOUR SEASONS(バー・フォーシーズンズ)|一人でも入りやすい銀座の隠れ家

東京メトロ「銀座駅」からたったの徒歩1分にある「BAR FOUR SEASONS(バー・フォーシーズンズ)」。艶やかなカウンターが奥まで続く店内は、厳かながらもどこか入りやすい雰囲気が漂う。

こちらのバーはバーテンダーの勝亦誠氏と藤谷寛子氏の夫婦によってオープンされた。オーナーは勝亦氏で、店長は藤谷氏、さらに坂上裕大氏をはじめとした若手3人が現在接客やカクテル作りを学んでいる。伝統を受け継ぐために日々仕事に励む若手の姿は、なんともほほえましく、穏やかな気持ちになれることだろう。

こちらのおすすめカクテルはカクテルのなかでも定番中の定番「ジン・トニック」(1,300円)。オーナーの勝亦氏が修業したという名店「オーパ」のレシピを引き継いだカクテルで、ジンにライムを加え、トニックウォーターで割っただけとは思えない美味しさを秘めている。

店名にもなっている「フォーシーズン」(1,500円)や、真っ赤な色合いが美しい「イチゴのカクテル」(1,600円)もおすすめ。またパスタやシチュー、ハンバーグなどフードメニューも豊富なので、こちらでディナーを愉しむのもいいだろう。

BAR DATA
BAR FOUR SEASONS
中央区銀座4-3-12 伊藤ビル4F
☎03-3563-0808
営業時間/18:00~翌2:00(土曜は24時まで) 定休/日曜、祝日
チャージ/1000円 席数/カウンター11席、テーブル4~6席 
アクセス/JR「有楽町駅」、東京メトロ「銀座駅」より約1分

BAR SUPERIOR(スペリオ)|昭和15年創業の歴史ある老舗

「サロン」という言葉がぴったり似合う「BAR SUPERIOR(スペリオ)」は、どこか知的な雰囲気が漂うバー。昭和15年に創業しただけあって、現在のバーができあがるまでにはたっぷりの歴史がつまっている。

こちらのバーの創業者吉田作次郎氏は、現在のマスターの祖父にあたる。吉田氏は、「スペリオ」というアメリカ人が経営するバーで働いてから独立して、こちらのバーをオープンしたのだそう。その後祖母と母が受け継いだが、その間はスナックとして営業していたのだとか。そして現在のマスターである吉田均氏が継ぐときに、再びバーの形に戻したという。

店内のコースターや入口、そして提供されるカクテルなど、さまざまなところに昔の名残があり、その歴史が感じられる。お酒を飲みつつ、マスターに直接物語を聞かせてもらっても愉しめることだろう。

こちらのお店のおすすめカクテルは、「サウダーデ」(1,620円)。ポートワインにヘーゼルナッツリキュールとブランデーを合わせたオリジナルカクテルで、アルコール度数は少々高いが、甘くて飲みやすいデザートカクテルとなっている。

「BAR SUPERIOR(スペリオ)」は、銀座7丁目の東幸ビル2階。JR「新橋駅」と東京メトロ「銀座駅」両方から徒歩5分とアクセスしやすい場所にある。

BAR DATA
BAR SUPERIOR
中央区銀座7-7-14 東幸ビル2F
☎03-3571-6369
営業時間/18:00~翌3:00(月~金) 定休/日曜、祝日 
席数/カウンター10席、テーブル12席 チャージ/1620円
アクセス/JR「新橋駅」、東京メトロ「銀座駅」より約5分

BAR ANTHEM(バー・アンセム)|ベテランバーテンダーによる驚きのジントニック

最後に伝説のジントニックを提供すると噂の「BAR ANTHEM(バー・アンセム)」をご紹介しよう。同業のバーテンダーが薦めるほどの「ジントニック」(1,620円)を提供するのは、マスターの浅倉淳氏。

こちらのジントニックは、ただ混ぜ合わせただけのカクテルではない。まず3種類の炭酸を混ぜて複雑な立体感を持たせ、ライムの皮に50ヵ所ほども切れ目を入れて香りを立たせる。そしてキナ皮の粉末を加えることにより苦みをプラスし、全体がまとまるようシェイクして作られるのだ。

浅倉氏によると、バーのスターターとして注文されることの多いジントニックを、とことん突き詰めたのだという。実際に「BAR ANTHEM」では、お客の9割がこのジントニックを頼むそう。足を運んだ際は、ぜひ頼んでみて欲しい。

「BAR ANTHEM」は銀座6丁目の曾根ビル2階。東京メトロ「銀座駅」だけでなく、JR「有楽町駅」からも足を運べる位置にある。こちらのお店の特徴は、バーにしては珍しい個室があること。商談に利用するほか、落ち着いた雰囲気のデートにもおすすめだ。

BAR DATA
BAR ANTHEM
中央区銀座6-4-8 曾根ビル 2F 
☎03-5537-2545
営業時間/18:00~翌2:00(月~金)、17:00~24:00(土) 休/日曜、祝日 
チャージ/1080円 席数/カウンター9席/テーブル8席/個室6席 
アクセス/JR「有楽町駅」、東京メトロ「銀座駅」より約5分

銀座には、さまざまな老舗バーがひしめく。今回紹介したお店を足がかりに、ぜひ銀座の街を探検してみてはいかがだろうか。

文/阿部 文枝・奥 紀栄・沼 由美子・編集部  写真/秋 武生

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